- Amazon.co.jp ・本 (704ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101155210
感想・レビュー・書評
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2015年に一度読んでましたが、今回2017年4月二度目の完読を終えました、私の祖父(明治35年生まれ)は海軍でしたが満州国、上海、最後は海南島に陸戦隊としていたらしいです…
この当時のアジア史をもっと知りたかったからのめり込みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小説ジョーカーゲームの元となった
資料でありながら、読ませる
証言や資料満載の一冊です。 -
犬公方綱吉の令により、花のお江戸は野良犬だらけ。始末出来ずに集められたのが現在の中野駅前。その数数十万頭。今では大学も誘致され、中野ブロードウェイという昭和モダンな商店街に学園都市の要素も加わり、沿線でも屈指の人気エリアになっている。しかし古地図でみると中野は確かに江戸のはずれ。田舎だった。 そんな状況は戦前も変わらず、中野駅前には広大な空き地があった。そこにある学校が創られた。それが中野学校だ。
日本初の諜報員養成学校で、その実態はあまり知られていない。
こんなエピソードが紹介されている。
昭和40年代に市川雷蔵主演で中野学校が題材となった映画がつくられた。人気シリーズだったらしい。撮影時には中野学校出身の元スパイという触れこみの男が情報提供顧問として製作に関わっていた。しかし同じく中野学校の卒業者からみるとどうにも正体不明だった。
そこで話を詳しく聞くと、実は中野学校の隣にあった憲兵学校の出身者で、そこの憲兵学校でも諜報活動を教えていたので、中野駅前にあった学校=中野学校ということで中野学校出身と言っていたらしい。
しかし、それは詐称していたわけではなく、中野学校は通称で、そもそも正式に学校の看板を掲げていたわけではないから、男が勘違いしても無理はなかった。本当に中野学校出身と信じていたということだ。隣の敷地で学んでいた人間ですら、隣で何が教えられていたか知らなかったわけだ。
だから、映画の内容は知らないが、正確に言うとそれは中野学校の話ではなく、中野の憲兵学校でのエピソードが下敷きになっている。
この本は700ページくらいある。それでも元本からの抜粋だ。元本は全六巻もあるらしい。
あまりの情報量に一度は読むのをあきらめた本だが、『ジョーカーゲーム』シリーズにはまったため、読みなおした。シリーズのネタ元が数多く載っているので、読後に読むと、かなり面白かった。紹介したいエピソードは山ほどあるが、途方に暮れそうだからやめておく。
『ジョーカーゲーム』シリーズの後に読むのには強烈にお薦めしたい本。