ほんとうは怖い沖縄 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.11
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本棚登録 : 154
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101163437

作品紹介・あらすじ

燦々と照りつける太陽。美しいサンゴ礁に色彩豊かな熱帯魚。沖縄は南国のパラダイス-なんて内地人の大きな誤解!?真の姿は、「闇」が支配する恐ろしい場所なのだ。霊界と交信するユタ。魂を落として抜け殻のようになってしまった人。建築構造よりも重視される家相…。沖縄にいると、見えないはずのものが見えてくる。沖縄人二世の著者が罰当たり覚悟で明かす、楽園の裏側。

感想・レビュー・書評

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  • ユタのことが もっと知りたかったので
    調べてみたら ありそうでなかった。
    この本は 目次にユタの章があったので 
    読みました。

    沖縄という場所は
    とても 信仰心の強いところなのですね。

    幽霊とか怖い話が多かったけど
    ご先祖様が いつも 側にいてくれると
    実感できるところなのだなぁと 思いました。

  • まずスタンスがよくわからない。唯物論だ、幽霊は信じないと言いつつ、不思議なものを見ただの体験しただの、変な広告みたいになっている。なにより、沖縄の信仰や習俗へのリスペクトを感じない。ユタや御嶽を心中した男女の幽霊と並べて書くのはいかがかと思う。面白いと思ったのかもしれないが、俗に落としすぎ。やまとんちゅから見た沖縄でもなく、うちなんちゅから見た沖縄でもなく、中途半端。
    一時期沖縄に住んだだけの自分でも若干どうかと思うのに、うちなんちゅが読んで面白いと思うのだろうか。

  • 戦争の話以外はオカルト的興味で読めちゃいました。でも沖縄旅行で立ち寄った付近にも怪異譚が残されてると知ると、背筋が寒くなりますな…

  • 2022.5.6読了

    馴染みの薄い沖縄の、真の姿を知ることができるかもと思って手に取った。

    第3章まではとても興味深く読めた。
    独特の風習や文化の残る南の島は、日本にあってどことも似ていない。人口140万人の沖縄県民の1万人近く存在するかもしれないユタというシャーマンの仕事ぶりに関する話を始め、マブイ(魂)を落とした人の話、口難口事(ウチナンクチグトゥ)という言霊による悪影響、キジムナーやケンムンという妖怪のような精霊のような生き物、家の中の作法や家相等々、のんびり穏やかで明るい沖縄の人たちのイメージから想像し難いアクの強いエピソードが並ぶ。

    第4章では、先の戦争により恐ろしい程の人数が悲惨な最後を迎えた場所が紹介される。豊見城海軍司令部壕、新都心、南部戦跡・糸数壕。

    しかし、第5章で著しく失速。
    単なる心スポ(心霊スポット)紹介に終始している。深みがない。文章に上記ほどの熱量もない。

    全体としては、沖縄という特殊な土地の特殊な空気感をほんのりと味わうことができて楽しかった。

  • 土着の民話に基づく話を期待していたのですが、実際はライトで俗な怪談集でした。著者の中村さんはご自身を唯物論者であると言いながら、あまり平静ではない目線で煽るように怖い話を語っているので、ややスタンスが半端なように思いました。(生半可な気持ちで霊場を訪れるべきでないと忠告をするのもブーメランじゃないかなーと思います)

  • 沖縄に引っ越して3ヶ月、コロナのせいで県内の観光スポットにもいけないフラストレーションがたまり始めた状況で読んでみた本です。噂では、霊能者ユタの存在は薄っすら知ってはいたものの、本書のように、1万人近く存在するのにびっくり。さらに、沖縄戦という悲惨な戦地となった歴史舞台も含め心霊スポットの多さも半端ない。また、土地の神様信仰も強く、風水とは違った家相(東と南向きの家がよく、水回りは北西にまとめるとよい)やお墓の前に一族郎党が集まり守礼紙銭を燃やすお墓参りなど沖縄独特の風習が紹介される。世界遺産にもなっている御嶽(うたき)とは、神々が降臨する霊域を指し沖縄県民の心の聖地となっているが、安易に観光名所化してしまうところに沖縄の貧困の姿が垣間見える。
    本書は、霊感には縁のない筆者が沖縄に住み始めて霊的体験もどきの数々を紹介したものです。私自身、霊感はありませんが、唯一中学生の時に行った高千穂峡だけは神聖な気持ちになった記憶が残っています。読後、まずは斎場御嶽と久高島行ってみたいなと思いました。

  • もう少しディープな「沖縄」が見られるかな? と、思ったが正直「当たり障りなく!」かな。 自分的には、次回の沖縄旅行(裏)ガイド本にしようと思っていただけに・・。 でも、旅行者にそういう面を見せないところが本当だからかなぁ。

  • 2018.5.3読了
    いわた書店選書

  • 沖縄は日常生活のあちこちに目に見えない世界が口を開けている。多くの人はそれを自然に受け入れている。読んでいて台湾のことを思い出した。

    沖縄の隣、台湾の、あの近代都市台北もまた、不思議な世界と地続きだ。あらゆることが目にみえない何かの存在を前提に成り立っている。私たち日本の内地に住むものは、その特異な精神世界に驚く。そしてなぜこうも似てるのかなどと考えたりする。

    地理的にも、文化的にも近いから、といえばそうかもしれない。しかしそれはあまりに自民族中心的な考え方かもしれない。沖縄人の台湾人の信心深さは、世界に目を移せばもしかしたら特別なものではないのしれない。むしろ我々日本人が、見えないものへの敬意を 失ってしまったばかりに、その世界への入口を見失ってしまったのではないか?






    れない。ではな

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著者プロフィール

作家、沖縄大学客員教授。1958年、大阪市生まれのウチナーンチュ2
世。96年、那覇市に移住。著書に『沖縄学』『ほんとうは怖い沖縄』など。

「2016年 『沖縄 オトナの社会見学 R18』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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