女たちよ! (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101167329

感想・レビュー・書評

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  • 高度経済成長期に書かれた本だと念頭において読んでも、これが受け入れられていたという事実にやられそう。料理とか車のところじゃなくて、女性に関する文章が。このタイトルじゃないほうが良かったと思うよ。

  • 昭和男児のフラットな口調が続くと思って読んでいたら、いきなり「ねえ、あなた」と呼びかけられ「と思うのであります」と一文が締まり、挙げ句の果てには「これをあなたはスパゲッティと呼ぶ勇気があるのか。ある、というなら私はもうあなたとは口をききたくない」と仰る。

    「で・ある」調と「です・ます」調の混在は、欧米の真似にすら至らぬ当時の日本の混沌を刺激的に笑い飛ばす。
    さあ、本物を愛そうじゃないか。そのためには本物を知ろう。そういって痛快に背中を叩いてくれる。ああおなかが空くわ。ファッションへの視線も抜群。

  • 「女性経験を自慢するような男は、自分の自信のなさを女性経験の数でゴマかしているだけなのだと、フロムという人が言っている」←こんな感じの文章?をよく覚えている
    めくらのあんま師、二日酔いの虫、「アラビアのロレンス」でロバに踏まれて死にそうになった話、黄身ストローちゅーちゅー(家族ゲームにも出てきた)など
    伊丹十三、コーヒーはちゃんと淹れて飲むとうんぬんとか言っておきながらインスタントコーヒーを嗜むような人なのでとても好きだ
    挿絵、文章の面白さ何をとっても、著者が様々なことを面白がり興味を持てる人なのだと伝わる。

  • 図書館にて。
    伊丹さんの映画は好きだが、このエッセイはとっつきにくかった。
    でも、彼が本物を愛すること、一流であろうとする美学のようなものが感じられた。
    芯のある人の考えていることは面白い。
    瀧波ユカリさんが伊丹さんはフェミニストだったとTwitterに書いていたが、この本のくだりではなかったのでそちらもぜひ読んでみたいと思う。

  • どの雑誌か忘れたけど、半年くらい前に本の特集を組んでいて、どなたかがお薦めされていたので手にとった。

    読んでいるとお腹が空いてくる。
    アボカドのことを鰐梨と呼んでいたなんて!本当に鰐のようだなあ。
    こういう発見があるので、昔のエッセイを読むのはおもしろい。

    昭和に書かれたエッセイが好きだ。
    その時代の人々の暮らしを垣間見ることができて、日本はこんな風だったんだなと思える。
    はじめて昭和時代のエッセイを読んだのは、向田邦子の「父の詫び状」だった。
    その時代に流れる日本の空気、頑固で不器用で、でも憎めない父親、その父親を裏で支える祖母や母親の温かさとたくましさ。そしてどのエッセイも、温かい気持ちになる一方で、どこか切ない気持ちになった。

    たしか父の詫び状は、中学受験の勉強をしていた頃、国語の例題だか過去問だかで取り上げられていて、それが出会いだったように思う。
    そうしたら母が文庫版を持っているというので、貸してもらったんじゃなかったかな。
    そう考えると中学入試の国語の例題というのは、子供たちに新しい世界を開いてくれる、ひとつのきっかけでもあったんだなあ。
    父の詫び状、また読み返そう。

    (父の詫び状の感想になってしまった。)

  • 伊丹十三。故郷の大先輩。タルトのCMにでてた。
    マルサの女、タンポポ、スーパーの女、お葬式。全部好き。
    女を下に見てるところもあるけど、特に料理について書かれてるところには感心した。

  • 「伊丹十三」のエッセイ集『女たちよ!』を読みました。
    『ヨーロッパ退屈日記』に続き「伊丹十三」作品です。

    -----story-------------
    真っ当な大人になるにはどうしたらいいの?
    マッチの点け方から、恋愛術まで――。
    正しく美しい答えはこの一冊のなかに。
    日常の振る舞いにこそ、その人となりは現れる。

    スパゲッティの召し上がり方、アルコールの嗜み方、サラダの本格的な作り方、クルマの正しい運転法、セーターの着こなし方、強風下でのマッチの点け方、そして「力強く、素早く」の恋愛術まで。
    体験的エピソードで描かれる実用的な人生論風エッセイ。
    真っ当な大人になるにはどうしたらいいのか?
    そんな疑問を持つ「男たち」へ――。
    -----------------------

    『ヨーロッパ退屈日記』と同様に、1960年代の作品とは思えない… 古臭さを感じさせない作品でした。

    ひと言で表すと"粋"って感じですかね。

    幅広い知識や教養を武器に、個気味良い語り口で、無粋なことをばっさばっさと斬捨てます… ここまできっぱり主張されると、気持ち良く感じますねぇ。

    でも、これだけの生活をしようと思うと、自由にできる十分な財産と時間が必要だよなぁ… 現実的には、極々限られた人たちしか実践できない世界ですね。

    今回も料理、酒、ファッション、クルマ等々、幅広いテーマについて触れられており、愉しめました。

     1.スパゲッティのおいしい召し上り方
     2.血よ、したたれ!
     3.パンによる一撃
     4.食前の果物
     5.待つこと久し!
     6.チーズについた指のあと
     7.舌を握って踊る話
     8.陰気なお茶受け
     9.イギリス人の驚き
     10.鬚を剃った魚の話 〔ほか〕

    そして、最後には配偶者に求める要件まで… 「宮本信子」は、その要件をクリアした女性だったんでしょうね。

  • ゴールデンウィークは、四国を旅行し、伊丹十三記念館に行きました。すごく面白かったので、思わず4冊エッセイ本を購入。

    これ、50年以上前に書かれた本です。
    そうう思うと、すごいなあ…斬新だなぁ…。

  • 時代にはあわないかもしれないけど、昔のダンディ。洒落者の本。
    そんな時代もあって、今がある。

  • こだわり本の醍醐味はいかに偏屈かってことにあると思う。私は全然共感できなかったけど(というかそこまで考えたこともなかったようなことばかり)、伊丹十三くらいに観察して考える人、感じる人でありたいな〜

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著者プロフィール

1933年生まれ。映画監督、俳優、エッセイスト、テレビマン、CM作家、商業デザイナーなど、興味のおもむくままに様々な分野の職業に分け入り、多彩な才能を発揮。翻訳も多数手がけた。1997年没。

「2020年 『ちょこっと、つまみ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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