- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101167312
作品紹介・あらすじ
1961年、俳優としてヨーロッパに長期滞在した著者は、語学力と幅広い教養を武器に、当地での見聞を洒脱な文体で綴り始めた。上質のユーモアと、見識という名の背骨を通した文章は、戦後日本に初めて登場した本格的な「エッセイ」だった。
感想・レビュー・書評
-
積読をやっと。時代はあるとはいえ
自分の価値観がすっかりできたいま読んでよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2冊目(1-2)
-
一生繰り返し読みたい本
-
「男の作法」がヨーロッパで書かれたら、こんな感じになるのかな?私の生まれる前のヨーロッパの様子が書かれてます。肉を金属で切って食べることの野蛮さ、みたいなことが心に残ってます。粋でオシャレな著者の生き様に、ひかれます。
-
映画監督の時代しか実際は知りません。
ただテレビで『北京の五十五日』を見ていて、おそらくこのエッセイはその頃に書かれたものかと。
まぁ読み手によって気障で嫌味と思う人もいれば、洒脱でお洒落と思い人もいるだろうと思われますが、当方は逃げではないけれどもその真ん中かな。
ただ単純にそうだなぁと思うところも、それちゃいますなと思うところもあり、ある意味エッセイの宿命ですが時代が違うかな、と。
それでも読んでいて面白いことは間違いないです、けれど意外に軽く読めるものではないかもしれません。 -
中学生以来久々に伊丹十三を読んだけど、何で読んだんだろう。
相変わらず全体的に面倒なおじさんだなあと思いつつも、時々妙に納得する箇所がある。ホームシックとは人生から降りている状態であるとか、映画とは新しい実験が困難であるからこそ常に「これは本当に映画だろうか」という問いかけが必要であるとか。あとは伊丹十三のエッセイでさんざっぱら出てくるスパゲティの食べ方とかね。 -
読みやすさ ★★★★★
面白さ ★★★★★
ためになった度 ★★★★
何回めの通読だろうか。私にとってはバイブルともいえる名作の一つ。スパゲティの食べ方、山口瞳に教わったという校正のこと、クラシック音楽と楽器についてなどなど、粋であるとはどういうことか、この本から多くを学んだ。60年以上も前に書かれたが、いまだ色褪せない一冊。 -
3年前、
高円寺にあるサンカクヤマという古本屋で買った。
伊丹十三が実見したヨーロッパのあれこれ。
本筋を実直に志向する氏のスタイルは、
ともすれば口煩く、お節介にも映る。
が、そこに嫌味やマウンティングを感じないのは、本当、本物の素晴らしさを体験している背景、実際を軽妙な語り口で面白おかしく書く氏の明け透けな筆致にある気がする。
今となってはスタンダードとなっているヨーロッパ由来の文化。
食、作法、映画、習慣、言語、etc...
情緒(ジョウショ)の失われていく時代の流れ。
廻っていく混沌の世の中に、本当という碇をおろす。
そのエッセンスを窺い知ることが出来る。
粋に生きる江戸っ子魂。
ハードボイルドな平行線ルック。
ダンヒルのライターの機能美。
フォークに巻かれる3.4本のパスタ麺。
ミルク世紀とプリン。
三船敏郎とジョニーウォーカーの黒帯。
rとlの発音。
退屈日記を前のめりに読む矛盾。 -
絵が素敵、おしゃれ。でもちょっと古いかな。本物を知っている感じはかっこいい。
-
天が一人に二物も三物も与えることはよくありますが、これもその一例です。
目の付け所、独自の考察、それらの思考がたまたま文字という形態を取ったとしか言えないような、無理のない自然な文章。その上なんですか、あの味のある美しい絵の数々は・・・