おかしな男 渥美清 (新潮文庫)

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著者 : 小林信彦
  • 新潮社 (2003年7月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101158396

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おかしな男 渥美清 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 渥美清の自伝ではない。あくまで、筆者と渥美清との交流を軸とした随想録ともいうべき作品である。
    序盤は、往年のコメディアンとの関わりあいの場面が多く、とっつきにくかったが、さすがに「男はつらいよ」(テレビ版)あたりから、スムーズに読めた。
    「男はつらいよ」はやがて映画化され、通算48作という空前絶後のシリーズ作となるわけだが、果たしてこれが渥美清にとってはどうだったのだろう。
    このあたりは筆者は辛辣である。渥美清は強烈な上昇志向の持ち主だったという。「男はつらいよ」で、ある意味「天下を取った」のだが、逆に失ったものも多かったのではないだろうか。
    晩年の描写は、読んでいて辛いものがあった。
    謎の多い人物だったという。そんな渥美清、いや田所康雄の人間性を筆者なりに浮かび上がらせた秀作である。

  • パートナーに薦められて読んでみた。「寅さん」映画は数本しか観たことがないけど、渥美清って、人を笑わせる演技をしていても、どこか冷めてるというか、目は笑っていないというのをいつも感じていた。改めて全部観たいと思った。でも、「寅さん」だけじゃない渥美清がここには描かれていて、虚像化する「寅さん」との葛藤がよく伝わってきた。それと、文章というか著者の渥美清に対する突き放し方が淡々としていて、情緒的じゃないところがまたよかった。

  • 本書を読むきっかけになったのは、最近初めて「男はつらいよ」を最初から最後まで見たことによる。案外面白いと感じた(年を取ったせいかもしれない)。
    作品のヒロインは昨年亡くなった大原麗子さんだ。

    本書を読んで感じたのは、「男はつらいよ」シリーズが延々と続いたため、彼(渥美清さん)は演じる幅が大いに制限されてしまったのだなということ。もし制限されなければ、もっと役者として大成できたのではないか。
    「男はつらいよ」が長寿シリーズになったので松竹に利益をもたらしたが、果たして役者としての彼はそれでよかったのだろうか。彼は若いころに大病し、体は丈夫ではなかったが。

    「男はつらいよ」最後の作品、48作目のメイキング(「NHKのドキュメント」)が本になっている。
    内容が本文に参照されているが、読んでて非常に痛ましく感じた。

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おかしな男 渥美清 (新潮文庫)の作品紹介

出会いは、1961年の夏。四角い顔に細い目のその男は、33歳。NHKのドラマで全国区の人気者になる寸前。僕は28歳で、小説を書き始めていた。"芸"への強い興味だけでつながっているような、奇妙な関係。底知れぬ凄みを示したかと思えば、なんともいえないおかしみも持っていた彼はやがて、"寅さん"となった-。虚構に殉じた男の若き日の素顔を丹念に浮かび上がらせる、実感的人物伝。

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