秘録・陸軍中野学校 (新潮文庫)

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著者 : 畠山清行
制作 : 保阪 正康 
  • 新潮社 (2003年7月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (700ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101155210

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秘録・陸軍中野学校 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 陸軍中野学校から想像していた諜報・謀略というイメージとは違った印象を持った。この学校が参謀本部はもとより陸軍内でも理解されていなかったことも驚きだ。一部の有志が情報戦略の重要性に気づき、優秀な人材を軍の前例に拘らずに集め、手探りで諜報活動等を教育していった。謀略は『誠』なりの精神を実現しようとした学生達。著者が本書を執筆できたのも、中野学校に対する真摯な思い=誠がなせる技だったのかも知れない。

  • 2015年に一度読んでましたが、今回2017年4月二度目の完読を終えました、私の祖父(明治35年生まれ)は海軍でしたが満州国、上海、最後は海南島に陸戦隊としていたらしいです…
    この当時のアジア史をもっと知りたかったからのめり込みました。

  • 小説ジョーカーゲームの元となった
    資料でありながら、読ませる
    証言や資料満載の一冊です。

  • てっきり、陸軍中野学校で行われていた教育についてドーンと書かれた書だと思っていたら、実はそれに関する描写はほんの僅かで、ほとんどは20世紀前半の日本軍における謀略や諜報活動にまつわるエピソードの記述だということが分かり、ちょっと拍子抜けした。

    本筋とは離れた余談ながら、徳川幕政と武士道に関する著者の考察は面白いと思ったし、また柳広司氏の「ジョーカー・ゲーム」シリーズが忠実に陸軍中野学校をモデルにしていることや、小野田寛郎氏が中野学校出身だったということを初めて知り、非常に興味深かった。

  • 2007年刊。S46年刊「陸軍中野学校」の抄録。スパイ養成学校たる陸軍中野学校。このOBらから聴取した内容をまとめたもの。まず、抄録というところがいただけない。現代からみた明白な誤謬訂正は必要だが、抄録では保阪氏の予断混入を防止できないからだ。また、描述もフィクション的手法によるため、読みやすい反面、内容の信憑性を損なう結果となっている。他方、「誠」の心性を強調しているが、ある個人の心性はともかく、組織全体として、あるいは第三者への対応が常に「誠」だとは限らず、些か偏頗・誇張を含んでいる感が否めない。
    ただし、底本の再版が望み薄で、中野学校の情報がなかなか表に出てこないことからすれば、一方側の意見ないし見分録取ではあるものの、一読の価値を持つかもしれない。

  • 優秀な人々が、富や名声の為でなくただひたすら職務を全うするのが印象的。太平洋戦争・戦後のエピソードが多い後半は読みやすかったけど、前半は知識がなく難しかった。私が無知なだけですが。

  • かつて日活で制作された『間諜中野学校 国籍のない男たち』なる映画を観たので、かかる書物を手に取つてみました。
    ちなみにこの映画は1964(昭和39)年の公開なので、市川雷蔵で有名な『陸軍中野学校』シリーズよりも早いことになります。 

    さて『秘録 陸軍中野学校』は、畠山清行氏が正編を1965(昭和40)年に、続編を翌1966(昭和41)年に発表した労作力作をもとに、保阪正康氏が編集を加へた一冊であります。
    元の版は、正続併せて60編のエピソオドからなり、それぞれが独立した内容となつてゐたのを、保阪氏が28編を厳選しテエマ別に再編集したものです。半数以上は割愛された訳ですが、残つた28編だけでも700頁に及ぶヴォリュームがあり読み応へがございます。

    従前、中野学校に関する情報は限定的にしか解らなかつたと言ひます。卒業生たちも黙して語らずの姿勢を貫いてきた証左と申せませう。
    何しろ軍の機密を扱ふ秘中の秘の存在。スパイ天国を返上するべく誕生した中野学校だからこそ情報の漏洩は少なかつたことでせう。

    本書によりますと、当時の日本の諜報網は案外に進んでゐたやうです。
    諜報先進国である英国や独国には及ばぬものの、「新興国」米国を上回る技術を所持してゐたさうです。これは意外な話でした。

    選りすぐりの優秀なメムバアを召集し、自由闊達な校風の中で一年間(実際tはそれよりも早く卒業させられたやうですが)みつちり叩き込まれたといふことです。

    俗世間では一般会社員に化け、親から貰つた名前も捨て、祖国のために命を預けた若者たち。卒業後は各方面に工作員として派遣され、「中野卒業生」は期待通りの成果を挙げたのであります。
    むろん彼らの仕事の性格上、誰にもその成果は見えず、従つて素晴らしい功績を挙げても賞賛する人もない、しかも失敗すれば死が待つといふ切ない任務なのでした。

    著者は当時はまだ少なかつた文献に徹底的にあたり、関係者たちの生の声を集め、中野学校の全貌に迫らんとしたのであります。吉田茂と東輝次氏との項では、真の愛国者とは誰だつたのかを問ふ象徴的なエピソオドが開陳されてゐます。これを読んで吉田茂の印象が少し変りました。

    本書の刊行後、陸軍中野学校に関する書物は続々と登場しますが、現在も褪せることのない存在感を示す一冊と申せませう。

    久々の更新で若干疲労しましたので、これから寝ます。晩安大家。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-489.html

  • 中野学校を中心に、日本軍の諜報にまつわる挿話を広く紹介した構成。分量はあるが、逆に中野学校へのフォーカスはやや薄く、その点物足りなかった。

  • 陸軍中野学校が「祖国のため」に秘密戦士として育てられましたという話。

  •  1938年に設置された陸軍の工作員養成機関「陸軍中野学校」の設立経緯から教育内容、出身者たちの活動を追跡したルポルタージュ。平時・戦時でのインテリジェンス活動の紹介から、「中野学校」の生きた教材として紹介された明石元二郎の事績、さらには太平洋戦争開戦時の南方工作や作戦秘匿の工作、戦時末期の吉田茂に対する監視活動までを取り上げる。

     対象が対象だけに、裏付けを取ることが難しい内容も含むが、通説をくつがえすような記述も散見される。
     たとえば、

    ・日本軍の暗号は、すべてが解読されていたわけではない。逆に、日本軍は、中国国民党軍の暗号をほぼすべて解読していた。
    ・合州国はインテリジェンス活動の後進国で、占領軍のキャノン機関といっても、その内実はかなりお粗末なものだった。
    ・中野学校では、外国に潜入し、日常的に情報収集活動を行う「残置諜者」を養成することが目標の一つとされた。戦時末期には、占領された離島や本土決戦時に後方を攪乱し、遊撃戦部隊の指揮官として活動することを目的とした教育も行われていた。ルパング島で発見された小野田寛郎少尉も、この「離島残置諜者」の一人。
    ・中野学校には、当時の日本の知的トップエリートが集められたので、戦後社会の指導的な地位に就いた人物も少なくない。

    等々。

  • 編者まえがきにもあるように秘録陸軍中野学校と銘打っていながらその内容は古今東西のスパイ、諜報に関する知識を駆使して時には本編を逸脱して講談師(といってもあまり講談も聞いたことがないが)さながら、茶飲み話か、酒の席での話かという程取りとめもなく話が進められていく。

  • 20118月日本渡航時購入

  • specにも出てきた、中野学校の話。読みやすい。
    柳広司のジョーカー・ゲームが面白かったから読んでみた。

  • 世の中みんなスパイに見えてくるような。

    中野学校メインだけど、同じくらい各国情報戦・秘密作戦の歴史も盛り込んだ内容。

  • こっれ 面白いなー 読みやすい。
    諜報とは。から中野学校の成立・行方まで。

  •  この本のタイトルは『秘録 陸軍中野学校』ですが、中野学校に関するものだけではなく、中野学校に至る諜報活動等の経緯もフォローされており、日露戦争から太平洋戦争までの諜報についてのエピソードをふんだんに取り入れたものとなっております。それと同時に、諜報活動に従事した人間の生き様を見せてくれる、稀な本でもあります。「謀略は『誠』なり」、この言葉の良さを感じさせてくれた本でした。

  • 労作です。が、中野学校というと雄妻とか玉金とかゲゲイヴェンとかが真っ先に思い浮かんでしまう…

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