- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101164519
感想・レビュー・書評
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完全にタイトル買いしたが良かった。
かっこよくて情緒的な本だった。夢と現実が混ざり合って何がなんなのかわからないけど、わかる、と思った本だった。読んで良かった。
また人魚に呼ばれたら読みたい。
ちなみに古本屋で買ったのだがら前の持ち主の2002年のスキー旅行の写真が挟まってた。えもい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
星野智幸の言葉は、いい。ただもうその一言につきてしまうくらいに。まず、書き出しの一段落に、しびれた。白熱球のような月、プラチナ色のススキ。思えば、それらは深海のイメージだ。タイトルの意味をずっと考えていたけれど、最初の一段落を熟読するうちに、少し分かったような気がした。深海のイメージをもって語られる、糖子の住む家とその周囲。そこで、夢だか現実だか、過去だか現在だか分からないような生を営む人々。現実へ踏み出せ、目覚めよ。間違っているかもしれないけれど、私はそんなふうに解釈した。最後は唐突に終わったようにも感じたけれど、そう考えれば、これからヒヨはタケリートを止めに、現実の中へ入っていく、というふうに受け止められる。
ここで語られているのは、たくさんの自分。一人の人間として繋がっていかない、自分。繋がっていかない、出来事。過去が現実で、現実が過去で、混乱の中、逃げようとするけれど、逃げる場所などどこにも無い。だから、その一つ一つを考えて、理解して、繋げていかなければいけない。たくさんの、語られる言葉。人は理解するために言葉を使うけれど、その言葉は現実とはズレているかもしれない。でもそのズレを少しでも埋めるために、さらに言葉は重ねられるのだ。そんな言葉の洪水が、いつか真実を語り始めると信じて。 -
自分、好きです。この人の文章。文字をただ追っていくことより、ページに並ぶ文字を見てるだけでも心地よくさせてくれるから。