真田太平記(四)甲賀問答 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (595ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156378

感想・レビュー・書評

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  • 真田家に仕える忍び、壺谷又五郎や、お江の父の出身は甲賀忍者です。
    甲賀における忍びのあり方が描かれます。
    そして物語では、秀吉に仕えていた甲賀忍びの本家と、家康に仕えていた甲賀忍び分家が手を結びます。
    真田忍びのお江は甲賀に深く入り込み、脱出の際に大怪我を負います。
    この四巻は、ほぼ全部を掛けてお江さんの甲賀脱出物語です。

    天下人豊臣秀吉は朝鮮攻めに出ます。
    上杉の人質源二郎信繁は、豊臣秀吉の元に移ります。「どうせ人質ならわしが預かろう」
    真田家は海を渡り朝鮮に戦に行くことはないのですが、陣中で真田昌幸は上杉景勝、秀吉の奉行の石田三成からそれぞれ思いやりや義を受け感じ入ります。
    …つまり関ヶ原でどっちに着くかこういうことで決まったんだよ~という理由づけですね(笑)

    終盤で千利休が死にますが、作者の考察のようなものが記載されています。
    歴史小説は、たまに作者の論文や感想みたいなものが出てくるのが楽しめます。

  • この巻は、甲賀に潜入し窮地に陥った真田の忍びお江とそれを助けた田子庄左衛門の物語。忍びの者たちの生の苛酷さと哀切。池波正太郎、よくぞこんな世界を作りあげたものだ。 そして徐々に精彩を欠き狂気すら垣間見える天下人秀吉。次巻はどう物語は動いていくのだろうか。

  • #2780ー15ー75

  • 副題の「甲賀問答」の通り、忍び達のエピソードが中心のこの巻。お江や又五郎にはまだ隠された謎がありそう。解き明かされて行く展開が楽しみ。
    昌幸・信幸・幸村だけじゃなく佐平次やお江・又五郎など、幾重にも重なった群像劇。
    読み応えがある。

  • 歴史の裏で闘う忍びの活躍が描かれていて、息を飲むシーンが何度もありました。物語が進むにつれて浮き彫りになる彼らの繊細な感情の変化に、胸を動かされました。

  • 【読了メモ】道中で読み終えると、続きが気になって気になって…。

  • 特に、フィクション中心の巻。
    草の者の闘いにワクワクした。

  • とにかく草の者の攻防が、ドキドキハラハラの展開で、大名側の流れがグダグダな時だけに、良いスパイスになったかな、と。

  • 無謀と思える朝鮮出兵を進める秀吉に危うさを見た甲賀の首領は、豊臣の忍びに徳川への寝返りを画策する。それを探るお江たち草の者たちの壮絶な戦いと脱出劇が繰り広げられる。この巻のメインは忍びたちの戦いで諜報網の優劣が主家の存亡に関わってくる真田太平記のもう一つの柱が見えてくる。甲賀と草の者たちの因縁も上手く取り入れられて、お江の敵地からの脱出をスリリングに演出してくれる。朝鮮出兵で共に名護屋にいる真田本家と分家に微妙な温度差が生まれ、いよいよ始った感がある。修行に入った佐助や右近は今後どう関わるのか。

著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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