- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101157450
感想・レビュー・書評
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剣客商売 十五
今回は短編「おたま」特別長編「二十番斬り」の二本立てとなっております。
「おたま」は小兵衛さんが猫の“おたま”に導かれて行った場所での出来事がサクッと描かれています(勿論ちゃんと味わいあります)。
「二十番斬り」は小兵衛さんが謎の目眩で倒れてしまうという、心配な場面から入ったのですが、その後小兵衛さんの元門人・井関助太郎と彼が連れていた豊松という男の子を匿ったことから、ガッツリ騒動に巻き込まれていくという、いつもの小兵衛さんに戻り、探索もさることながら、終盤では圧巻の二十人を相手にした大立ち回りを見せてくれます。
中盤で三冬の父・田沼老中の子息が城中で襲撃されて、田沼老中が窮地に追い込まれつつあるという時世に、小兵衛さんが“武士の世は終わった”と憂うのが、寂寥感を誘いました。
楽しく読んでいた、このシリーズも残すところあと一冊となりました。ずっと読んでいたいのに、寂しいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
〈目次〉
略
〈内容〉
短いネコの話を巻頭において、そこから「二十番斬り」の長編で終わる。意次の息子が殺され、いよいよ『剣客商売』も終わりである… -
短編+特別長編からなる。短編「おたま」はこれまでと一風変わった猫の話。特別長編「二十番斬り」はぎょっとするような幕開けとクライマックスの展開とのコントラストが凄まじかった。田沼時代の終焉を予感させる歴史上の出来事と絡んだ展開ながら、井関助太郎の負った使命と彼の謎めいた過去がいまいち結びつかず、長編としてはやや物足りなかったのが残念。
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得体の知れぬ目眩(めまい)に襲われたその日、小兵衛は、恩師・辻平右衛門ゆかりの侍・井関助太郎を匿うことになる。井関は手負いで、しかも曰くありげな小さな男の子を連れていた。小兵衛にすら多くを語らぬ井関に、忍びよる刺客の群れ。小兵衛は久しぶりに全身に力の漲るのを感じるのだった。一方、江戸城内では、三冬の父・田沼意次が窮地に……。
表題の特別長編に、短編「おたま」を併録。シリーズ第15弾。 -
池波正太郎 著「二十番斬り」、剣客商売(十五)、2003.2発行。「おたま」と特別長編6話。「おたま」はとても賢い猫の話。もっと登場して欲しかったですw。特別長編は、66歳小兵衛の立ち眩みから始まり、最後は二十番斬りの立ち回りに。剣客商売シリーズもそろそろ完結が近づいたようです。
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剣客商売15作目。
小兵衛さんが、身体的にもメンタル的にも老いてきた感じがして、とても寂しくなるスタート。
次の作品が最終話だと分かっているので、もしや。。。と、心配をしながら読んでいたが、途中から、いつもの小兵衛さんになったので、安心した。
と言っても、1桁台の作とは違うけど。。
作を重ねる毎に、侍の時代の終焉が顕著になってくる。
それに伴い、小兵衛さんの憂いも深まる。
さあ、次作は最終巻。
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いつになく弱気の小兵衛で始まったが、最後はいつもの小兵衛であった。
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おたま 猫かわいい
二十番斬り 長編。最終回っぽい雰囲気。以下二十番斬り
目眩の日
皆川石見守屋敷
誘拐
その前夜
流星
卯の花腐し