きみはポラリス (新潮文庫)

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著者 : 三浦しをん
  • 新潮社 (2011年2月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101167602

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きみはポラリス (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 強く印象に残ったものが…

    ・裏切らないこと
    ・私たちがしたこと
    ・夜にあふれるもの
    ・優雅な生活
    ・春太の毎日

    の5つでした。世の中にはいろんな愛の形がある。
    きっかけが何であっても、好きという気持ちに気づいた瞬間から自分との格闘が始まる(はず)。好きな対象がどんなものであれ、時に喜び、時に悲しみ、いろんな瞬間を経験することになる。
    人間関係において(特に恋愛ごと)マニュアルなんて通用しないのかもしれないが、みんな思い悩みながら、いつもどこかで、各々が各々のいろんな恋愛ストーリーを奏でているんだろうな。

    なかなか感情移入できないストーリーもありましたが、
    この作品に出会えてよかったです。

    中村うさぎさんの解説もよかった!!

  • 恋は苦しい。恋は苦い。もし「本気を貫く男」に出会ってしまったら、すべて受け入れるか全力で逃げ出すしかないんだからね、という多恵子さんの言葉は背筋が凍るほど恐ろしい。

    それでも人はだれかを好きになってしまうのだ。その気持ちを思い切り外に出せる人は幸せだ。抑えこんでひたすら自分一人で抱え込んでいくしかない思いもある。その苦しさがまた恍惚を呼び込むことすらあるから、恋はやっかいなのだ。

    ひたすらハッピーエンドのベタ甘恋愛小説じゃなくてよかった。
    帯に「最強の恋愛小説集」と書いてあったので恐れをなして手を出せないでいたのだ。でもそうじゃなかった。どうしようもなく落ちてしまう「恋の罠」が、さまざまなパターンで描かれている。「幸せ」というにはあまりにも深くて苦い。
    「春太の毎日」は微笑ましい描写が続くけど、その背後にある絶対的な断絶を思うと途方に暮れる。それでも春太は麻子を愛する。「本気を貫く」オトコなのだ、春太は。種が違っててよかったのか悪かったのか。

    どんなに苦しくても、一度も恋に落ちないよりはいい。あの苦しさと裏腹の光り輝く一瞬を知っていることが、恋をした者の特権なのだと思う。

  • 様々な愛の形をリアルに描いた
    11編の恋愛短編集。

    禁断の恋、三角関係、同性愛、
    片思い…

    たとえ未来が見えなくとも
    人が人を好きになるということを
    誰が責められるだろう。



    最後の最後に
    思いがけない人の
    切ない想いが浮かび上がる
    「永遠に完成しない二通の手紙」


    家庭を築くことや
    本気を貫くことの意味を考えさせられる
    「裏切らないこと」


    白夜行を思わす世界観で
    後の長編『光』の元ネタとなった
    「私たちがしたこと」


    純文学の香り漂う
    亡き恩師への慕情を描いた
    「骨片」


    ある復讐の形を描いた
    「ペーパークラフト」


    職業不詳の同棲相手・捨松を尾行する
    うはねの冒険譚
    「森を歩く」


    大きくて一途な無償の愛に
    思わずうちのメタボにゃんを抱きしめてしまった
    「春太の毎日」


    など、秘めたる想いが
    痛くて怖くて
    きゅい〜んときて
    胸に沁みる、
    濃密な短編がズラリ。


    しかしこの人の小説は、
    エッセイとは全く違うテイストで
    面白いですね。

    短編集だけど
    語り口が上手くて
    バラエティーに富んでいるので
    ページをめくる手が止まらなくなり
    とにかく読ませます。


    ありきたりな
    甘ったるい恋愛だけではなく、
    重く湿り気のある
    ダークで切ない話が多いのも自分にとってはツボでした。


    秀逸過ぎるタイトルと
    中村うさぎによる
    解説文がまた素晴らしい。


    人それぞれにお気に入りの一編を見つけるだろうけど、
    個人的には
    「裏切らないこと」
    「春太の毎日」
    「冬の一等星」

    お気に入り。


    読み応えあってかなりお得なので、
    ありきたりな恋愛ものに飽きた人や
    短編が苦手な人にも
    オススメです。



    普段は気付けないけど、
    夜道を照らす一等星のように

    誰もが誰かに
    守り守られて生きている。


    あなたにとっての
    ポラリス(北極星)は
    誰ですか?

  • 何回も何回も読み返していて、私にとって特別な、墓まで持っていきたいくらい好きな本。
    ひとつひとつの短編がどうしようもなく魅力的で、恋愛の形の多様性を私に教えてくれた小説でもある。
    人を一途に想う心は美しいなあと、じんわり思わせてくれる。

  • 三浦しをんの最強の恋愛小説集なんて謳い文句にあれば手に取らないわけにはいかなかった。
    どんな恋愛小説を書くのだろうーー。
    わくわくしたのは久しいことだった。
    何を隠そう、友人に勧められた著作「シュミじゃないんだ」を読んでから、三浦さんには興味もとい一方的な親近感があったからだ。

    短編集のなかで一番震えたのは「裏切らないこと」だろうか。誰もが触れたがらないものに潜む奇妙な部分。それが映し出されていた。
    「私たちがしたこと」はミステリー調で、「夜にあふれるもの」はどことなく恐ろしげだ。恋愛と一括りしても多種多様な引き出しに陶酔する。
    そして後半に続く面白おかしい短編にも、三浦さんのさっぱりとした文体と素朴だか的を射る言葉たちが光った作品集だ。

  • 穏やかな幕開けながらも最後にはがらりと雰囲気を変え、突然断ち切られるように終わるショート・トラック「永遠に完成しない~」に始まり、力強い声で高らかに歌う「裏切らないこと」、ミステリアスな曲調で先を急かす「私たちがしたこと」と続き、重苦しくも荘厳な主題を持つ「夜にあふれるもの」、ノスタルジックなバラード「骨片」につながっていく。別々の物語ではあるが全体の構成としてはしっかりと緩急がつけられており、通読すると、まるで1枚のCDアルバムを聴いているかのような感覚がある。
    その後もスリリングで危うい雰囲気の「ペーパークラフト」をはさみ、王道ポップス路線の3曲「森を歩く」「優雅な生活」「春太の毎日」で和んだところへ、表題曲であろう「冬の一等星」の、センチメンタルなイントロが流れてくる。そして、1曲目と同じメロディを含む「永遠に続く手紙の最初の一文」で、まさに永遠に続く時間を思わせながら全ての曲の終わりを迎える。
    まるで三浦しをんのラブソング・ベストアルバムとでもいうべき、異なった魅力を持つ12編が収録された、内容の濃い、お得な一冊。

  • 夜空に輝く、星を眺めて、きみへの想いを募らせる。

    手に届かないから、永遠となる想いもあるだろう。手に入れたと思っても、すり抜けていった想いもあるだろう。そんな切ないものも含め、まるで夜空の北極星に手を伸ばすような恋愛がいくつも並んでいる。恋しい人は、夜空の星のよう。たとえ手が届いても、完全に自分のものにはできないのかも。

    「永遠に完成しない二通の手紙」から始まり、「永遠につづく手紙の最初の一文」で終わるところがいい。同性への想いは、まるで星へ思い焦がれるよう。見えるところにあるのに、絶対に手が届かない。

  • 三浦しをんさんの引き出しの多さには驚きます。
    恋愛をテーマにした短編集で、こんなにバラエティーに富んだ内容とは。
    様々な男女の、決して美しいばかりではない心の中や、誰にも言わない、言いたくない秘密。
    『森を歩く』では、一緒に暮らしているパートナーの職業が2年たってもわからなかったり(笑)
    『私たちがしたこと』は、一番心にずしんと来ました。最後の一文、「素敵な不毛だ。」が哀しかった…。

  • 最初に手にとった時は、淡々と綴られた恋愛短篇集なのかと思った。
    ……と思いきや、いろいろとんでもない内容だった(笑)。

    「秘密」というスパイスを加えて、「恋」のドキドキはますます加速する。
    すべてがストンと腑に落ちる内容ではないけれど、そもそも恋なんてそんなものだ。
    『冬の一等星』みたいなじんわり優しい秘密なら、いつまでも胸に抱いていたい。

    三浦しをん、幅広く書ける人なんだなあとあらためて。

  • 恋を題材にした短編集。ひとつひとつの物語はもちろんだけど、中村うさぎさんのあとがきで了。秘密ってキーワードですとんとすべてが理解できたような気がします。「春太の毎日」「冬の一等星」が特にお気に入り。

  • 同性愛とか、犬の恋愛とか、浮気とか、
    色んな恋愛の形があって、
    短編1つ1つが、美しい話だなぁと感じながら読みました。

    私は経験したことがないような恋愛ばかりだったのに、
    三浦さんの描写はなぜか共感することだらけでした。

    どんな形でも、人を好きになるのは万人共通だし、
    恋愛っていいなぁと感じさせられる作品でした。

  • どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛… 言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつたして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている。誰かをとても大切に思うととき放たれる、ただひとつ特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。

  • 噛めば噛むほどにじわじわ味が出てくる短編集。

    前半は重い話もあり、抽象的で暗喩で語られる。(吉本ばななみたい)
    一方で後半は、「舟を編む」のイメージそのまま読みやすい話が多い。

  • 「どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう」

    一向にひとを好きになれず、手にとってみた恋愛小説です(笑)
    愛も恋も、個性というか、多様性というか、誰かと同じである必要なんてないんだと思いました。自分と相手の関係を「恋」でくくるのではなく、ふたりだけの名前をつけられたら素敵だと思いました。
    「アイ」とはなんぞと問われたら、それは「私」と答えようぞ、という歌詞を思い出しました(笑)

  • 日常 と 非日常 の狭間。
    その絶妙さが、さらりと読みやすい文章で描かれていて
    本当に興味深い一冊です。

    人が人を想う気持ちは時に暖かく、そして時にとても奇妙で、
    どんな形であれ、とても美しい。

    この作家さんの他の作品も
    ぜひ読んでみたくなりました。

  • はじめて三浦しをんさんの本を読みました。
    最近読んだ本の中ではかなり好きな本になりました。
    特に、『私たちがしたこと』と『夜にあふれるもの』が好きです。特に男の登場人物の書き方が魅力的でした。エッセイは読まないと思いますが、他のしをんさんの小説を少しずつ読んでます。何度も読み返したい、まだまだこの本の世界にいたい、と思う小説でした。

  • まず言っておくと私は恋愛小説が苦手。だけどこれはばりばり恋愛系。
    本屋で推されまくってて、興味本位でどんなもんかと、短編集だったからというのもあり、1話目を読んで
    衝撃を受けた…
    文章の雰囲気、儚さとか切なさとかが自分好みだったということもあり購入。

    いわゆる「普通の恋愛」と言われそうなものも心理的な揺れとかを使って上手く表現されてる。
    あと、変に最後まで言及しないから、余韻を楽しめる。
    全て面白くてすぐ読んでしまったー

  • 三浦しをんらしい、恋愛小説。

    人が人を想うということを描きつつも、その中には没頭せずにそれぞれの作品のテーマにふさわしい「距離感」を保ちつつ描かれる恋愛小説。

    初出・収録一覧にも書かれている「自分お題」や「お題」があるからこそ生み出された作品たちだと思う。
    恋愛を「距離感0」で描いたならば、それはそれは濃厚で息苦しいものであったり、苛烈な光、ただひたすらに甘やかな気持ち、そういったものが印象に残ることも多いだろう。

    しかし、適切な距離を保つことで、恋愛物語にさまざまな色が浮かぶ。

    薄墨色の空から落ちる白い雪。
    昏い昏い、夜の底。
    生命力あふれる濃緑。
    ファイヤーストームの緋色。

    それぞれのテーマによって切り取られた恋愛の一幕をそっと覗くように一つ一つを読んだ。




    ****

    三浦しをんらしい『永遠に続く手紙の最初の一文』にこっそりとほくそ笑むのを忘れずに…(笑)

  • すべての恋愛は普通じゃない。。

    なるほど。

  • 冬の一等星、泣いた。

  • 透明感があって好き。
    「きみはポラリス」に「冬の一等星」が重なってなんだか心にぶわっときた。
    読んでいて淡々としてるんだけど五感に響くものがある。
    静かな気持ちになれるなぁ
    中村うさぎの解説がイイ★

  • しをんちゃんの恋愛小説をまとめた1冊。
    "恋愛"という一つの言葉でくくっても、その形は無限にあるのだということを改めて感じました。

    11編の短編は初出がちがうので、それぞれの持ち味もちがいます。
    三角関係に信仰にBLなどいろいろなテーマがあるので、アソートキャンディーから好きな味を選ぶように、気分に合わせて楽しめます。

    今の気分はハッピーなお話が読みたかったので「春太の毎日」が一番好きでした。
    春太くんがとてもキュートです。
    ちょっと生意気だけど「大好きだ」って思いがまっすぐでかわいい♪

    本書の英語のタイトルが素敵です。
    「Something Brilliant in My Heart」
    誰かを大切だと思うとき、心の中で輝くもの。
    それの光は、歩き続ける私たちの道を照らしてくれる道しるべなのです。

  • 11本からなる短編なので、一番短いものは18Pしかない。けれど、一つ一つの物語に芯があって短編特有の薄ペラさを少しも感じることがない。一番印象に残ったのは、亡き大学教授の骨のかけらをこっそり持っている主人公と一緒に暮らす寝たきりの祖母との物語。静謐という言葉がぴったりくるものだった。中村うさぎのあとがきも、本編をもう一度読み直し、あらためてその秀逸さに気づかせてくれる文庫ならではの良さがあった。

  • 2016.6.20再読二度目。
    健康思考で雑穀やらヨガやらをする話が一番好みで、初読から年月が経った筈だけれど、強く印象に残っていた。この作品は酷く現実的な台詞や感情に共感できる。
    その他はどれもぼんやりした曖昧さで広がる物語で、この作品しかしらない三浦しをんの印象はといえば、柔らかい語り口で、同性愛テーマをよく扱う作家、である。
    川上未映子もそうだけど、恋愛小説はぽやっとしたものが多いのか?

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