天国旅行 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101167626

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  • 「心中」をテーマにした7つの短編集。
    関係性を語る魔術師・三浦しをんが紡ぐ、生と愛の物語たち。心中だけど、生と愛なのだ。
    「森の奥」富士の樹海で自殺を企図する男が不思議な青年と出会う。
    「遺言」ともに死ぬことばかりが愛の証明ではない、究極のラブレター。
    「初盆の客」祖母が貫いた愛と秘密を知ることで結ばれる縁。
    「君は夜」夜な夜な見る前世の夢に囚われて現実を見失う女。
    「炎」焼身自殺を遂げた先輩への想いをひととき共有する少女たち。
    「星くずドライブ」幽霊になった恋人との暮らし。
    「SINK」一家心中で生き残った男の希望。

    個人的には「星くずドライブ」の途方もなさ、救いのなさに呆然とする。犯人は誰か、なんてのはどうでもよくて、幽霊になってしまった香那を見捨てることができそうもない英ちゃんの運命の過酷さと言ったら…。彼はいつか83キロを超えてどこかへ飛んで行ってしまうんじゃないかと不安で切ない。

  • 鳥肌たった
    とくに君は夜

  • 短編集ならではのの上、難しくないので全てがサクサク読めはするものの、ほぼ全てにおいて、どうなったんだろう?と気になってしまった。

    自分なりの解釈や想像でストーリーを完結させれば良いのかもだが終わりはハッキリとしたものが好み。

    世にも奇妙な物語とかである感じの少しモヤモヤする感じ。

    物語自体は全て引き込まれて読ませてもらった。

  • 森の奥:樹海。青年とおじさん。生きようと反転する瞬間の描写がとにかくうまい。
    遺言:刺し違えるような切迫感。
    新盆の客:三浦さんの得意系。
    君は夜:男と女の組み合わせって最悪
    炎:凄まじい保身。それが女子高生だからこそ。これだけ5つ星。あとは4つ星。
    星くずドライブ:距離感について考えさせられた
    SINK:記憶の可塑性

  • 7つの物語のうち1.2.4.5話は星5つ

  • 決して明るい話ではない。前向きでもない。でも、後ろ向きでもない。
    何か心に刺さる物がある。そんな話がいくつかある短編小説でした。
    新盆の客が好きかな。
    君は夜は、何をどうすれば良かったんだろうと思わざるをえなかった。

  • 何年か前に一度読んだことのある作品。心中をテーマにした短編集だけど、短編集とは思えないほど1つ1つが読み応えのある作品だった。

  • 「君はポラリス」よりも好み。短編集って、統一感はありつつも似たりよったりの内容ではない、というのが理想で、そこが難しいところだとは思うけど本作はうまく達成されていたと思う。

  • どの話も死(心中)について書かれている短編集。
    最初のうちは重い本だったのか、失敗したかもとおもったが引き込まれる。

    そして表紙の色合いが綺麗で好きです。

    解説を角田光代さんが書いているのだが、こう読めばいいのかとさすがの納得をもらえた。読解力が凄い。

  • ウメおばあちゃんのお話が好きだった。
    あとで、きっとこうだったんでしょうねって
    笑って話してるおはなしはすき。

    星くずドライブはこわかった。
    一緒に生きるのも一緒に死ぬのもいいけど
    別の次元に生きたくないなとおもった…
    君の名は、に似たこわさを感じる…
    物理的に作用できないのつらい。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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