父と暮せば (新潮文庫)

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著者 : 井上ひさし
  • 新潮社 (2001年1月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168289

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父と暮せば (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 母に勧められて読みました。
    本の内容も面白かったですし、色々と考えさせられる内容だったので読んで良かったと思います。
    僕は井上ひさしさんの本を読むのは初めてだったのですが、井上ひさしさんの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」という言葉を感じた本でした。

  • 読書家の方のブログに触発されて読みました。

    愛する人々を原爆で失い、天涯孤独となった主人公美津江は
    「幸せになってはいけない」と
    生き残った自分を責めてしまう。

    ある日、死んだはずの父親が「恋の応援団長」として
    現れる…

    やり切れない悲しさのあるテーマですが、
    広島の方言が優しく、またちりばめられたユーモアのおかげで
    重々しくならず、一方でなお一層じんわりと胸に迫るものとなっている。

    時折、残酷すぎる情景描写に苦しくなりましたが、
    実際はもっともっと本当に惨かったはずです。

    過酷な中、なお生き残った人の
    悲しさや苦しさ、

    亡くなった人の事を思うと自分が許されないと
    思ってしまい、
    その相手の人からは「もう良いんだよ」と言う声は
    聞くことが出来ないというのは辛い。

    ずっとこの父親(おとったん)を
    読みながら井川比佐志さんみたいな人をイメージしていたので
    映画では原田芳雄さんだったと知ってちょっと意外!

    美津江も宮沢りえちゃんはちょっと綺麗過ぎだなあ。
    可愛くていいんだけどもうちょっと素朴と言う感じ。

  • 恥ずかしながら初・井上ひさし先生です。この作品が戯曲であることも、本を開いて初めて知りました。その上舞台設定のト書きを読んで想像したのはドリフのコントにでてくるようなセットだったという…。それくらい想像力の乏しい自分でも、不謹慎だという戒めも感じずに笑いながら、一方で歯を食いしばって涙をこらえながら読みました。原爆のひどさをただ訴えるのではなく、残された人の救済を描いたこの作品を今必要としている人はたくさんいると思います。舞台、見てみたいです。

  • 一瞬にして焼き尽くされた暮らし。残された者のつらさ。広島弁がやさしく、せつない。一年に一度、読み返す本。

  • 泣いてしまった。今だから、なおさらなのかもしれない。
    忘れてはいけないことがある。あの日のヒロシマのことを、その後、生きた人の苦しみを。ともすれば、人はつらいことや悲しいことを忘れたいと願うけれど、「ちゃんと記憶し伝える」べきことだってあるのだ、、、たとえそれがとても苦しいことであったとしても。
    「知らないふり」をしてはいけない、というメッセージが込められた物語。
    劇作家としての作者の技量がひしひしと伝わってくる、台本の様式の一冊。

  • 初めての戯曲がこの作品でよかった。
    戦後の広島の父と娘の話。
    原爆、戦争、残された家族・・・
    ずんずん読めるのに、多くを考えさせられる作品。
    もっともっと井上ひさし読んでみたい。

  • 広島の原子力爆弾で、父を亡くした娘。
    生きているのが申し訳ない、幸せになるのが申し訳ないと言って生きていく。
    自分を戒める娘と幸せを願う娘の一人二役で話は進むが、幸せを願う娘の役を亡くなった父に置き換えている。

    現実にこんなことがあったのかと疑うほど、原子力爆弾はむごい。

  • 最近、夢中になっている井上ひさし。
    悲しいが、優しい救済の物語。こうでないと救えない心がたくさんある。

  • 買いだめしておいた何冊もの本の中から、今日偶然に手に取った。
    8月は鎮魂の月である。
    祖母は被爆者。自分が幼い時に話は聞いたことがある。原爆資料館にも連れて行ってもらった。
    それから30年以上たち、日本は戦争していないが、世界中で悲惨な戦いは繰り返されている。
    日本は核兵器禁止条約に批准しないという。
    日本の国としての限界がそこにある。
    ただ政治家も一般国民も皆戦争はしてはいけないものだ、と共通に願っていてほしい。
    父と暮らせばを読み、それも8月に読み、戦争はいかに人を傷つけるか、改めて考えさせられた。

  • 短いので軽く読めるけれど、深い重い。でも前を向ける。
    世界は残酷だ。でも、生きている人は前を向いて生きていかなくちゃいけない。それが生きられなかった人に対する努めで、次に生きる人への義務だ。死んだように生きていてはいけない。

  • 戯曲ですが読みやすかったです。
    考えさせられる場面もありますが、全体的に平穏な物語でした。

  • ★4.0
    戯曲ゆえにセリフが活き活きとしており、美津江は宮沢りえに、竹造は原田芳雄に姿を変え、映画の記憶をまざまざと思い出させてくれた。同じ日に同じ広島で、生き延びた人と命を落とした人。その境界は曖昧で、美津江のように思う人は多かったのではないかと思う。本当は、後ろめたく思う必要なんて全くないのに!前口上に記されていた「いつまでも被害者意識にとらわれていてはいけない」の一文に、ただただ驚くばかり。その意見を口にした人は、自身や近しい人が被爆していても同じことが言えるのか。辛いけれど、ほっこり優しい1冊。

  • こまつ座で舞台になっている他、宮沢りえ主演で映画化されたり、人形劇団むすび座で人形劇化されている。
    戯曲は読みづらいというイメージがあったけれど、映画を見てから読んだということもあってかとても読みやすかったし、おとったんと美津江の身に起こったことや、二人の思い、美津江が心を揺らしながらも一歩一歩前に進んでいく様子が、映像を見たとき以上に理解できた。
    一発の原爆は、たくさんの人の大事なものを失わせ、人生を変えてしまう。生き残った人は、亡くなった人の思いを背負って生きていくことになる。原爆を落とすことはとても大きな罪だと思う。

  • 舞台は昭和23年の広島。
    自分だけ生き残った女性が、自分だけ幸せにはなれないと思えいるところ、父親が幽霊になって励ましていく。
    シナリオ。

  • とても短いので、戯曲を初めて読む人にも薦めやすいのではないかと思う。
    ちょっと甘い感じもするが、声高に戦争の惨禍や悲劇を訴えるのではなく、普通の人間のささやかな日常を破壊する恐ろしさを通奏低音のように流し続ける。幽霊の父は、実際には父を見殺しにしたと思っている娘の妄想かもしれない。妄想が死にそうな人間を支えることってあるものね。
     しかし映画では宮沢りえが娘。美人すぎて違和感あり。もっと普通っぽい人が良かった。本には美人でないが愛嬌があるって書いてあるんだから。

  • ユーモアが恐ろしさを倍増

  • 同名演劇の脚本。
    広島の原爆から生き延びた美津子は、自らを幸せになってはいけない、と戒め、好きなひとができても、恋することを禁じていた。
    しかし、自称・美津子の恋の応援団長である父の竹造は、そんな美津子の恋が実るよう、影に日向に、美津子を説得する。

    竹造のコミカルな振る舞いと、美津子を脅かす被爆体験の恐ろしさの両方が伝わってきて、妙に迫力のある話。
    文章でも伝わってくるのだから、舞台で見ると本当に心揺さぶられるものがあるのだろうと思う。
    広島ことばは難しかったけど、その分リアリティがあった。

  • 映像版も、こちらも、よかった。

  • 演劇の情景がありありと浮かんだ。それにしてもこの話のモチーフは切ない。戦争は二度と起こしてはいけないと思う。なのに安保成立する世の中だよ。どうして国が異なるだけで戦争を念頭に置かないといけないんだろう。隣の県と戦争するなんて思わないのと同じように、隣国と戦争することなんて想定しない世界がくればいい。

  • 読了。
    父と暮らせば
    井上ひさし

    劇形式の読み物。実際舞台化・映画化されているようですね。
    「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり恋の応援団長をかってでて励ます父は、実はこの世の人ではなかった…「わしの分まで生きてチョンだいよー」父の温かい願いが、底なしの絶望から娘を助け出す物語。
    広島弁が少し読みにくかったが、世界観にすんなり入り込めて原爆の悲惨さを知った。

  • 戯曲形式は久しぶりで、広島弁の台詞が最初は少し読みにくかったが、最後は涙無くして読み進められなかった。劇場の機知は本の中にも残っているようだ。父竹造はユーモアに溢れ、娘美津江とのテンポ良いやりとりの中にも当時の様子や心情が巧みに織り込まれている。せっかく図書館にいるので、戦後70年の特集コーナーを利用してみよう。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない―。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。

    【キーワード】
    文庫・父・家族・映画化

    【映像化情報】
    2004年7月31日映画化
    出演:宮沢りえ・原田芳雄 他

  • 傑作。舞台は観たことがないが、朗読劇は、ある。それはとても感動的な「劇」で、あった。

  • 2014/03/20完讀

    女兒美津江在喜歡上青年木下之後,在原爆死去三年的父親竹造就出現了。美津江對活著感到歉疚,認為自己不配擁有幸福,竹造(其實是美津江渴望幸福的那一面)則不斷地鼓勵她。親子之間的感情寫得很感人,對於原爆的寫作也非常地發人深省。讀到後面就忍不住鼻酸。這是一篇短短的傑作,也誠如井上氏所言,廣島的故事,還是應該用廣島腔流傳下來。

    ・一人二役
    ・生きている死者・死者との共生の感覚
    ・和光同塵
    ・「あよなむごい別れがまこと何万もあったちゅうことを覚えてもろうために生かされとるじゃ」
    ・(解説)かなしかったこと、つらかったことをちゃんと記憶し伝えてこそはじめてほんとうの「自由」であり、「しあわせ」である。…かなしみを深めて生きていく以外に人間の生き方の深まりは知れない。闇に光が、かなしみのあるところに喜びがもたらされる。

  • 優しい言葉で訴えられるヒロシマ。私たちは向き合わなくてはならない。

    原爆の事実に「知らないふり」をするのではなく、きちんと向き合うために読むべき本だと思います。父娘の愛情にも感動します。

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「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹造は、実はもはやこの世の人ではない-。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。

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