- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101156606
感想・レビュー・書評
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2019年10月6日、読み始め。
最初の「雲州英雄記」は、山中鹿之介が描かれている。山中鹿之介という名前は聞いたことがあったが、良く知らない人物だった。この作品では、中々魅力的に書かれていますね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて読んだ。
云わずと知れた時代小説の大家が著した数多くの短編小説。その中から、女性の活躍や夫婦の絆をテーマに編まれた珍しいアンソロジーの一冊。
これまで長編ばかリ読んで来た著者の短編を読むのも今回が初めてではないか。そのくらい、ある意味新鮮な気持ちでリズム良く読み進めたのも良かった。
重厚な長編も良いが、この紙数の短編にも実に読み応えがあることに感銘を受ける。中にはNHKの大河ドラマでおなじみの主人公も数多く登場し、読みながら、その映像とシンクロしながら味わえたのも思わぬ一興だった。
他にも同著者の短編集を手に取ることがあれば、また是非読んでみたい。 -
真田太平記を補足するような、時代小説の短編もあり、それぞれ味わい深い。なるほど。ふむふむ!
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短編集、11編ある。戦国時代のものから、幕末期まで多岐にわたっているが、それぞれが読み応えあり、まさに池波小説らしい。
池波小説に登場するのは、悪役であっても、どこか物哀しく、人間味がある。
人の一生には、思いもかけぬものが待ち受けているものとし、人生のさまざまな経緯にもまれていく様が、人間愛に基づき暖かく表現されている。
作品に入り込んでいく事で、生きる力を与えてもらっているような気さえします。素晴らしい。 -
敵討ちの相手の男とくっついてしまった女性を書いた「猛婦」を池波氏のエッセイで知って読みたくて手に取りました。戦国の世だから男も女も血が燃えているから、思いがけない結び付きが生まれる、とは氏のエッセイの言ですが、面白かったです。
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戦国時代中心の短編集。最後の作品だけ、幕末から明治。
戦国時代はあまり知らないので、どれにも特に思い入れがありませんでした。そつなくどれも楽しめる感じ。 -
軽い命と重い命があるようだ。
昔も今も。
本物の夫婦とはどういうものか、なんとなくわかったような。
おもしろい本だった。 -
山中鹿之介を始めとする戦国短編集。池波氏独特の造語がないのが物足りないが読みやすさは流石。
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「家は人が生まれ、人が育つところ、これ一個の国。」
これは、大阪の陣で活躍した毛利勝永(かつなが)を主人公にした「紅炎」からの一節。
勝永は真田幸村と共に徳川家康を、後一歩まで追い込んだ武将。
豊臣家に多大な恩を感じていた勝永は、秀頼公のために一命を捧げたいと思っていたが、自分が大坂に味方すれば、残った妻子が難儀すると一度は大坂入りに難色を示した。
しかし、妻より「君の御為の働くは家の名誉です。残る者が心配ならば、私達はこの島の波に沈み一命を絶ちましょう」と励まされ、大阪入りする。
近頃、躾のため置き去りにされた子供が行方不明になる事件があったが、家庭はしっかり運営する必要がありますね、
表題の「黒幕」の他「猛婦」「勘兵衛奉公記」「槍の大蔵」「紅炎」など11編が収録されている。 -
昭和36年から41年までの間に小説雑誌の御三家といわれた「小説新潮」「オール読物」「小説現代」等に発表された作品が11編収録されている。なかでも、「猛婦」「槍の大蔵」「命の城」「獅子の眠り」は池波さんの得意な真田物。その他も池波さんらしく男と女の描き方が卓越!