宮本武蔵(六) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101154664

作品紹介・あらすじ

荒野でめぐりあった少年・伊織。今朝、父親を亡くし一人になった彼を弟子に迎えた武蔵は、伊織の住まいであった藁屋を焼き、新たな小屋を建てる。さらに、剣を置いて鍬を持ち、痩せ土との闘いをはじめるが……。そこに秘められた武蔵の狙いとは? 自然を相手に、征服ではなく理解こそが必要だと識(し)った時、人の道も同じだと彼は悟った――。

感想・レビュー・書評

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  • 『宮本武蔵』の最終巻である本書は、最初から最後まで勢いのある小説となっており、著者の表現力に感服した。宮本武蔵が佐々木小次郎を討ち取るという結末は分かっているものの、それまでの成り行きや実際の戦闘シーンはとても臨場感溢れるもので大いに楽しめた。巌流島での決闘は思ったよりもあっさりと勝敗がついてしまった。武蔵が、小次郎にとどめを刺さなかったところに武蔵のどのような気持ちが込められているのかと考えたが結局答えは分からなかった。しかし、そういったことを想像していくことが本書のような小説を楽しむ一つの方法であるとも思う。今回初めて長編小説を読んでみたが、読了後には達成感があり、また得たことも多く満足である。今後も他の長編小説を挑戦していきたいと思う。

  • 一気に3年ほど経った。
    伊織という弟子ができた。城太郎は?

  • 2021/12/11読了
    「みんな知っている有名作品」だけど「ちゃんと読んだ事ない作品」でもある。〈新潮文庫〉で全8巻の大作をなぜ今更読もうと思ったか、大谷翔平選手の”二刀流”での大活躍に触発された訳ではなかった……筈だ。
    ちゃんと読んでみると、ドラマとかの『宮本武蔵』の展開がいかに盛られまくったものか良く判った。とは言え、お通さん、道を究めようとする余り、自分を放ったらかして何処に行ったかも判らない武蔵を慕い続ける姿は、一途というのか狂気というのか。特に女性の方は、このあたりをどう思われるのでしょう?

  • 荒野でめぐりあった少年・伊織を弟子にとり、小さな小屋を建て、治水をして、痩せ土を耕す。鍬を持つ中にも、剣の修行はあるはずと考え、心の糧を求めるため、働いて喰らう生活を学ぶためにしばらく剣を置いたのだった。場所は法典が原、今の船橋法典らしい。

    近くの村の人たちからは狂人と呼ばれたが、その村が土匪たちに襲われる。村の人たちを導き、村を救った武蔵は、ともに農業を始め、村を豊かにした。

    数年後、伊織とともに江戸に入った武蔵。そこにはお通、又八、お杉婆、小次郎の姿も。本阿弥光悦の弟子、刀研ぎ師の厨子野耕介に世話になる。そこに現れたのは佐々木小次郎に連れられた、お杉婆だったが、またも武蔵を討つことはできなかった。

    お通は又八に連れられて江戸に入ったが、柳生石舟斎の高弟・木村助九郎に救われ、柳生邸に世話になる。しかし、石舟斎危篤の報せに、兵庫とともに奈良の大和を目指す旅に。

  • バガボンドの連載が止まったので原作と言えるこの本を読んだ。
    井上雄彦さんの絵のタッチのまま読み通せた。
    この本の世界観を忠実に描いているなぁと感心すると同時に、井上さんのメガネを通してしか観られなくなってしまったのがもったいない気もした。

    「五輪書」と併せて読むと、より深く宮本武蔵の強さの秘訣に、身震いするような研ぎ澄まされた感覚に近づけると思う。

    まぁ、知る、見る、近づくと、実践するのとではファンとプロのスポーツ選手くらいの大きな隔たりはあるわけだけど。

  • 小次郎の策略により汚名を着せられた武蔵が出会った孤児、伊織。剣を置き、鍬を持った武蔵は伊織と二人、小屋を建て、畑を拓く。自然を相手に新たな戦いを始める、第六巻。

  • 伊織登場。荒地に畑を作るくだりは、涙でた。

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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