死の棘 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101164038

感想・レビュー・書評

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  • 2009.07 秋の読書案内。確か、桐野さんの「IN」のモチーフにもなってる?ような。

  • 読んでるこっちがノイローゼになりそう。

  • 08008

  • どうしようもなく暗くて重いです。読み終わったあとどっと疲れます。負のエネルギーが渦巻いていて、くらくらしながら読みました。

  • 人に薦められた(その人からは人間みな病気も薦められた)。
    強烈すぎる。
    グドゥマとウニマ頭から離れませんでした。

  • 歌を詠むひとは、激しいものです。
    何故なら歌というのは、瞬発力の情熱だから。
    この小説に出てくる主人公の妻・ミホも
    歌人なのだけれど、
    やっぱり激しい性格の持ち主で
    浮気をした夫・トシオを、責める。
    ねちねち、ネチネチ、責めまくる。

    「お言いなさいよ。あった通り、
     すっかりそのまま言ってちょうだい。
     そこだけでなしに、
     あなたはいったいなん回旅行したの。
     どことどこに行ったの。どこに泊まったの。
     なにを食べて、どんな本を読んだの。
     映画をみたでしょ。なんの映画?
     どこで、なん回、どんなふうに、
     うれしかった、どうだったの?」

    などなど、
    ほとんど取り調べにひとしい
    ウンザリ度マックスの執着&詮索ぶり。

    そしてトシオの愛人に似た女を見ては嫉妬し、
    トシオが愛人と行った場所を想像しては逆上して
    異常な勢いで暴れまくり、
    トシオになだめられながらも
    もう死んでやる!と
    鬼のような形相で脅してみたりもするミホ。
    たいへん情熱に欠けるわたしには、
    このテンションの高さがわからない。
    そして、わからないから、ひたすらに怖い。
    トシオったら、よくこんな拷問みたいな仕打ちに
    耐えていられるわね…、と思っていたら、
    トシオも途中から狂い始めて、
    逆に俺が死んでやる!!
    と、たんすや障子に頭をうちつけて
    血みどろになってみたり、
    電車に飛び込みかけてみたり。
    そしてそれに
    「死なないで!!!」
    と泣いてすがるミホ。

    結局、ミホとトシオは
    きわめてアブ度の近い似たもの同士。
    だから離婚もせず、
    ずっと一緒にいられたのでしょう。

    最初から最後までこの調子なので、
    読了後のすっきり感は一切無し。
    けれど、(奇天烈感満載とはいえ)
    ほかにはないくらいに
    凄絶で濃密な夫婦の記録に、
    やはりこれは名作なのだわと思いました。

  • 実家に帰省した折、
    父親の書棚にある、
    日本文学全集に入っていたので手に取る。
    (日記しか読んでいなかったので・・・)

    ああ、小説と日記は全然違うんだと静かに驚く。

    日記よりもずっとミホが浮き上がってくるように感じられる。

    何の面白みもない平凡な実家の光景とがあいまって、
    (というか、彼らにもあるであろうドラマは、
    ドラマとして切り取られることを確実に拒んでおり、
    平凡・日常であると極端に主張しているので)
    主人公と妻の感情の混交は、
    不思議に生き生きと、身体に迫るものであった。

  • 浮気した夫、それを知って狂っていく妻。延々と続く2人の争い。愉快な話とは言えないが、圧倒されるすごさがある。この、すさんだ関係をとことん続けていく2人には、ある意味、昭和の「濃さ」を感じる。

  • 同僚に借りた。

  • 重い

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著者プロフィール

1917-1986。作家。長篇『死の棘』で読売文学賞、日本文学大賞、『日の移ろい』で谷崎潤一郎賞、『魚雷艇学生』で野間文芸賞、他に日本芸術院賞などを受賞。

「2017年 『死の棘 短篇連作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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