吉里吉里人 (下巻) (新潮文庫)

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著者 : 井上ひさし
  • 新潮社 (1985年9月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168180

吉里吉里人 (下巻) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 面白い、の一言。
    あまり小説らしくないといえばそうだけど、紙面を利用した空間表現の独特さや詩の多用、そして鋭い社会批判など舞台的なエッセンスが随所にちりばめられていて、そこが素敵。それゆえ、その主張には全面的に同感できるのでした。戦争の必要がない平和な国を実現し、かつ他国から認められること、それは自らの国を立派な国にせしめること。いつの時代だって、これが理想でしょう。そう自信を持って言い切りたいものです。

  • 再読。と言っても、あらかた話は覚えてなかったので新鮮な気持ちで読めた。改めて、一流の作家の先進性、世の中を見る慧眼に驚かされた。

    細部では今となっては、古臭く効果を減じている部分もあるが、物語が提起している話題は全く古びていない。逆に言えば世の中変わっているようで変わってないわけだが・・・

    個人的には、余りにしつこい下ネタに辟易するところもあったり、現実離れした人物設定、饒舌すぎて読むのに苦労した点はあったが、概ね楽しめた。東京で育った私には農家の苦労も怨念も分からないが、元は両親の出は農家である。遺伝的には、多くの日本人同様百姓である。仕事で、東北に行くと、荒れ果てた休耕田を見て心が痛むこともある。井上氏の想像した「ユートピア」の実現は困難だろうが、生きるために一番大事なものが農業である事も間違いない。

  • 2016.1.14(木)¥100+税。
    2016.5.13(金)。

  • 上巻までは良かったけども、残念ながら中弛みしてそのまま失速…あっけなくおしまい。という印象が残った。
    無駄な下ネタが多すぎて、本筋が盛り上がらない作品でした。

    吉里吉里国の独立というストーリーの中で、日本社会のおかしなところを批判的に述べていくところは、確かにそうだなと共感するところもあった。そういうところは学びになったかな?

  • 1989年 読了

  • 井上ひさしの博識と問題の切り口、設定の仕方の巧みさにただただ脱帽だった。
    本書を著したのが1985年と自分が生まれる前年にも拘わらずテーマとしている問題意識が全く古めかしく思えない。
    期せずして安保関連法が物議を醸した正に同じタイミングで読んだことで井上ひさしの訴えようとしている課題の一端を強く共有することが出来たと思う。

    個別には特効薬、特に虫歯(および歯医者)に関する論点が素敵だった。
    虫歯の特効薬が発明される。
    すると「全世界の歯科医師や歯科技工士が失業しますよ。残るのはごく一部の、美容師まがいの歯科医師。つまり細々と派の手入れをさせてもらうしかなくなります。歯科用の医療機器商も潰れましょう。世界的な社会問題になりますよ。」(pg.55)と厚生省の役人が嘆く。
    特定分野の技術開発がもたらす社会的な影響に考えを巡らせてくれるきっかけを与えてくれる。ラングドンウィナーの「技術の政治性」を日本的視点から論じているようだ。この視点は「組織の自己保存」にも繋がるのではないか。歩留まりの改善を主業務にしている技術者が、仮に100%の歩留まりを達成する技術を開発したら自分の職を潰すことになるその技術を果たして公にするのだろうか。また、そのような技術を開発するインセンティブは発生するのだろうか。

    率直に面白かったのは以下の記述。
    「わたしはね、七十や八十の老人がマラソンなんかして体を鍛えているのを見るとぞっとするんだ。薄みっともない、恥を知りなさいってんだ。いったい、いくつまで生きてりゃ気が済むのか。自分と同じ世代の人間で、戦争や病気で早死にした人たちのこともちっとは考えてみるがいい。また自分より若い人たちの邪魔をしていないだろうか、たえずそう反省して、ひそかに余生を送ってはどうなのだ。」(pg.68)
    こんなこと、空気を読むことが絶対の今の世の中では思っていたとしても口になんてできやしない。それを小説の中で痛快に言い放ってしまうあけすけなこの小説は読んでいてとても楽しかった。
     ※ちなみに★三つ評価は少々長すぎて読みつかれてしまったから…。

  • 吉里吉里国に移民した古橋健二の身に、さらなる椿事が出来します。吉里吉里国で開発されたという新薬を争奪しようとする争いに巻き込まれたかと思えば、吉里吉里国に新設された文学賞を次々に獲得し、新大統領の地位に就き、ついには脳移植手術の第一号患者となって、美女の殺し屋ベルゴ・セブンティーンの身体に脳を移植されてしまいます。

    一方、吉里吉里国の独立を阻止しようとする日本国は、吉里吉里国の最大の切り札である4万トンの埋蔵金の隠し場所を突き止めようとします。古橋はふとした偶然から、埋蔵金の在り処を知ることになります。そして、この軽率な男に金の在り処を知られてしまったために、吉里吉里国独立という夢は空しく潰えることとなります。

    著者の筆の勢いは最後まで衰えませんが、読者としてはさすがにちょっと飽きてしまった感もあります。が、いずれにしても、全編に渡って著者のエネルギーの横溢を見ることのできる、快著にして怪著だと思います。

  • ラストがいやにあっけなかったのだが、物事というのはそういうものなのだろう。
    最後の最後に明かされる吉里吉里人と吉里吉里国の真実を知ると、もうテーマが深すぎて……。

    終盤まではドタバタ小説だと思っていたら、何とも悲哀のこもった、そしてしたたかでギラギラした小説でありました。

    ひとことで言えば面白いです。通しで読んでよかった。

  • やっと終わった( ´ ▽ ` )ノ。
    ひょうたん島や猫じゃら市みたいな行き当たりばったり型の展開はいいんだけど、いくら何でも余談と下ネタが多すぎた(>_<)。
    古橋はじめタヘだのミドリだの、ヤな奴ばっかりだから、ずっと「さっさと吉里吉里国なんか自衛隊に潰されちゃえ」と思いながら読んでいた( ´ ▽ ` )ノ。ゆえ、ラストはスッキリ爽快( ´ ▽ ` )ノ。
    むかし話題になったから一度は読んでみたいと思っていたし、部分部分見れば面白かったんだけど、たぶん今後読み返すことはないし、人に勧めることもないな( ´ ▽ ` )ノ。
    「ネタバレ」なんて物ともしない何とか君美なる人の解説文が、むしろ清々しい( ´ ▽ ` )ノ。
    解説を先に読むなんて、やっぱり邪道だよね( ´ ▽ ` )ノ。
    2015/07/08

  • 古橋先生…
    面白いキャラです。
    設定から面白かったです。
    馬鹿馬鹿しい感じで終始ニヤついて読んでいました。

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