- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101157474
感想・レビュー・書評
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上巻読了。
剣客商売シリーズの番外編という事で、主人公は波切八郎ですが、若き頃(30歳台)の秋山小兵衛さんも登場します。
小野派一刀流道場の道場主として順調だった波切八郎が、あることをきっかけにして、人生が狂いはじめ、流転していく展開です。
この波切さんと、小兵衛さんは真剣勝負をする約束をしていてのですが、勝負相手の思わぬ変転を知らぬまま、約束の場所で波切さんを待つ小兵衛さん・・。
この、二人の剣客の人生の進み方が対照的なのですね。
裏がありそうな人達に囲まれて、よくわからんままに転々とせざるを得なくなっている波切さんの行く末がどうなっていくのか、そして彼と小兵衛さんと交差することはあるのか・・・下巻の展開に期待です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<目次>
略
<内容>
秋山小兵衛の若い日の話だが、前後編の前編なので、まだ話が見えないまま終わった…。 -
秋山小兵衛の若かりし日を描いた番外編。とはいっても主人公は小兵衛ではなく、彼と真剣での勝負を約束するも、数奇な運命に見舞われていく剣客・波切八郎の立場から見る場面がほとんど。シリーズにはかつて小兵衛と関わり、その後驚くような変貌を遂げてしまった人物が何人も登場するが、まさに八郎もそうした人物。若く生真面目な剣士が偶然の積み重ねによって変わっていき、戸惑いとともに闇の世界へ足を踏み入れていく過程には読んでいるこちらも魅入られてしまう。謎めいた人物が何人も現れるのになかなか先が見えない展開はもどかしいが、それだけに緊張感たっぷりで、小兵衛の登場シーンになるとほっとする。
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祖父の代から目黒に道場を構えていた小野派一刀流の剣客・波切八郎は、御前試合の決勝で敗れた秋山小兵衛に真剣勝負を挑み、小兵衛は二年後の勝負を約した。それを待つ身でありながら八郎は、辻斬り魔に堕ちた門弟に自首を促すことができずに成敗してしまう。道場を出奔し浪々の身となった八郎は、想いを通じた座敷女中のお信にそそのかされるまま、お信の敵、高木勘蔵を討つ。
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池波正太郎 著「剣客商売 番外編 黒白(上)」、2003.5発行。無外流達人秋山小兵衛32歳、小野派一刀流達人波切八郎28歳、二人の剣客の数奇な人生。小兵衛とお貞、八郎とお信のなれそめ。愚直に剣に生きる男と男、そしてそんな不器用な男に寄りそう女。上巻543頁を一気に読了しました。下巻に移ります。
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剣客商売番外編。
小兵衛さんと真剣試合をする予定だった波切八郎がメインのストーリー。
出る人出る人が、謎めいていて、怪しさ満点。
小兵衛さんとお貞さんの夫婦時代も描かれていて、とても楽しい。
個人的には、市蔵がお気に入りキャラクターです。
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若い道場主がちょっとした事からどんどん人生を狂わせていく。秘密のある登場人物が多く、常に振り回されている。
アラサーの小兵衛もちょこちょこ出る。 -
波切八郎を中心に、謎めいた人物が多く登場する物語だった。小兵衛と妻・お貞の夫婦になるまでと、夫婦になって後の息の合った姿が読者には嬉しい。八郎に関わる人物として、橘屋忠兵衛、お信、岡本弥助などは、八郎にしてみればまさに得体の知れない者たちだ。それぞれが自身の真の姿を隠し、表面だけで繋がっている。読者には、場面転換をし、時間軸を遡りしながら少しずつ彼らの正体を教えてくれる、そんな楽しみのある時代小説である。