剣聖―乱世に生きた五人の兵法者 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101156958

作品紹介・あらすじ

剣の境地はいずれにあるのか。戦乱の世にあって、兵法を練り上げていく剣客たち-新陰流・上泉伊勢守、新当流・塚原卜伝、二天一流・宮本武蔵、巌流・佐々木小次郎、柳生新陰流・柳生石舟斎。男たちは、ときに師弟となり、ときに死命を争いながらも、その心技を受け継いでゆく。歴史時代小説の名手五人が描いた剣と戦の世を生きる人々の真の姿。名篇・傑作を選りすぐった剣豪小説集。

感想・レビュー・書評

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  • まさに日本の剣術・兵法の創始者5人の生きた剣への道を日本を代表する時代小説の著者5人がそれぞれの視点でそれぞれの剣豪の生きざまを史実や自分なりの解釈を元に書き上げたものを剣豪ごとの部分を抽出してまとめた一冊。
    作家は池波正太郎、直木三十五、綱淵謙錠、津本陽、五味康祐の5名が、剣豪は新陰流・上泉伊勢守、新当流・塚原卜伝、二天一流・宮本武蔵、巌流・佐々木小次郎、柳生新陰流・柳生石舟斎。を掘り起こして書いている。
    それぞれの解釈による剣豪たち、見る角度によって武蔵や小次郎の見方や解釈も違っておりそれも面白い。
    時代小説を読む基本の基になる一冊とでもいおうか。

  • 『新陰流 上泉伊勢守』池波正太郎
     剣聖の物語でいきなり濡れ場から始まるとは思わなかった…。
    『新当流 塚原卜伝 一つの太刀』津本陽
     努力の人。
    『二天一流 宮本武蔵』直木三十五
     淡々と話が進む。これだけ読むと少年時代の武蔵、性根が悪すぎる
    『巌流 新説 佐々木小次郎』五味康祐
    当時の「佐々木小次郎」というイメージを変えるために小次郎の生涯を淡々と述べている感じ。
    『柳生新陰流 柳生石舟斎 刀』網淵謙錠
    エッセイ?石舟斎と上泉との交流が内容のほとんどを占めている。

  • 読書録「剣聖」4

    著者 池波正太郎、津本陽、直木三十五、五味康祐、綱淵謙錠
    出版 新潮社

    P77より引用
    “季節がうつろうごとく、川床に水のながれるごとく、すべての
    事態に対して、あくまでも自然に寄りそい、しかも上泉伊勢守秀
    綱という我身を生かしきろうとするこころの自由自在なはたらき
    を無意識のうちに、つかみとっていたのであろうか。”

     名だたる作家陣による、日本の歴史に名を残す剣の達人たちを
    描いた作品を集めた一冊。
     上泉伊勢守から柳生石舟斎まで、知らない人が少ないであろう
    剣の達人について書かれています。

     上記の引用は、上泉伊勢守について書かれた作品での一文。
    水はどこに移しても水でありながら、その移された器に合わせて
    カタチを変えることができる。融通無碍と言った考え方でしょう
    か。こういった気持ちの持ち方を手に入れるには、余程の時間と
    経験を必要とするのだろうなと思います。
     短編を集めてありますが、どの剣聖についてもそのひとりひと
    りで、何冊もの長編になる人物ばかりです。マンガの中にもよく
    登場する人達いるので、多くの人達に馴染みの深い有名人なので
    はないでしょうか。
     時代小説なので、言葉遣いが少々難しいような気がしますが、
    普段読み慣れていない私のような人でも、少し読んでいると慣れ
    て気持ちよくなってきました。

    ーーーーー

  • ・12/13 衝動買いの時代小説.どうしてもう買ってある本を読まずに次々と買ってしまうのか.ひとつには後であれ読みたいのになんて本だっけとなったときに後悔しないため.ひとつは探しても見つからず買えなくなるのを防ぐため.ひとつはそもそもこの本が読みたいと思ったことを後になって忘れてしまって思い出しも気にもせず読む機会がなくなってしまうかもしれないため.
    ・12/16 結構読むのに時間がかかってる.多分地名や人名を読むのに手こずってるせいもあるんだろう.
    ・12/17 読了.佐々木小次郎っていまいちだったんだ、とか、本来の宮本武蔵像がどうだったか、など、事実と創作は違うというのがよく分かって勉強になった.

  • 09.1.25

  • 羽田空港内の丸善でゲット。。。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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