- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101167633
感想・レビュー・書評
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しをんさんにしては…。
自分が興味ある職種ばかりじゃなかったのが大きいから、普通に面白くないわけではなく…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
積ん読チャレンジ(〜'17/06/11) 4/56
’16/05/26 了
最も好きな作家である三浦しをん先生のインタビュー本。
今まで小説は好んで読んできたが、インタビューの本を読むのは初めて。
読んだ結果としてはとても面白かったの一言に尽きる。
前の本が300ページほどを3週間もかかって読み終えたのに対して、こちらはわずか二日足らずで読破してしまった。
女性インタビュアーによる、働く女性に対してのインタビュー本という珍しい形態。
先進国の中で女性の社会進出が遅れている日本だが、この本でインタビューに答えている女性はいずれも魅力と輝きに満ちた人物であると言うことが本を通して伝わってきて、もっとパワフルな女性の社会進出が進めば良いのにと思った。
僕は「仕事」と「自分」という人格に対してを一定の距離を置いているので、ここまで「好き」という気持ちを押し出して仕事をしている彼女らが新鮮に思えた。
解説に寄稿している髙橋秀実氏の指摘で初めて気が付いたのだが、インタビューに答えている女性が皆「好き」を原動力に働いているというのは注目すべきポイントだと思った。
「好き」が根っこにあるからこそ、彼女たちの言葉は紙面を突き抜けて読む者にメッセージを伝えられるのではないだろうか。
この本を読んでいて一番共感したのは、「まえがきにかえて」に記された以下の箇所。
「個人的には、安易な個性礼賛には同意しかねるのだが、「わざわざ礼賛などしなくても、ひとはみないいい意味で『変人』である」と改めて確信できた気がする。」
「太陽が東から昇って西に沈むように、ひとはフツーに変人なんだ、ってことだ。」
僕は常日頃から「人は誰しも変態で変人だ」という主張をしているので、大好きな作家さんと意見が一致して嬉しく思ったのだった。 -
インタビューする人が聞き上手で、インタビューされる人がおもしろくいきいきとしているからおもしろいのですが、女の人同士と言うのも大きいように感じる。わたしも直接ふむふむしたい。
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様々な職業の女性へのインタビュー集。
伝統芸能からサブカル、アカデミックにスポーツまでまさに多種多様なお仕事。みなさん自分の仕事に誇りを持って働いていて、素敵だ。
インタビュアーの三浦しをんさんの物欲に素直なところも、各人の仕事の素晴らしさが引き金になっているのかな、と思うと、ほっこりする。
それにしても、ことさら声高に「女性が輝く社会」などと言わなくても、有名無名の女性が、ひっそりと、あるいは公然と自分を磨いて輝いてるんだなあ、と改めてちょっとした発見をした気分になった。 -
2泊3日の研修帰りに、
なんだかテンションがいい感じに明るくて
ひゃほーという気持ちのまま何かを読みたくて、
しをんさんを手に取った。
帰りの新幹線の中、まだ半分だけど、
ひゃほーという気持ちが継続中なので、あたり。
お仕事に向き合っている女性は素敵だ。
なんか逞しくて、いきいきとしていて、
それでいて強く楽しそう。
しをんさんがそうさせてるのかもしれないけど。
ちょっと変で奔放な人がたくさん。
もっと若い頃はずっとレールを外れるのが、
怖かった。最近少しずつ、怖いものが減ってきた
ような気もしてる。
人生は色々。節目も時々。
それはみんなおなじじゃない。
この本の中のいろんな人のステップアップを見て、
なんかわくわくした。
いろんな曲がり角で色々考え、でも道は続いた先に
今の仕事と生活がある。
あと40年以上も生きるかもしれないことを長く
感じてぞっとしたこともあったけど、
今は30になるのも、おばさんになるのも
おばあちゃんになるのも楽しみだ。
私もなんだか巡り巡って図書館にいる。
だけど、今の自分をみると巡り巡ったことが
今の自分を少し力強くしている気がする。
お仕事悩むこともあるけど、楽しい。
困った人もいるけども、きっと何かのチャンスだ。
研修としをんさんでやる気が出たところで、
今日は金曜。月曜まで忘れないといいなー。 -
特殊技能を活かして仕事をしている女性に話を聞いたインタビュー集。靴職人、ビール職人、染織家、動物園飼育係、フィギュア企画開発、現場監督等々、多彩な職業の女性達の話も勿論興味深かったが、インタビュアーの三浦さんの言葉がいちいち面白かった。機を織っているときは「鶴になってしまいますから、決して覗かないでください」という感じで集中なさるんですか?とか。文庫版あとがきに全員の近況も載せてあり、気配り満点。ラストにしっかり編集者を登場させたのもよかった。
巻末で髙橋秀実氏が「私は男でよかった」というような解説をしていたが、本書の内容にそぐわない気がした。
p64
機を織っているときは、「鶴になってしまいますから、決して覗かないでください」という感じで集中なさるんですか?
p225
まずは、数あるおもちゃ会社のなかで、バンダイを志望した動機をお聞かせください(入社面接風)。
p226
おおっ、オタクでしたか!(←激しい食いつきを見せる三浦面接官)
p264
「前田建設工業株式会社」のHPです。「ファンタジー営業部」というコーナーは必見です!
p338
仕事が一段落したときは、自宅に買い置きしてある「ザ・プレミアム・モルツ」で乾杯。ま、「乾杯しても一人」(自由律俳句風)なんですがね。
p350
しかし、どこから手をつければ、このライフスタイルもとい自堕落暮らしに変化をもたらすことができるのか、皆目わからん。なんにも身に覚えがないのに、気づいたら妊娠していた、というような変化が起こらないかなあ。起こりません。 -
しをんちゃんって、聴き上手。だから、小説も面白いんだななんて、内容とは外れた事を思ってしまった。
ああ、楽しい時間だった。もっとふむふむしたいなと思った。
そうして、野望が出来てしまった。中村氏のお店で靴をオーダーして、藤井さんが染めた糸で反物を織ってもらい、着物が作りたい!!
そうして、おいしいビールを飲むのだ! -
もっともっと若い時に読みたかった。皆さんの仕事に対する愛情、エネルギー、プライドを感じる本だった。
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色々な仕事をされている方達の話は面白かった。
職業一つ選ぶことはその人の人生。
自分はどんな事がしたいのだろう。 -
染織家の方のインタビューが印象に残っています
桜から色を抽出するときに、花弁でなく折れた枝から桜色が溢れ出すのだとか
植物の生命力の様なものを、その一端から感じ取りました
絵的にも美しいですしね
ただ著者のボキャブラリーが貧弱なため常にまとめが貧相です
あれほどの職人芸を見て紋切り型の感嘆文しか書けないのは力不足です
作家として職人に関わるには釣り合わないと毎インタビュー思わされます
どれだけ伝統技術を披露されても著者の血肉になることはないでしょう
人生と向き合っている職人たちの背中を眺める著者の言葉には、嘘しか感じません