忍者丹波大介 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.44
  • (9)
  • (30)
  • (55)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 288
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156026

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み

  • 信義をモットーにする甲賀忍者。

    しかし、豊臣政権の没落後、諸大名の勢力は二分する。そのような時流の中で、甲賀忍びのあり方も変容してゆく。

    丹波大介は信義の甲賀を捨て、一匹狼として、己の信じるもののみを信じ、忍びの道を歩む。

    痛快な戦闘シーンは少なく、娯楽としての読み物というよりも、歴史の中でこういう生業の生き方があったというような、心の移りゆく様が丁寧に描かれるしっとりした一冊でした。

  • 甲賀忍者大介は、甲賀忍者総帥が誰に与したら解くか迷っている様を見て、忍び丹波大介を名乗り一匹狼となり、自らが信じる信義に忠実であろうとする、丹波大介の目を通して徳川率いる東軍と石田三成率いる西軍のどちらにつくべきかさまざまの武将の去就を垣間見るような感覚になる小説。ただし、登場人物が多くなかなか複雑でついていくのが大変だった。
    歴史小説は面白い。

  • 忍者が主役の小説。長大な真田太平記の一部をクローズアップしたような感じ。

  • 関ヶ原の戦いの少し前、戦国時代を舞台にした血気盛んな若い忍者の物語ではある。忍者物の時代小説として読めば微妙な話ではあるが、働き始めて数年し、仕事に慣れてきた頃の社会人の話として読むとなかなか面白い。
    主人公の大介は自分のスキルに根拠のない自信を持ち、悪運だけはやたら強い甲賀忍者。自分の仕事に疑問を持ちながら、上司や仲間に恵まれ、なんとなく仕事をしている状態。あることをきっかけに、ついていくならこの人じゃないかという人物に出会い、フリーランスになり、真田家の食客に・・・。

  • 何か読んだことあるような、無いようなと思ってたら
    「火の国の城」の忍、大介さんではありませんか!!と読み終わって気付く。
    あれはいつ読んだんだっけ?と思い遡る事2013年だった…そうか5年前か。
    忍目線で見た豊臣秀吉没後~関ヶ原合戦すぎまでの話をギュッと凝縮
    甲賀忍者ではなく丹波忍者ですと。そこから。
    すごい忍者だというよりは、いろんな局面でラッキーというか
    運が味方してくれた感がすごい気がするのは私だけでしょうか。
    ラストの方、ほんの数行しか無いんだけど於志津との今後の人生を期待していただけに
    なんとも虚無感がすごかった。切なすぎる。
    忍者作品好きな方はおすすめ。

  • 池波正太郎の主人公は信義がある。そこがいい。信念を持って行動する格好良さが伝わってくる。

  • 2014/4/13

  • 豊臣秀吉歿後、大名勢力は二つに分かれ関ヶ原の合戦で徳川方が勝つ。そんな勢力争いの渦中で甲賀忍者の立場を捨てた一匹狼・丹波大介は自らを丹波忍者と語り、真田昌幸、幸村のためにはたらく。
    池波正太郎の描く「忍び」の作品のなかでも、読み応えのある歴史小説。

  • 真田太平記のプロトタイプか?真田太平記と設定が少し違う同名キャラが登場するので違和感あり。主人公の丹波大介に全く魅力を感じなかった。他の忍者と比べて凄いのかどうか分からないが運だけは良いと思う。運も実力の内というから凄い忍者なんかも知れんけど。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池波正太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
池波正太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×