黒白 下巻―剣客商売 番外編 新装版 (新潮文庫 い 17-18)

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著者 : 池波正太郎
  • 新潮社 (2003年5月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (535ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101157481

黒白 下巻―剣客商売 番外編 新装版 (新潮文庫 い 17-18)の感想・レビュー・書評

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  • 下巻の始まりは、お信と八郎が「情を通じる」仲になった場面からで、小兵衛に引き取られている市蔵と三人で上方へ行くという無難な選択肢もあったはず。しかし、八郎がずるずると岡本弥助の行く末を気にするところから大きく物語は動き出す。本編と違うのは八代将軍・吉宗の逸話や、真田家の騒動という史実を交えて進行することだ。著者の『真田騒動-恩田木工』は未だ積読だが、読む楽しみが増えたというものだ。結びに、小兵衛の好奇心から命を救われた少年が大名となり、小兵衛の隠居祝いを送ったくだりでほろりとさせられた。

  • 最後の結末に向け、ありとあらゆる場面がそこに集約していく過程が何とも言えず、ドキドキハラハラする展開でした。。。やっぱりそうくるのか、いや実はこういう展開になるんじゃ・・・という妄想も楽しく、かつ書かれていた結末もなるほどという納得感があり、よい読後感を味わえました。
    小兵衛の若い頃の活躍というか、動きがわかるというのはとてもよい観点で、人の深みが増した気がします。楽しかった。番外編、もっと読みたくなりますね。

  • 池波先生の「人情」の描写が好きだ。押しつけでも束縛でも依存でもない。人情。いいね。そして、最後に秋山小兵衛が見掛けて涙する、互いに寄り添う幸せそうな夫婦。夫の方は片腕の肘から先がない。死んだかと思っていた人物が生きていた。最後に幸せになれる結末。

  • 「剣客商売」番外編 黒白 剣客ファン必読の一冊。
    対照的な二人の剣客、秋山小兵衛と波切八郎を描き小兵衛の若き姿を読み手の我々に与えてくれる。
    対照的と言えば、登場する二人の女性お信とお貞も同様だ。
    更に「剣客商売」に登場するおなじみの人物が数多く登場するので、読み手には堪らない。

  • 時代小説。「剣客商売」シリーズ番外編。上下2巻。

    小兵衛の若かりし頃(32歳~)、剣客・波切八郎との出会いとそれぞれの過ごした日々が描かれている。

    波切八郎は岡本弥助、伊之吉と暗殺を繰り返す。
    波切家の元老僕、市蔵は新しい小兵衛の道場に引き取られたが、八郎とお信の元へ向かう。
    一方小兵衛は、ある大名の血を引いた少年、高松小三郎の指南することになり、八郎と思わぬ再会をする・・。

    小兵衛の若いときのエピソードというよりは、波切八郎の生き様の方が鮮明に描かれている。
    下巻に入ると人間関係が分かりやすくなり、引き込まれる。
    上巻で諦めずに下巻まで読んでよかったです。

  • 波切八郎が 主人公だが・・・・
    波切八郎の真剣勝負相手の
    秋山小兵衛 が 全体の基調を作る。

    池波正太郎をはじめて読んで
    どうなっているのか よくわからなかったが
    秋山小兵衛が 剣客商売 の主人公で
    この黒白は スピンアウト作品 とも言うべきもの。

    あっという スゴ技 をもつ 秋山小兵衛。
    どこで、身に着けたのか・・・がわからぬが。

    自分の信ずる 剣の道を 外れることで、
    どんどんと 落ちていく。
    そのとめようもないほどの 悔しさが
    波切八郎 を苦しめる。

  • 913.6 イ (2) 登録番号8932

  • 黒白 剣客商売番外編

    何度目かの読了。

    波切八郎と秋山小兵衛、この対照的で魅力ある剣客の生き様を思う存分堪能させてもらいました。

    決して剣一筋というわけではなく、好色であり世情に明るく老いてなお融通無碍の境地に達した自由自在の秋山小兵衛。
    己の肉体も精神的にも剣士として鍛え抜いて武者らしい波切八郎が運命に翻弄されながらも剣の誓約を果たしたいともがく様。

    黒白の後日譚のように語られるこの場面が今回は心に残りました。

    大原の里での修業を終え全国に武者修行に旅立つ大治郎に父秋山小兵衛が「人の生涯......いや、剣客の生涯とても、剣によっての黒白のみによって定まるのではない。このひろい世の中は赤の色や、緑の色や黄の色や、さまざまな、数え切れぬ色合いによって、成り立っているのじゃ」と語る場面です。
    黒い色はもしかしたら色んな色を掛け合わせた色なのかもしれませんね。

    秋山小兵衛の若き頃を描いたこの作品。解説常盤新平さんも言っておられますが、この黒白を読んでから剣客商売本編を読み進めるのもとても面白そうです。

    池波正太郎さんの小説は何度読み返しても新しい発見があるのが楽しみなところです。
    さて、また読み返しの冒険にでてみようかしら。

  •  この半年程で、剣客商売シリーズの全巻を何度も読み返してきた。この番外編の「黒白」も3回目。このシリーズだけではなく鬼平シリーズにもハマっているわけだから、池波氏の作品にどっぷりと浸かっていたわけだけど、正直、その魅力がなんなのかは、未だもってよくわからない。ただとにかく面白い。ページを繰って、小兵衛や大治朗、そしてその周りを固める秋山ファミリーといってもよい脇役達が、どのような道をゆくのかを純粋にただ知りたい、という欲求がこのシリーズの求心力の核にあることは確かなのだけれども、それだけではない。この番外編でもそうなのだが、秋山ファミリー以外の登場人物も魅力的で、短編なら短編での一回限りの登場だとしても個性があり記憶に残る人物が多い。その脇役にさえも過去の人生の背景があり、生き様があるという事を感じさせる。しかもその描き方が、全く嫌みや蛇足として受け止められるような書き方でなく、サラリと何気なく読者に提示できる辺りが、池波氏の筆力の凄さかとも思う。それぞれの登場人物が折り重なっているからこそ、小説に厚みや深みができるのだろう。
     このシリーズでは、剣客商売ファンの期待に十二分に応えられる小兵衛の若かりし逸話が描かれているが、それだけではなく、波切八郎、岡本弥助、伊之吉の奇妙な男の友情も丁寧に描かれる。主人公だけでなく脇役にもそれぞれの人生があることを、そして、様々な背景を背負って、各々の立場によって生きている事を、見せてくれる。池波氏の小説を書き進める、ストーリーテラーとしてのバランス感覚に、酔わされるシリーズでした。
     何年後かにまた全ての完を読みたいと思います。

  • 小兵衛若き日の話。同じく剣客波切八郎の異なった人生。人間について黒か白かを決するのは、なかなかにできないことである。11.1.8

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