- Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101154695
感想・レビュー・書評
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大河ドラマもあって、誰の官兵衛を読もうかと思いましたが、やはり、吉川英治かと思い手に取りました。期待を裏切らず、面白くどんどん読み進められました。先を見通す先見の明、裏切られる事の日常の世の中で、それでも仁を貫く官兵衛に心の強さ、深さ、広さをほんの少しばかり分けていただいた気がしました。
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戦国武将の物語を読むときに思うのは、決して武将の武勇伝=戦争賛美ではないということに気を付けないと読み方を誤ってしまう。
物語は、戦国時代という自らの力の及ばない歴史の激動に巻き込まれた人間の苦悩であるはずだ。
だからこそ時代を過ごした人々の運命の変転の中で、どのように生きていけばいいのか・・・という問いかけを、物語の中に見つけなければ著者のの作品にかける思いというものが伝わらなくなってしまい、単なる戦記物に終わってしまうように思う。
物騒な世の中ではあるが、何とか窓の外に藤の花が見える時代が来ればいいのにと感じました。 -
大河ドラマが始まる前に購入。
ドラマが始まってから読み始める。
平行して読み進めようかと思ったが、
あまりにも読みやすくてドラマより先に読了。
個人的には前半の方がスピード感もあって
読み応えがあった気がする。
主君のために、
だれかのために、
忠義を尽くせる人の
その心の強さと、潔さと、清らかさは
どこからやってくるのだろう。
そこまで付き従わせる主君たる人の
魅力はどこからくるのだろう。
現代に命をかけた主従関係は持ち込めないけれど、
「この人のために」
と思える人に
生涯出会える人もいれば
「なんで私が」
と思いながら働き続けることもあるのだろう。
竹中重治の言葉が今は響いた。
「百年生きても遭い難き名主にお会いし、
ただ長寿だけしても得難い良友を持ち、
更には、またなき時世に生を得て、
すでに三十六歳まで生きたのですから、
天にたいして不足を思う筋合もありませぬ。」 -
大河ドラマ化されるとの事でやたらと見かけますが、歴史小説と言えば、という事で吉川英治氏の作品に手を伸ばしました。
昭和18年の作品とな。
そう感じさせない作品に驚きつつ、黒田如水の壮絶な生涯に感銘を受けました。