泥流地帯 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101162065

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  • 貧しい小作の一家が貧しいなりに正しく生きてるのに、貧乏を理由に惨めな目にあいまくって、がんばっても報われないし金がないせいで進学諦めなあかんし姉ちゃんは金がなくて嫁入り準備もできんし、母ちゃんと婆ちゃんは病気になるし、なのに嫌なやつは金持ちになって、最後は兄弟以外の家族が土砂災害にのまれて死ぬ。
    正しく生きる意味とは?耕作の気持ちが痛いほどわかりやるせなくなる。
    最後の兄の言葉に人とは何かを考えさせられる。

    「なあ、兄ちゃん。まじめに生きている者が、どうしてひどい目にあって死ぬんだべな」
    「わからんな、おれにも」 「こんなむごたらしい死に方をするなんて…まじめに生きていても、馬鹿臭いようなもんだな」
    「おれはな耕作、あのまま泥流の中でおれが死んだとしても、馬鹿臭かったとは思わんぞ。
    もしもう一回生れ変ったとしても、おれはやっばりまじめに生きるつもりだぞ」

  • いつ来るかいつ来るか…と思っていると、終盤やって来て一瞬ですべてを洗い流していってしまう。もうそれがすべてだよ。あとはそのためのお行儀のよいお膳立てと言ってよい。友人に借りた。

著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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