むかしの味 (新潮文庫)

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著者 : 池波正太郎
  • 新潮社 (1988年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156507

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むかしの味 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 匂いも味もしないのに、確かに「うまい」が文章から伝わってきます。これぞプロの仕事。大切に持っていたい一冊。
    http://www.ne.jp/asahi/behere/now/newpage173.htm

  • 絶対空腹時には読んではいけない、
    小説家池波正太郎氏が綴る極上の「食」のエッセイ。

    と言っても、本作品はただ「この店の何が美味」
    などといった事をダラダラと書き殴った
    グルメ本などでは決してない。

    飽食の時代と言われている現在、
    舌で育てる味覚も心で味わう感動も
    鈍ってしまっているような現代人に対し、
    この作品を読む事で、
    「食べる」という行為が本来持っている、
    私達人間にもたらしてくれる喜びの感覚や
    幸せの実感を呼び覚ましてくれるような、
    「五感に訴えかける作品」である。

    今までの自分の人生を振り返りそこで出会った
    食べ物の味、店の雰囲気を、
    その食べ物を味わった当時、
    筆者が関わった人物の思い出とその時の想いなどと
    共に読めばその映画のように味わいのあるシーンが
    頭に浮かび、その食べ物の匂いがしてきそうな、
    まるで一冊の脚本を読んでいるかのように、
    鮮やかに、活き活きと描かれている。

    外食をするならば、背筋のピンと伸びた料理人の
    作った料理を大好きな人と一緒に食べる、
    そして一食一食、食べる事を
    映画を観るような素敵な事として楽しむ、
    それが、自分が食べるものを
    更に美味しいもの変身させる極意なのだ、
    と池波氏に教えられているような気持ちになる。

  • 本書は昭和63年に文庫化されたものだが、食通の著者の文章が素晴らしく良い。〔たいめいけん〕は、当時も有名な洋食屋だったのだろうが、今はTVで紹介されてか、休日には時分どきを外しても長蛇の列で、店そのもにに入れやしない。いや、本書は店に客を呼込むグルメ紙ではないのだが、やはり本書に出てくるものを食べたいものだ。〔どんどん焼〕は作れそうな気もするが、元の味を知らないし……解説で書かれた「日々のニュースに見られる救いようのない事件」どころではない平成の世を著者が見たら「君たちは気の毒」では済まないだろうな。

  • 著者池波氏の思い出の食べものやお店が、その思い出とともに綴られている。
    昭和63年刊行のため、現在はないお店も多く登場するが、そんなお店があったのだということを知るだけでも面白い。当時の時代の雰囲気がとてもよく分かるのも、面白かった。
    巻頭に料理の写真が載っているのもよかった。
    機会があったら、本書に登場するお店に行ってみたい。

  • 北村薫『愛さずにいられない』にて。

  • 私にとり池波正太郎は、
    時代小説作家、劇作家であると共に
    「随筆の名手」です。
     
    私達(戦後世代)が知る味、
    私達が知らぬ「むかしの味」。

    この作は、人々の営みを読者に教えてくれます。
    「ご馳走の湯気」、その向こう側に。

    そんな一冊です、私にとって。

  • 池波正太郎氏が存命時に長いこと通っていた店に関するエピソードを綴ったエッセイ集のようなもの。氏の食への造詣が存分に発揮されている。そして、紹介される店の人たちが魅力的で、私も行ってみたいリストに追加してしまった。ゆっくりとした時間には持って来い。

  • わたしの馴染みの店は神戸元町のJR高架下にある「丸玉食堂」で、もうかれこれ35年近くなるかな。ここの玉子餡かけ汁そば、店ではローメンと呼ばれているものともう1品は豚足の煮込みでパクチーとの相性が抜群です。もう1軒はわたしが住んでいる姫路にある、今年81歳になられたご主人と御かみさんで切り盛りされている「主水」。全国の地酒が揃っているので有難いのですが、ここの自家製オイル・サーディンと葱わんたんは最高です。いつまでも続けていただきたいと願う、とっておきのお店です。

  • 「たいめいけん:看板料理の18種類の一口サイズの料理」/朝鮮の僧侶・元珍が奈良へ来て蕎麦の割粉に小麦を入れることを教えた=蕎麦の原型/「神田須田町のまつやのカレー南蛮:大正末頃、関西でカレー南蛮を考えた人が東京で開店し客に出したのが始まり、まつやの太打ちと柚子切り」/豚肉をカツレツにする習慣は大正の関東大震災以後のこと、トンカツの流行もその頃から/1798年、暴風雨にもまれた大鯨が品川沖に現れ土地の漁師たちがこれを天王洲に追い込み生け捕りにした。浜離宮へひっぱていき、11代将軍・家斉も見物した

  • 文庫の再読。池波氏による食べ物の描写は言うに及ばず、その後ろに浮かび上がる"むかしの味"には、その時代も味も知る由もない私でさえも郷愁を感じてしまう。

  • 池波正太郎の食のエッセイ。
    他にも有名な本があるのですがウチの店にあったのが
    これだけだったので。
    エッセイの体裁ですが書かれている事は自伝のような、
    もっと言うと私小説な感じです。
    この人の経験をフィクションにする力はハンパない。
    25年前のトレンドが今でも旨そうに感じるのは
    言葉や文章の力を決して軽んじなかったからなんでしょうか?
    たいめいけん、行きてぇ!

  • 池波正太郎の食エッセイ。
    最初に読んだのは10年以上前だが、書き口が素晴らしく渋くて格好良く50年たってもこんな年寄りにはなれまいと思って、今も変わらずそう思う。
    食を語るに気取りがなく、浮わついた美辞もなく、居心地の良さが伝わってくる。ポークカツレツのくだりなど自分至上最高の豚カツ描写だと感じる。何度も読み直したい本。

  • 随分前に読んだことがある一冊を再読

    最近、ここに書かれたお店を訪れる機会があり、懐かしく思って引っ張り出した。
    名店の紹介は懐かしさと食欲をそそる。
    大好きだった「万惣のホットケーキ」があのお店で食べられなくなったのは
    とても残念。
    閉店したお店もいくつかあるようだが、老舗には頑張って「昔の味、昔の雰囲気」を守って欲しい

  • 池波先生がこんなエッセイを書いているなんて知らなかった。読んでいるだけで,「むかしの味」が感じられる一冊。もうこの本に書いてあるような雰囲気の店は少ないんだろうな。そういう意味ではいい時代だったんだろうなと思う。

  • 「たいめいけん」、「新富寿司」、「まつや」、「竹むら」、「資生堂パーラー」など古き良き時代の東京の名店と池波氏が訪れた地方の名店が氏に強烈な印象を与えている。池波氏の小説のなかで描かれる数多くの食べ物、その原点が此処に・・・。
    現在まで嘗ての味を大切にしているお店たち、何店かは訪ねたが、又お邪魔して美味しいむかしの味を確かめたいものです。

  • 味覚に訴えるだけでは、食べたいと思うには不十分だ。
    ストーリーが自分にはぐっとくるみたい。

  • 池波氏の食エッセイ。昔に通っていた店の紹介。通ぶってない通人だなこの人は。さらりとしててユーモアもあって、かつうまそうな描写。よいね。

  • どんどん焼き屋台、資生堂パーラー・・・うまそうです。

  • 池波氏が自身の思い出深い食べ物や店について語った一冊。
    老舗の有名店多し。個人的にはポークソテーやカツレツなどの洋食が新鮮に映り、食欲をそそられた。ただ思い出を淡々と書き連ねているという感じなので読み物としてはちょっとパンチが足りないようにも思う。

    ぜひホットケーキを味わってみたい! と思った万惣が今年閉店したと知り、とても残念…。「最高の小麦粉と卵をえらびぬいて作られる」というホットケーキ、食べてみたかったよ。

  • 池波正太郎著 むかしの味 読了。ここの所、池波先生の名著を読むのがマイブームになっていますが、以前この日記でも取り上げた事のある、「散歩のとき何か食べたくなって 」、「江戸の味を食べたくなって」、「食卓の情景」同様、「食」をテーマにしたエッセイ集なのであります。

    池波先生の他の著作でも度々登場している名店が幾多紹介されています。特に巻頭に各店の料理の写真が掲載されているのが良いですね。池波先生が少年時代に東京の下町の屋台で味わった「どんどん焼」を御自ら実演された写真もお宝ものだと思うのであります。

    「もともと、この本は、いわゆる食べ歩きの本ではない。私の過去の生活と思い出がむすびついている食べものや店のことを語ったものだから、この本を食べもの案内のようになさると、責任はもてない」(同著より抜粋)

    しかしながら、本書が執筆されてから30年余りが経過した今日においても、多くの名店が健在で我々の舌を楽しませてくれているのは、池波先生の眼力の凄さを感じざるを得ませんね。備忘録的にいくつか行ってみたいお店を記録しておくことにしましょう。

    資生堂パーラー
    前川
    神田まつや
    煉瓦亭
    たいめいけん

    そんな中で、神田の万惣が昨年度の東日本大震災の影響で休業してしまったニュースも知りました。再開を待ち望みたいものでありますね。

    【Dance1988の日記】
    http://d.hatena.ne.jp/Dance1988/20120615

  • 昭和56年(1981年)から2年間連載された食エッセイを、連載から6年後にまとめた本。序文ではその6年の間ですら世の中は大きな変貌を遂げ、紹介した店も変化しているに違いないと書いてある。果たして連載開始から30年後の今、この店たちはどうなっているのだろうか。この本を読む前に、紹介された店の一軒に偶然入ったことがあるが、この本に書いてある通りだったかどうか記憶にない。

  • 著者の行きつけであった店について紹介した本。
    読むほどに昭和のノスタルジックな世界に迷い込んだよう。
    老舗のお料理屋さんを訪れたくなります。

  • 最近のはやりのレストランへ行って、出された味に
    喜んでいる自分が、ほんとうにその味をわかっているのか??と
    思わされる文面でした。

    心のこもった丁寧な料理、安いなら尚いいけれど
    高くても心が伝わるようなお料理を選んでいきたい、気がする。

  • 正太郎先生は破壊力半端ない。

  • 資生堂パーラーでの、池波氏の思い出が素晴らしく素敵だ。

    万惣のホットケーキ、いつか食べたい。

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「〔たいめいけん〕の洋食には、よき時代の東京の、ゆたかな生活が温存されている。物質のゆたかさではない。そのころの東京に住んでいた人びとの、心のゆたかさのことである」人生の折々に出会った"懐かしい味"を今も残している店を改めて全国に訪ね、初めて食べた時の強烈な思い出を語る。そして、変貌いちじるしい現代に昔の味を伝え続けている店の人たちの細かな心づかいをたたえる。

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