おせん (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156262

感想・レビュー・書評

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  • 昭和40年代に雑誌に掲載された13の短編集。女性が主人公の作品ばかり。その頃の女性を横目で見ながら、江戸の市井の女性を登場させているであろうから、その頃の読者に伝わるのだが、現代の読者、特に若い女性が、読んで共感できるであろうか。興味深い。2018.8.20

  • 女の業の深さは江戸も今も変わらない。

  • 短編集としては、まあまあ楽しんだ。しかし、男性の筆者目線による「女というのはこういうもの」というネガティブな決めつけが地の文で堂々と語られるのは正直気分が良くない。解説で好意的に説明されている筆者の「(特に若い)女性への厳しい眼」とやらにもマンスプレイニング的なものを感じ、萎えた。

  • 茶屋の客に身請けされたおせんが別の客(こっちは評判も良くなかったしちっともいい思いをしなかった)のお母さんを押し付けられる話(いや、こんな雑な設定じゃないけれど)
    意外に上手くいくのは凸と凹が嚙み合ったからか、相手を尊重し合えるふたりだったからか。。。

  • どの短編も意外性のある展開で人物たちにも説得力があって、読み応えがあった。
    さすが名人。

  • 今まで読んできて「これは面白い!」と思った小説の基礎みたいな話のオンパレードでした。
    昨今流行りの小説家は、池波正太郎さんの小説から着想を得ている作者が多いんだと分かりました。

  •  自堕落な生活をしていたおせんは、島流しになった男の老母おみねを押し付けられる。しかし、おみねは。 
     という表題作を含む13作の短編集。いろいろな意味で強い12人の女性と1匹の雌猫が主人公。朗らか、壮絶、痛快、ほろりと結末も様々で、どれも面白い。女性が読んだらどう思うのかな。

  • 女性が主人公の短編13編。この時代、女性が生きていくのは大変だったんだなー。

  •  池波正太郎さんの女性を主人公にした短編13話、どれも読み応えがあり面白かったです。「おせん」、1985.9発行。蕎麦切お園のプライドや良し。陰謀により殺された父の仇を討ち見事切腹したりつ23歳の男顔負けの潔さ。おせんと老婆おみねの二人の関係、一番のお気に入りです。夫金之助の仇である剣の達人弥十郎を捨て身で討ち取った八千代の心意気、それを黙認した佐々木瑠伊の心や良し。お千代(猫)と白狐の話も魅力たっぷり。虚弱な美女おきぬと健康な大女お道の話は味わい深いものがあります。池波正太郎の「おせん」、気に入りました。

  • なかなか愉快に読んだ。肩の凝らないさらりと短編でした。特に表題の「おせん」が良い。全ての人が幸せなハッピーエンドだから。まさか人間万事塞翁が馬?

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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