夢のような幸福 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101167565

作品紹介・あらすじ

欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見所発見の映画評、旅先の古書店の謎を探索。物語の萌芽にも似て脳内妄想はふくらむばかり-小説とはひと味違う濃厚テイストのエッセイをご賞味あれ。

感想・レビュー・書評

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  • ღƪ(ˆ◡ˆ)ʃ♡ƪ(ˆ◡ˆ)ʃ♪るんるん♪

    やっぱりやっぱりおもしろい〜!
    これは、三浦しをんさんのエッセイだヨイヨイ!!

    ♪♪v(⌒o⌒)v♪♪イエーイ

    もう相当な人数の方がひいてしまっているのが目に浮かびます。が、なんといってもこれは三浦しをんさんのエッセイなんですよ。初めての方、ひかないでくださいね。さてさての三浦さんのエッセイのレビューはこれが標準のテンションなんです。やり出しちゃったからやめられなくなってしまって。期待してくれている人もたくさんいらっしゃるしー?、なので付き合ってちょんまげ!

    (*・.・)ノ ヨロシクニャン・:*:・゚'★.。・:*:・゚'☆♪

    って、もうね。三浦さんのエッセイって言ったら、爆裂したり、悶絶したり、ぐるぐるしたり、それでいて、お友達からお願いしますなんて、orz orz、って言われたり、三浦しをんさんの魅力ってのは、エッセイにあるんだよーきみー、ってこの作品は2003年に刊行されたエッセイ。そう、そう、そう、そう、この三年後に天下の”な・お・き・し・ょ・ー”を受賞される三浦大先生の受賞直前の貴重な、大切な、宝物のような日常の何気ないひと言、てんこ盛り〜!な一冊なのだよー。読めて幸せだよー、いいよねー三浦さんのエッセイ。

    (^^)(--)(^^)(--)ウンウン

    ということで、『校正刷を読み返してみたら、あまりにもアホなことしか記録されていなかったので、「アホか、こいつ…!」と思った』という三浦さんの笑劇のエッセイ!では、では〜、テンション上げて行ってみよう!ちょっとその世界をのぞいてみよー、おー!

    ٩(ˊᗜˋ*)وえいえいおー!

    『うわあーん、ドラ○もーん』、『のび太くん、ぼくは未来に帰ることにしたよ。元気でね…』、『いやだよう、ドラ○もん!』、『のび太くん…!』…といきなりよくわからない展開。そして誰でも丸わかりの意味のない伏せ字の会話は宅配便を待つある日の三浦さん。待ちわびて『ドラ○えもんごっこをはじめてしまった』というまさかの直木賞作家の素顔!『ベッドに寝っ転がって天井を見上げながら、ひとり芝居を大熱演』、『途中に設定を考える短い沈黙(どうしてドラは急に未来に帰ることにしたのか、など)を挟みながらも、二十分にわたって』一人で盛り上がる三浦さん!『それにしても荷物が来るのが遅い』と玄関に行くと『お留守のようなので、また後で配達いたします』の不在通知が!『おお、なんということだ。私のドラ○えもんごっこが佳境にさしかかり、もっとも白熱していたときだ』と不在通知が書かれた時間に愕然とする三浦さん。『あまりの迫真の演技に宅配便屋も恐れをなしたのだろうか』と『しばらく部屋でたそがれるも』、『昼寝をすることにした』三浦さん。目覚めると『どっぷりと日が暮れていた』。それを『私の今日一日はなんだったんだ』と思う三浦さん。大作家さんの日常がどのようなものであるか、とても貴重な一コマを見せていただいた気がします。やっぱりすごいよ〜三浦さん。直木賞作家はこれでなきゃね!

    ( ( = ’ェ ’=)) ほうほうそれで?

    『そして旅に出た』と『日本列島北から南』に旅する予定の三浦さんは、友人と深夜バスでまず弘前に向かいます。『深夜バスはけっこう好きな乗り物だ』という三浦さんですが『今回ばかりは、バスは「夜を疾走する拷問機具」と化した』とさて何があったの?な展開。『おやすみ〜』と寝たはいいものの『後ろの席のおじさんが、私の座席の背を蹴りはじめた』、『ほろ酔いで眠りについたおじさんは、寝相がものすごく悪かったのだ』という深刻な事態。『とろとろと眠りにつこうとすると、必ずおじさんが座席を蹴り上げる』という最悪な展開。『とてもじゃないが寝られない。もしかして後ろのおじさんは特高警察なのか?私に仲間を吐けと無言の脅迫をしているのか?』とだんだん錯乱する三浦さん。これは辛いシチュエーションです。私も深夜バスで、すぐ真横でおじさんが巨大なイビキをかくのに発狂しそうになった苦い思い出がありますよー。あれから深夜バスには二度と乗らないと決めたもんね。ああ、三浦さん、同士だよー。気持ちわかるよー。あー脱線したよー。それで『グッと我慢で夜が明けた』という不快な朝の到来。隣の友人は『なかなか快適な睡眠を取れたということなので、よしとする』三浦さん。『これからレンタカーを運転せねばならぬ大切な身体だ』という友人。そんな友人含め『私の友人たちは、私にハンドルを握らせないことを何ものかに誓ったかのようだ』と一様に『「いいから。運転は私がするから」と、断固として運転席を死守する』と三浦さんがハンドルを握るのを必死で避けていることに気づきます。う〜ん、直接にお会いしたことはないですが、エッセイを読ませていただく限りは、もし三浦さんとご同道できる機会があったら、私も、断固として運転席を死守したいと誓いまする。

    ダヨネ―((*゚艸゚)(゚艸゚*))―☆

    そして、弘前に到着した二人は友人の『お父さんが作成した旅行計画書を広げ』ます。『弘前に単身赴任をしていた』というお父さんが『すでに結婚している』娘のために作ってくれた計画書『パパ指令』を見て『娘を思ういつまでも変わらぬ親心を感じ、目頭が熱くなるのを抑えることができなかった』という三浦さん。こと細かに書かれた計画書に『ちょっと気になるところ』を見つけます。『この道ではかもしかが出るかもしか』?とか『アルミ缶の上にある蜜柑』?とか。『父は、学生時代、落語研究会に入ってたのよ。だからそういうつまんないギャグを言いたがるの』という友人。『そういうツンドラ気候と紙一重の寒いセンスが大好き』と喜ぶ三浦さん。観光地を巡る時もテンションハイな状態です。『写真を撮るたびに、「いいねいいね、うーん、チャーミングだよ。あ、ちょっと顔を横向けてみよう。いいよいいよ!ビューリホーだよ!」とか「えいっ、悩殺!」とか』、『いかがわしげなカメラマン』と『ノリノリのモデル』を演じてしまう二人。『なんだか私、肉体よりも精神が疲労してきたよ』という三浦さん。偉大なお方ではありますが、一緒に旅行させていただく機会があっても丁重にお断りしたいと存じあげる次第でございますです。うーん、どこまでもすごい方だ…。

    (゚O゚)\(--; ォィォィ

    『書いた物を出版していただけるということになると、校正刷を読まなければならない』、まあ大作家さんなんだから当たり前でしょ、と思いますが、『私はこれが非常に苦手だ』という三浦さん。『心身が絶好調だと、二万字に一回ぐらいは、「あら、私ったらこんなこと書いたんだ。天才じゃなかろうか」などとずーずーしくも思う』という三浦さん。いやいや、このエッセイを読んでいると二百字に一回以上、いや、もう二十字に一回以上、これは天才じゃなかろうか!と思う文章表現に出会えてるんじゃないかと。そんな三浦さんのエッセイを読むのは、小説を読むのと同じくらいに幸せな時間、そしてお楽しみ。

    o(^^o)(o^^)oワクワク

    『記憶は消え去るから楽しいのであって、記録することは罪である』という三浦さん。『もうとっくに忘れてしまっていたような些細なことが、ものすごくなまなましく、文字として残っている』というそのエッセイ。三浦さんの小説は万人にオススメしたい一方で、あまりに癖の強いエッセイは極端に人を選ぶので、私のレビューでも万人にはオススメしません。キッパリ!一方でそんな極端に選ばれた人には今生の幸せを感じる読書が待っているという、中毒性のある劇薬、それが三浦さんのエッセイ。『退屈な日常が、夢のような幸福になることを願って』と語る三浦さんのエッセイの世界。

    三浦師匠には永遠に敵いませーんっ!
    読書を続ける限り、どこまでも三浦師匠についていきまーすっ!
    改めてそう誓った作品でした。

    最後まで読んでいただきありがとうございました!

    またね~~♪(*^-^)ノ~~

  • しをんさんは、私には「心の広い神経質な人」が合うと言う。
    あまり聞かない言い回しだ。
    私は「心が狭くて無神経な人」だから、自分と反対の性格の人がいいんだと。

    表現の魔術師だと思う。

    「寝ようと思えばいつでも寝れる、いくらでも寝れる。」を、
    「睡眠に関しては、瞬発力、持久力ともにかなり優等生だと自負している。」と言い変える。

    言葉の魔術師だと思う。

    しをんさんのエッセイは、とてもテンポよく読めるのだが、
    「脳内麻薬物質が分泌されている状態で、勢いに任せて書いている。」と書いてあった。
    なるほど、この書き手の勢いが読み手にも伝わってくるんだな。
    そして、読み手にも脳内麻薬物質が分泌されてきているに違いない。

    本書では、自分と同じ錯覚をしていた三浦しをんさんがいた。
    心斎橋にて:しをんさん「通天閣がないよ!」「何度も心斎橋からの中継映像を見たが、そこには通天閣も映っていたぞ!」
    大阪に詳しい友達二人「映ってないってば」
    自分にも、通天閣の"日立"の文字と"グリコ"の看板、テレビでは同時に見ている感覚が確かにある。
    浅草側の吾妻橋からアサヒビールのウン〇ビルとスカイツリーが一緒に見えるのと同じイメージ。
    東京の人、きっと同じように錯覚している人が多いと思う。

    三浦しをんさんの新しいエッセイが書店に並んでいたけれど、次は「乙女なげやり」だ。

  • 再読でも、とにかく笑わせてくれる楽しいエッセイ集。
    この1冊の中からあふれる、しをんちゃんのヴィゴ・モーテンセンへの愛が凄まじくて苦笑い。
    俳優でも、漫画でも、バクチクでも、とにかく好きなものへののめり込み方が半端じゃないので、見ていて清々しい気持ちになります。

    友人にもそんな人が多いようです。
    パンパースのキャラクター(象のパンパくんというらしい…)のグッズのためにオムツ1万円分を購入したご友人の話に爆笑でした。
    情熱のほとばしり先がすてきです!

    ご家族の話題にも事欠かない三浦家。
    しをんちゃんのことを「ブタさん」と呼ぶ弟さんとの会話が好きなのです。
    弟さんが登場するたびに「おっ!」と思ってしまう私は、軽く弟さんファンになっているのかもしれません。

  • この人、アホみたいなことばっかり言ってるのにいつの間にか鋭い言葉選びでぽろっと本質をついていたりするからエッセイが面白い。何回読んでも飽きない。

  • 20150412読了
    睡眠に関しては瞬発力、持久力共に優等生。という表現が面白い!こういう日々の会話に人生の豊かさが隠れているものだ、と思える。

  • 失敗した…  口唇ヘルペスが出来てしまい、会社帰りに皮膚科に行った時、バッグの中に入っていたのはこの本で、読んだらやっぱり笑いを堪えきれませんでした。一応、無駄な努力はしたのです。なんとか、ニヤリぐらいで留めようとしましたが、ププッと笑い声が漏れてしまい、思いっきり怪しい人となってしまいました。しをんさんのエッセイを外で読むのは危険です(笑)

  • 2002年~2003年の連載なのでその時話題になっていたLOTRとかピンポンとかジャガーさんとかのだめとか懐かしい思い出がよみがえった。
    相変わらず面白い日常を送っていらっしゃる。

  • 欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見所発見の映画評、旅先の古書店の謎を探索。物語の萌芽にも似て脳内妄想はふくらむばかり――小説とはひと味違う濃厚テイストのエッセイをご賞味あれ!

  • 今回も三浦しをんさんは己の欲望(書きたいことを書く)に素直なままに綴ってらっしゃる。

    ガラスの仮面、ロードオブザリング、ヴィゴ、うすた京介、弟、母親の話。

    漫画好きな所や映画の世界や俳優に夢中になるところ、
    はたまた口の悪い兄弟関係や暖簾に腕押し、豆腐にかすがいといったような母子の会話…
    どれも身に覚えのあることなので、ニヤニヤしながら面白く読ませてもらった。

    だけれど、解説が酷い。
    エッセイの面白さを台無しにしている気がしてならない。
    それも、解説を担当なされた林望さんは経歴を見るからに素晴らしい方だとはわかるけれど、解説で言っているお言葉をお借りすれば三浦しをんさんの"対岸のところに立っている"方では?
    三浦さんはエッセイだけでなく物語も書き込み評価もされているので色々な面をお持ちかもしれませんが少なくともこのエッセイで見せる一面と林さんは全く世界の違う生き物だと思います。

    林さんは、三浦さんが取り上げる参考物は知らないものが多いがツッコミが面白いと仰っていますが、それ、多分面白さわかってないですよって言いたいです。

    何でしょう、物珍しさを面白がっているだけで、本当のこのエッセイのくだらな面白さは身をもって体験してなければわからないのでは…?!と思います。
    何だかリアリズムがうんたらとか堅苦しい文学目線で語られて興ざめですわ!!

  • 三浦しをんのエッセイを読むのは3冊目。読めば読むほど自分なんじゃないかと錯覚するほど。友達になりたい(笑)

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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