江戸の味を食べたくなって (新潮文庫)

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著者 : 池波正太郎
  • 新潮社 (2010年3月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101157528

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江戸の味を食べたくなって (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 初めて池波正太郎の本
    時代ものではないけど、飲み食い好きとしては楽しめる1冊やった

  • 果たして本書のタイトルが相応であったかは疑問であるが、久しぶりに池波氏の文章を楽しんだ。味の歳時記では、江戸から東京へと引き継がれ、そして今は味わえないような食材の話も交えて四季が語られる妙味。第二部の対談では江戸っ子の会話の雰囲気を堪能。第三部ではフランスが舞台となっていたが、エッセイ、語り下ろし、小説と同じ素材を使い回したような構成だったが、これも絶筆を盛り上げんがための趣向なのだろう。

  • 池波正太郎といえば漠然と、「時代小説の人」というイメージだったけど、食通で食のエッセイも面白いと聞いたので読んでみた。
    月毎の美味しい食べ物が書いてあって、小鍋は簡単なので是非やってみたい。

  • 池波正太郎の食に関するエッセイ集。いきつけのお店に行く心境や、その食事の描写は心に響くと言うか、胃が刺激されると言うか。自分も季節の旬のものをめでてみるのもいいなぁと、かなり刺激を受けました。
    食べ物で四季を感じる、いまの社会では薄れてしまった感覚ですが、自分で実践してみるのも一興だと思える一冊でした。

  • 池波正太郎のエッセイは初めて読んだけど、楽しめた!
    鬼平から入ったから、そのタイトルに惹かれて手に取りました。

    歳時記は江戸の粋な食べ方を見せてくれた。
    特に2月の小鍋立ては思わず家でやってみた。
    うまく粋な感じにはいかなかったけど、また小鍋立てやりたい!
    池波正太郎の粋は食欲をセーブできないとだせない気がする。色気より食い気のうちはまだまだ。。。

    パリの描写も古い映画の舞台みたいでステキ。
    もっと映画がみたくなった。

  • 食エッセイとフランス旅行記。山口瞳や職人さんとの対談が面白い。
    「芸者遊びは駄目だ、直接の金のやり取りがあるから。その点、吉原はいい、置屋を通すから遊女との間に金が入らない」なんていう台詞読んでると、江戸のイナセとか遊びっていうのが現代では成り立たないのがよく分かるは。

  • この一冊は「味の歳時記」、「江戸の味、東京の粋」、「パリで見つけた江戸の味」の三部で作られている。「人は死ぬために食べている。しかも明日が最後の日ではないという保証はない。だから、今日の一食一飲が大事」という池波氏の死生感が本の根底に。
    歳時記に書かれている「小鍋立て」今や我が家の冬の定番です。豆腐、油揚げ、大根、浅蜊、今晩は何にしましょうか?

  • 「昔は食べものと季節が、ぬきさしならぬものになっていた」との言葉にハッとする。

    旬の食材を年中 食べられる時代になったけど、そのせいで旬の食材を味わう楽しみがなくなってしまった。

    昭和時代の方が、旬の食材を味わう楽しみと豊かさがあったとは、なんたる皮肉。

  • 過日、書生だった佐藤隆介さんが亡き師を思い、味を再確認するエッセイを書かれた本を読んだ。
    これは、池波正太郎氏がエッセイを書き、まとめたものです。

    第一部 味の歳時記
    タイトル通り、一月から十二月までの、旬のものを扱ってまとめたもの。読みながら、その料理を思い描き、口中に唾が出る。

    第二部 江戸の味、東京の粋
    食を通しての書く著名人との対談をまとめたもの。
    作家の山口瞳氏との対談は、考えさせられるものがある。122ページの、池波氏の言葉が忘れられない。

    第三部 パリで見つけた江戸の味
    パリへ取材を兼ねた旅行でのあれこれ。同行者や、パリ在住の日本人写真家とのやりとりが楽しい。中でも、写真家が紹介してくれた酒場〔B・O・F〕のことが多く語られる。
    老亭主と奥さんとで切り盛りする酒場を、池波氏は『まるで、むかしの東京の下町になったような』と表現する。それほど、気に入ってしまい、パリ滞在中に四度ほど訪れている。
     最後に、この酒場をモチーフにした短編小説と絶筆小説が掲載されている。愛していた酒場〔B・O・F〕は、読んだものに強い印象を残してしまう。

     この酒場名は『忘れられたる佳きフランス』というような意味だと、作中に書かれているのもまた、印象深い。

  • 久しぶりの池波本、年末年始にしみじみと読んでおります。池波さんの語る古き江戸の味は、奥が深い。

  • 『グレーテルのかまど』で紹介されてて、ずっと気になっていた。日本の味とフランスの味が紹介されている。どちらも失われた、もしくは失われそうになっている風景なのだなぁ。古きよき時代というもの。

  • 池波正太郎著 江戸の味を食べたくなって読了。池波先生の小説や座談会などを収録した随筆集であります。全体を通して感じられるテーマとしては、江戸時代から受け継がれてきた「日本の伝統的な食文化」といったらよいでありましょうか。急速に失われつつある「日本の伝統」を再び想いださせてくれる貴重な一冊だと思うのであります。本作品は、「第1部 味の歳時記」「第2部 江戸の味、東京の粋」「第3部 パリで見つけた江戸の味」の3部構成となっている。

    第1部では1月から12月までのひと月毎に、季節感あふれる旬の食材とそれを楽しむ日本の伝統の食文化が見事なまでに描かれている。日本の季節感といえばまずは春夏秋冬を思い浮かべるけれど、本書を読んでいると、1年12か月それぞれに違った季節感があったんだなあという事を改めて感じさせてくれた。「三月は白魚と蛤」「四月は鯛と浅利」「五月は鰹とキャベツ」といった具合に。現在は養殖の技術とか、農法や流通も整備されていて、大概の食材は1年を通して楽しむ事が出きるようになっている。でも一昔前までは、そんな便利さや豊かさはなかったと思うけど、その時その時の旬の食材を楽しみに食していた時代があったんだよね。思えば贅沢な時代だったのかもしれない。

    第2部は池波先生の座談会の記録。第3部は池波先生のフランス旅行の様子を記したエッセイ集と本書は続いていく。特に第3部は「パリで見つけた江戸の味」とあるけれど、決してパリの日本食屋さんの話ではない。池波先生がフランス旅行で偶然出会った居酒屋「B・O・F」の事が幾度となく語られている。パリの旧中央市場の跡の一角にあった一見何の変哲も無い老酒場。料理といってもパンとチーズしか出さない。飲み物といっても名もない地酒モルゴンとぺルノーの水割りだけ。こんな侘しい居酒屋に池波先生はどっぷりと浸かって何度も訪れる事になる。戦前の日本には、どこの町にもあった食いもの屋や、池波先生が時代小説で描いている江戸時代の居酒屋の風情がパリの居酒屋「B・O・F」に重なったんだという。

    日進月歩の科学技術の進歩などのおかげで、現代の世の中はどんどん便利で豊かな世界になった。「失われた20年」とか日本経済の停滞が実しやかに語られているけれど、なんだかんだ言っても日本は世界の中では、総体的には平和で豊かな恵まれた社会であると思う。でも本書を読んでみるとちょっと待てよ?我々は豊かさや便利さの引き換えに何か大事なものを失ってしまったんじゃないだろうか?そんな思いを感じさせてくれる一冊だと思うのであります。

    【Dance1988の日記】
    http://d.hatena.ne.jp/Dance1988/20120223

  • この本に限らず、池波さんの食に関するエッセイを愛読しています。池波さんの「おいしい」の基準が好きで好きで……。ただ単に味が好みってだけじゃなく、料理人さんの考え方・お店の人たちの人柄・お店が背負ってきた歴史すべてひっくるめて好きだから、「おいしい」。『鬼平犯科帳』の食事シーンが活き活きしてる理由がわかります。

  • 随筆集ですが、いろいろ混じっています。好きな方はどうぞ。って感じですが、結構焼きまわしのがありますが、作者さんが、なくなっていますので、仕方ないかと。

    個人的には底本ほしいんですが、高価だし、それよりも見かけない。う~ん、ちょくちょく検索しているんですけどね。

  • グ、グルメレポート!なんて美味しそうなんだ!小鍋だてとかたまらないです。

    私のような現代人は、戦前というとろくな食べ物なかっただろうし今と全然違ったんだろうな、と思いがちですが、そんなことないんですよね。池波さんは戦前の東京で普通に枝豆をツマミにビール飲んだりしている。今と全く変わらない。
    というか若いうちから金使って遊んでます、池波さん。その最たるは吉原!戦前が青春だと最後の吉原を知ってる世代なんですねぇ…。

  •  最近出たばかりの池波正太郎『江戸の味を食べたくなって』(新潮文庫)は、すでに他のさまざまな単行本に収められた文のうち、味覚にかかわるものを拾いなおしたフロリレージュ。池波ファンには「いまさら」な内容だろうが、万人が感動を共有できる好企画である。
     第1章は、旬の食材についての滋味あふれる〈味の歳時記〉、続いて第2章は、すし、天ぷらといった東京の味覚や故郷・浅草の風物をめぐり、職人や作家との3篇の対談。そして、本書のメインディッシュである〈パリで見つけた江戸の味〉で最終章を飾る。これは、デュヴィヴィエなどフランス映画の旧作をたどる本作りのために、取材旅行をしたとき以来の副産物である。

     まだセーヌ右岸にフォーラム・デ・アールが完成する以前の、工事現場の仕切り壁が長々と続く旧中央市場(レ・アール)界隈で作者が見つけた、時代錯誤の酒場「B.O.F.」。この「B.O.F.」とは、「Bonne Oubliée France(=古き良き、忘れられしフランス)」を短縮したイニシャルで、18世紀創業の老舗酒場だそうである。最終章〈パリで見つけた江戸の味〉において作者は、ここの主人であるセトル・ジャン&ポーレット夫婦とのあいだに結んだ静かな友情を、愛惜をこめて書きつける。
     そして作者は書く。「ジャンの酒場でペルノーをのんでいると、まるで、江戸時代の深川か浅草の居酒屋にでもいるような気がしてくる。私が[B.O.F.]にこころひかれたのは、時代小説を書いている所為かもしれなかった。」

     しかし、変貌の時が迫っている。
     作者一行はパリに旅行するたびに、この「B.O.F.」に通いつめる。そして、この店の最期を看取ることになるのである。最初は驚きと落胆と共に。2度目は予感を伴った達観と共に。3度目は永遠の心の刻みとして。
     ポンピドゥー時代、ジスカール=デスタン時代と、レ・アールの再開発がゆっくりながら進み、廃業に追い込まれてゆく「B.O.F.」。そして、老夫婦からこの店を買収して、よき伝統を守ろうとした好青年ネストルの試みは、わずか3年ほどで挫折した模様である。こうした推移を見つめる作者の目は、だんだんと冷めていく。暗闇となった店の窓中を覗きこむと、テーブルに埃がかぶり、カウンターには、頑固主人セトル・ジャン愛用のエプロンが置かれたままとなっている光景がひろがる。そして跡地ではやがて、巨大な赤い看板をあしらったアメリカのハンバーガー屋が繁盛することになる。

     私がこの界隈を初めて訪れた1992年、もちろんそこはすでにフォーラム・デ・アールとなっていた。この地下モールの中にあるホールで、私はジャック・リヴェットの傑作『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1974)を初めて見た。192分の長尺作品だが、客は何人かをのぞいてほとんどが、次々に途中退席してしまった。この前日、モンパルナスのある名画座では、溝口健二のごく平均的な作品『武蔵野夫人』(1951)が上映され、観客たちはあれほどまでに感動を隠さなかったのに。世の不条理を感じた、と言ったら、すこし大袈裟に過ぎるであろうか。(拙ブログより転載す http://blog.goo.ne.jp/oginoyoichi/

  • おもわずそばをたぐります。

  • 池波さんは何をしても池波さんで、パリへ行っても池波さんだった。

  • 帯を改めて眺めて、「もう没後20年か」としみじみしてしまいました。内容は、すでに読んだものがほとんど。私にとって(多分)初めてだったのは第二部の対談三本でした。山口瞳氏との対談が特に面白かったです。

  • 最近池波正太郎のエッセイを読むようになった。若い頃に学べなかった作法や考え方がすごく納得がいく。先達の言う事は聞いておくものだとしみじみうなずく事しきり。

  • 表紙を見て、「ぐじ(関西地方でアマダイのこと)って、江戸の味なの?」という、しょうもないところでひっかかって(笑)手に取りました。第1部「味の歳時記」は、まさにザ・食の池波エッセイ。シンプルなお料理とお酒が、池波さんの思い出とともに軽やかに紹介されます。小鍋だてで食べる具材はとても少なく、でも湯気とお酒の雰囲気が漂ってくるよ〜。シメをお雑炊にしないところも私好み。具材や味つけに、自分の地元との食材の感覚の違いを見たりして楽しめました。「お刺身は鮪より鯛」って当然やん!とはちょっと思ったけど…今は鮪全盛ですから、これだけでも言っていただけると嬉しいです(笑)。「食いてえと思うんだがねェ」といった、対談での飾らない口ぶりや、フランス取材旅行のエッセイも愉しい。池波作品のあの人生観って、そこからきてるんだ!と納得。うーん、でも正直言って、ちょっとまとまりに欠けており、しかもエッセイ自体も話題がポンポン飛びすぎるような気もして(笑)、徹頭徹尾楽しむというにはツラいかも…と思いました。でもそこは、粋人のいろいろな面を楽しめる、ともとれるわけで。どこから読んでも、軽やかに池波さんの人となりがたちのぼってくる気がする本であることには変わりありません。

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