赤い唇・黒い髪 (新潮文庫)

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著者 : 河野多恵子
  • 新潮社 (2001年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101161037

赤い唇・黒い髪 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 静謐な趣きな作品集であり、秘められた性欲がにじみ出る。それぞれの作品をさらりとは読み終えるのは難しく、次の作品に向かうのには意志が必要だった。

  • 一種のフェティシズムなのだが、対象がどこかずれている。こういう秘事を抱えていると、些細な日常から焦点が絞られそこだけがどんどん奥深く緊張が漲る。単色の色彩が鮮血のように滲み広がる。静謐で厳かな幻想が生まれるけどそれは狂気と紙一重。緊張に耐えられなければ狂うだろう。けど、この小説の中の人たちは慎重にたおやかに共生し全うしている。欲情に溺れることなく寧ろ弄んでいるように思える。それがとても怖い。「赤い唇」と「朱験」に惹かれた。共に赤色のフェティシズム。エロティックで危険な色彩。

  • 「赤い脣」「黒い髪」以下、7編からなる短篇集。
    家族にも友人にも恋人にも秘めた、女性たちの日常に潜む異常な欲望、幻覚、幻想を描いたもの。どれもゾッとするようなアヤシイ世界だ。
    しかし「大統領の死」はそのアヤシサの中にあっても、いくらか自ら覗いてみたいという気分になる。耳穴を指で掻く、その音が「大統領が死んだ…」と彼女に告げる、彼女はそのニュースを広めたいという欲望に駆られ、街を徘徊する。単なるいたずら心の域を越えたその行動への執着が、彼女を興奮させる。そして、読む側もその興奮に圧され、ページをめくる、てな具合。

  • 執着、おそらく本人にしかわからない感覚。
    本人でさえ、なぜなのかわからないような、執着。
    平静を装いながらも、それを抑えきれない女たち。

    それでもねばつくような気持ち悪さはなく、すっと読めてしまうのは、文章の美しさからでしょうか。

  • 2010/07/14

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