格闘する者に○ (新潮文庫)

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著者 : 三浦しをん
  • 新潮社 (2005年3月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101167510

格闘する者に○ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • これからどうやって生きていこう?マイペースに過ごす女子大生可南子にしのびよる苛酷な就職戦線。漫画大好き→漫画雑誌の編集者になれたら…。いざ、活動を始めてみると思いもよらぬ世間の荒波が次々と襲いかかってくる。連戦連敗、いまだ内定ゼロ。呑気な友人たち、ワケありの家族、年の離れた書道家との恋。格闘する青春の日々を妄想力全開で描く、才気あふれる小説デビュー作。
    「BOOK」データベース より

    嫌味のない文章がとても気持ちよい.しをんさんの小説は芯が通っていていつも気持ちよく腑に落ちる感じがする.

  • タイトルに反して主人公はほとんど格闘していない。家庭事情がちょっと複雑という背景はあるものの、就職活動に無気力な理由にはなりえないし、まったく就活をしないのかと言えばそうでもない。行き当たりばったり&無計画、ちょっと世間を甘く見ているとも言える主人公だが、一方で元気で明るく、どうも憎めない雰囲気があり、嫌いではない。快活な彼女は時に、心の中でとっても面白いボヤキをする。また老人の西園寺さんと付き合っているという設定もなかなか面白い。やる気のない大学生を中心にした学生→社会人の過渡期を描いた青春小説であるが、単純にハッピーエンドで終わる小説と異なり、現実的な終わり方をしているあたりは評価できる。三浦しをんさん特有の世界観が出ているあたりはよかった。

  • 新しい年の到来とともにリクルートスーツの若者があふれだした。
    朝井リョウ氏の「何者」の受賞が就活シーズンにはタイムリーすぎて、まさか話題をあわせたわけではあるまいな、と思いながら、そういえばまだ読んでいない就活モノが積読岳のなかにあったな・・・と引っ張りだして読んだのが、この、三浦しをんさんの作品です。

    漫画大好き大学生の可南子さんは、ボーナスがもらえる人生に憧れ、漫画漬けのサラリーマン生活を送りたい、と出版社に絞って就活中。
    場慣れも必要だしな・・・と、出版業界以外には、社割の響きの心地よい百貨店だけ受けてみたりするものの、「平服でお越しください」の案内に対して、豹柄のブーツで説明会に行ってしまったり、スパイ試験を受けさせられたり(←SPI試験です)、とそれなりに活動してはいるのですが・・・

    「就活ものだわ、悩みを共有したいかも」と無邪気にこの本を手に取った世の中の就活生は、なんじゃこりゃあ、と思うでしょう・・・

    でも、出版社の面接のところは相当おかしかった。
    明らかに、伏せ字の効力のない2社についての記述・・・これは三浦さんの実体験をもとに?  だとしたらよっぽどK談社では、いつか仕返ししてやるーこんにゃろ~と思いながら胸の奥でげんこつを固めていたのかなー、とか、角川・・・もとい、丸川書店のことは本当に好きだっんだろうなー、とか、ストレートな気持ちが伝わってきてほほえましいのです。

    しかしこの時は情熱にまかせて(?)無邪気に書いてしまったものの、今や作家として、どの出版社とも程良い関係を保たなければならないだろうに、大丈夫なんでしょか・・・とよけいなお世話。

    就活以外にも、可南子さんの年老いた彼氏のことや、家の跡継ぎ騒動、弟の家出に友達のホモ告白などなど、現代の若者をとりまく雑多な話題が盛り盛りな感じはしたけれど、踏み込みすぎずいい意味でさめた語り口のおかげで、さらっとおつきあいできました。
    大学生ライフの躍動感ちゅうのはないけれども・・・

    それにしても、三浦さんは登場人物のネーミングがほんと上手だなぁ、と思いました。
    友人の砂子(すなこ!)なんて、ほんとに乾いててつかみどころのない、まさに砂っぽい感じのキャラだし、可南子さんという名前もまた、現代風すぎず、跡継ぎ問題で家族会議を開かなあかんような、重たい家の娘さんぽくて○(←ちょっとタイトルにちなんでみた)

  • 就活を舞台にした、つまらない「一つ」の物語。これを一つの作品として見るなら、つまらない。就活の描写はどれもおざなりで、かといってもう一つの主題である政治家の娘、主人公の背景が面白いわけでもない。
    ほとんどの人がこれを評価するときに使うのが、「三浦しをんのデビュー作だ」とか、「今刊行されている三浦しをんの「色」は、既にこの時にあった」とかだ。全て、三浦しをんを作品を読んだ上でこの作品を評価している。
    そうじゃないと思う。少なくとも、私が本を評価するときに考えるのは、それ一冊で楽しめたかどうかであり、作者の背景や、他作品を知らないと楽しめない作品など、どれだけの読者が喜ぶのだろうか。実家に帰省する際、新幹線に乗る前に、小さな売店で名前も知らない作者の本を買う。そういう人は、その本を何の予備知識もなく読むのだ。

  • 主人公は漫画を読むのが大好きな女子大生・可南子。義母と弟の3人暮らしで家庭はどこかぎくしゃくし、恋人は脚フェチの爺さんで、友人にはホモかもと打ち明けられる。そして本人は就活真っ最中!これが三浦しをんさんのデビュー作なのね!面白かったです。

  • 就活もテストも恋愛も、大学生は忙しい。
    まるで、社会人になる前の焦りか開き直りのようだ。
    自分を見失わないように、翻弄されながら、
    いろんな人が世の中にいることを知っていくのだろう。
    デビュー作、24歳の三浦しをんはすごい。
    しをん氏の活躍が十分に予想されるような、作品のように思う。

    しかし、女子が働くことには、
    今でもこんな思いをするのだろうか
    まるで、変わっていないじゃないか。
    驚いてしまった。

    重松氏の解説もよかった。

  • フィクションとノンフィクションが絶妙にブレンドされた物語、という印象。就職活動についてのくだりはうなずくことばかり。10年以上経っても、茶番具合は変わりませんね。一方で、主人公のプライベートについては、んなわけあるかいの連続。でも、そのおかげで鬱々とせず楽しく読めました。

  • 読みやすいなあ。キャラクターもピリッとした個性があって楽しいし、就活の様子もほほえましい。K談社に対する主人公の辛辣な物言いに、これ書いていいの?本当なの?で胸いっぱい。三浦さん自身、実際に就活していたわけだし、おもしろいけど笑っていいものか。タイトルもピリッとくるね。主人公の彼氏の書道家は70歳くらいのお爺ちゃんで、お約束のホモっぽい友人に、なんやかんやで姉想いの弟ときて、林業。三浦さんの他の作品を知ってるからか、にやっとする要素満載でした。出だしも下品。これ、おもしろいわ。

  • 13 12/23

  • 三浦しをんさんのデビュー作。
    何やら変わったタイトルだなーと思っていましたが、なるほど、そういうことですか(笑)
    いわば原点とも言えるデビュー作ですが、これを24歳で書いたとは。
    主人公である女子大生可南子の語り口は、ユーモラスでちょっと毒があり、愛らしく、じじむさい。
    絶妙ですね。
    テンポ良くお話が進んで行くので、一気に読了。

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