- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101156101
感想・レビュー・書評
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グルメな人の表現は、すごいな。
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池波正太郎の食味エッセイ。
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東京、横浜、京都、近江、パリまで! 思わず行ってみたくなるお店もたくさんあるし、読んでるだけで楽しい。
「東京オリンピック」で東京の東京らしさが失われたのだとこの本で知った。京都もその影響を受けているのだそう。 -
『食卓の情景』に続く、池波正太郎の食にまつわるエッセイ。食のみならず、本エッセイにて語られるのは、昭和の情景。当時すでに失われつつあった著者の慣れ親しんだ食文化を含めた昭和の情景に対する限りない哀惜と、それを塗りつぶすような新時代に対する違和感を、決して激することなく、淡々と綴るその懐述に、思わずぐっと引き込まれる思いです。本書は、前作の『食卓の情景』共々30代後半以上の人たちにとっては、何らかの具体的なイメージを与えてくれるのではないでしょうか。逆に、若い人たちには少々情景を思い描くことが難しいかもしれませんね。
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たまらん、池波正太郎の食べ歩き本。
こんな文学的な食い意地の張った美味しい本があるとは。
夢中で集めました。 -
どこのページからも、美味しいにおいが流れ出てくるようだ。
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ブクブク交換会(2/15、新宿 Be Wave、テーマ「旅」)で採り上げられたお勧め本。
子供の頃からグルメで、大人になるためにまずは名料理店へ向かったという食通の著者が、お気に入りの店や町について記したエッセイ。
時代劇作家の知識に裏打ちされた歴史の蘊蓄をはさみつつ、こだわりの料理について語る文章には愛があふれており、本当に旨い料理を愛してやまない人なんだとわかります。
表紙絵の水彩画風の装丁も著者本人の手によるものということで、(多芸な人だなあ)と思いました。
読んでいるうちに、質の良い食事の時間をじっくりと堪能したくなります。
グルメ本と一言で言って終わるにはもったいない、一昔前の古き良き日本が描かれた、洒脱な一冊です。 -
京都の寺町 サンボアなども登場する。
この作家は、浅草の人のようです。
掲載された京都甘味もの
いち和 イノダコーヒ かざりや 平野屋 村上開新堂 -
池波さんを代表する食エッセイ。
タイトルのすばらしい本は中身もすばらしいと言い張るわたしの
理論を後押ししてくれる究極の食エッセイです。
この文庫版を本棚でみつけようとしてみつからず、しかたなく
ハードカバーのほうを取り出して読み始めた次第で。
「銀座界隈」と題された章のなかに「天國」という天ぷら屋が
登場する。池波さんにとって天國は
(すこし、腹がくちいな)
とおもっても、ここの天丼だと、すっと腹の中へ
おさまってしまう。
ものらしい。「くちいな」というのは江戸弁で「きつい」の
ことだろうか。
この文章を読んで、わたしは意気揚々と銀座へと繰り出し、
銀座の通りという通りを歩きつづけ、おなかが空いてきた
頃合いを見計らって「天國」へ入って天丼を注文した。
味はいうまでもなく最高だった。池波さんが言うように
見た目に反して、さらりと食べられる。
この経験から、わたしは池波さんの舌の確かさを確認した。 -
本書は食に関してのエッセイですが、決して名店ガイドやレシピ本などではありません。
この本は昭和40年後半に週刊誌に連載されたエッセイをまとめた物で、家族、友人、仕事関係等々色々なシーンで食べ物のに絡んだ日常や思い出話が綴られています。
実際文中のお店は既に無いところの方が多いのでは無いでしょうか?
筆者はグルメと言うより、食べること飲むことが大好きで、また少々のこだわりがある方のようです。
文章をそのまま読むと、筆者はかなりの大食漢かと思われますが、もしかすると当時は一皿一皿が小さいのかも。
当然、味へのこだわりも見られますが、店の雰囲気、特に店の対応が気持ちよい事を一番重要視されている様に感じる部分が多く見られます。
このあたりは私も同感です。
味が良くても、客に丁寧に接しない店には二度と行かない、なんて私と一緒。
ともあれ、池波正太郎さんの人生や家族やこだわりを写すためのアイテムとして食べ物を使ったという感じの文章ですが、とても嫌味のないさわやかな読了感でした。