江戸開城 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (1987年11月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101157092

江戸開城 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼太郎の「幕末」に紹介された、海音寺潮五郎の史伝「江戸開城」。
    解説書のような難解さがあって、一話一話読むのに時間がかかりました。
    しかし、平易に書き換えてはありますが、当時の手紙や日記などが引用されていて、なかなか綺麗な日本語を堪能することだできました。
    「黙視することが出来ず、忌諱を憚らず、罪を恐れず、高明を冒瀆しました。死罪々々。」
    かっこいいですよね。
    勝海舟が、慶喜の処遇について総督府に泣きつく手紙は、圧巻です。
    これが侍かー!と感嘆しました。
    残された伝説や逸話とは違う真相を、著者が細かく解き明かしていくところも面白かったです。
    武蔵の忍、川越や高輪、洗足、また小田原、三島の関所が出てきたりと地名も親近感があって楽しく読めました。
    佐賀藩邸(今の東大)とか、びっくりしますよね。彰義隊のところで出てきました。
    また、文中に「時代のバスに乗り遅れた」や「トルストイの戦争と平和」云々が出てくるところに、現代からのアプローチも感じられました。
    しかし解説書でありました。学術書に近い。お勉強になりました。

  • 2017.6.11
    実は徳川家に対し、最も過激だった西郷。ただ、勝海舟、山岡鉄舟との下交渉により、江戸市民の命が一番大事である、内戦による混乱に乗じた外国からの侵略を避けるべき、と戦争回避派に回る。実は、最初からそういう考えだったのかもしれない。
    また、パークスの、敗れた将、降伏した将を殺す勝将はいないという指摘にも感化され、
    最後は、彼自身の敬天愛人の精神で、江戸無血開城を導いた。
    それに対する反対派もおり、権力闘争は続くが、彰義隊を壊滅させ、江戸の治安を安定させた。

    この時代にありながら、海外情勢への洞察、何が一番大事か、そして、人間的な優しさ、
    学ぶべきものが沢山ありました。

  • 史実に触れるという意味では秀逸な作品。薩摩を中心に書いている点でも、徳川を外から見るとどうだったのかということが理解出来て興味深い。

  • 少し歴史が読みたくなって今度はこの本にした。有名な、西郷隆盛と勝海舟による無血開城の二日間を描いた作品。

    歴史小説というよりも、海音寺潮五郎氏の研究レポートのような趣もある。様々な関係者の手紙のやり取りなどを引用し、その時間関係から、関係人物の心理的な動きを推測するなどして、歴史の真実はこうであったと証明するかのような、著者の歴史に対する強い思いのある本と感じた。

    特に著者は、西郷と同じ出身のようで、西郷の「敬天愛人」の思想に共鳴しているだけでなく、西郷という人間味ある人物にめちゃめちゃ惚れ込んでいることが伝わってくる。本書は、この後に著者が西郷を書いた本の、下準備であったとさえ言われているようだ。

    しかし、後世にとやかく評論される(例えば、官軍側の立場からすれば、人のよい西郷が、狡猾な勝に騙された・・などの論)この無血開城について、著者はやはりこの二人の英傑あって、この偉業がなされたと見ているようだ。

    自分自身も、勝の並外れた大局観と緻密な構想、実行力、そして西郷の並外れたリーダーシップと寛大さで、この偉業がなされた(市民をいっさい巻き添えにすることなく、大政奉還という革命がなされた)ように改めて感じた。

    研究熱心な著者は、二日間の開城のドラマだけでなく、実質的な決着である彰義隊(徳川側の暴徒(笑))と、官軍側の天才的軍師大村益次郎の上野での戦いまでを書いて「了」としている。

    一言ぼやくとすれば、これは歴史小説というより、はやり海音寺さんの研究レポート。小説としては読みづらかったなぁ。

  • (「BOOK」データベースより)
    革命の名の下に、血の犠牲を要求するため、官軍を率いて江戸に入った西郷隆盛。動揺する徳川慶喜と幕閣の向背に抗し和平の道を模索する勝海舟。両巨頭が対峙した歴史的二日間は、その後の日本を決定づける。幕末動乱の頂点で実現した史上最高の名場面の、千両役者どうしの息詰まるやりとりを巨匠が浮かび上がらせる。奇跡の江戸無血開城とその舞台裏を描く、傑作長編。

  • 勝海舟と西郷、山岡鉄太郎に男惚れする。なかでも勝海舟は傑物。逆に慶喜が小物に思える書き方。
    同時代を生きた新撰組、龍馬、松陰、晋作とは違った、幕末明治を大局で追いかけられる名作。
    知見が拡がってとても面白い。

  • 歴史上屈指の名場面と言える江戸開城。江戸百万の市民を戦争の惨禍から救った2人の英雄、勝海舟と西郷隆盛。この2人の先見の明や人間としての懐の深さに感動した。

  • 江戸開城のドラマを描く。西郷よりの見方になるのだろうか。

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