井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)

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著者 : 井上ひさし
制作 : 文学の蔵 
  • 新潮社 (2001年12月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101168296

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井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 作文はシンプルなルールと考え方でよい、とのことです。自分にしか書けないことを、他人がわかるように書く…日本の国語教育は長年いろいろいわれていますが、それは後者の性質を疎かにしているからなんですね。たしかに教わったことがありません(^q^) そして、作文は削る作業でもある…このことをたまに忘れてしまうのでね。感想文ではなく、テーマを決めて書くってのも、創造的活動でいいですね。企業が日本語を壊しにかかっている、という話も興味深いところ。

  • 文を書くことの基本。当然の内容が書いてあります。でも、改めて基本が難しくて、できてる人は少ないんだって感じます。だから高評価。

    この本自体ものすごく読みやすくて、作文講座として説得力あるところも高評価。4章構成でそれぞれ「1時間目」とかで題されていて、実際4時間で読めた。

    この本は私がアルバイトで勤めている中学校の課題図書となっていて、生徒に「先生も読みなさい(笑)」と言われて読みました。この本をチョイスした国語科の先生はGood Jobだと思います。

    最近学校では読書活動がきちんと取られるようになりました。私の頃にもこのような環境が整えられていたら良かったのになぁと勤めていて心から思います。

    この本は井上ひさしさんがボランティアで宮城県の一関市でおこなった「作文教室」の講義内容がそのまま本になったモノです。
    井上さんの文学者としての日本語の知識がたくさん詰まっていて、作文以外の知識も豊富に学べる一冊。だから読んでいて面白いんだろうな。

    日本の国語教育に関する井上さんの考えも聞けて良かったです。

  • 本作は、本年4月9日に亡くなられた井上ひさしさんが、中学3年生の時に一時期を過ごした岩手県一関に対する恩返し(正確には「恩送り」※)に行なった作文教室の記録。

    「むずかしいことをやさしく、
     やさしいことをふかく、
     ふかいことをおもしろく、
     おもしろいことをまじめに、
     まじめなことをゆかいに、
     そしてゆかいなことはあくまでゆかいに。」

    を信条とする著者が、誰が読んでも分かるように書くための極意を、作文教室の参加者から提出された作文の添削を交えながら、具体的に書かれていて素晴らしい内容です。

    原稿用紙の使い方、題のつけ方、段落の区切り方といった作文の作法、「自分にしか書けないことを、誰にでもわかる文章で書く」、あるいは、読み手の記憶に働きかける「長期記憶」を利用するといった作文の秘訣に留まらず、税金の考え方、日本人の「公」に対する意識、戦争に対する考え方、演劇に対する想いなどが遺憾なく書かれており、言葉を味方に日本社会の課題に取り組まんとする人にとって、学ぶところの多い作品と思います。

    ※恩送り…誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ること。恩の送られた人がさらに別の人に渡すことを通じて、「恩」が世の中をぐるぐる回ることを示す江戸時代に使われた言葉。

  • 「作文教室」でのやりとりが書かれている。さすが言葉を伝えるプロといった場面が多く、首を縦に振りながら読んでいた。なかでも、参加者が書いた作文への添削にはただただ脱帽。
    井上ひさしの言葉と参加者の文章が読める本。

  • 「自分にしか書けないことを、だれが読んでもわかるように書く」

  • こんな授業こんな先生そしてこんな仲間たちだったら、もう少し文章というものに興味を持ち勉学に勤しむだろうか?答えは否だと思う。

    それでも毎日使う日本語、人前で一人歩きさせても恥じないような様で自分からは発したい送り出したい、ささやかな願望があるのだろうか。

    そんなことを考えながら、読み始めた一冊。「文の秘訣は自分にしか書けない事を、誰でもわかる文章で書く」井上先生の最初の授業テーマです。

    随所に先生の息吹を感じるられ、指導添削する文章にもユーモアたっぷりの解説ありで楽しみながら日本語を学べた一冊です。

  • 井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室

    字引はとにかく自分のそばに置いておく。辞書なしに「俺は文章を書くお」というのは車がないのに「運転するぞ」とほとんど同じことですね。「私は大変な料理人よ」といいながら、実は包丁を一本も持っていないのと同じぐらいひどいことです。pp44

    大事なことをもう一つ言うと、「一言で言ったら、どうなる」と考えることです。あらゆることを、そう言う風に考える癖をつけてください. pp48

    さて、 文章は「いきなり確信から入る」ことが大事なんです。短期記憶のキャパシティに合うように文章を書かないといけませんね。pp49

    すぐれた文章書きは、なるべく千切ったものを、相手に次々に提供していく。pp59

    自分を指す人称代名詞は、ほとんどの場合、全部、削ったほうがいいんです。 pp63

    主語と述語をかんがえて、主語は消えないか、考えながら、単純なものを積み重ねていく。pp72

    文章が複雑になって長くなるときは、必ず先触れの福祉を使うこと。うまく使うと、とても効果的です。かならずしも、けっして、ちとも、たいして、さぞ、どうぞ、pp121

    この「を」は、材料というより、出来あがったものを必ず指すきまりになっているんですね。 だから「水を沸かす」ではなく、「湯を沸かす」pp122

    接続詞は使い過ぎてはいけません。とくに「-が、-」には気をつけること。
    文章を書く上で、これは注意しなければならない・です。「理屈をこねる」のにつかわれてしまう。pp142

    「何とかなので、こうだ」という「理屈を連れてくる」接続詞というのは、下手に使うと苦労するだけです。敬遠したほうがいい。あんまり理屈をこねると、にっちもさっちも行かなくなりますので、使ってもいいのですが、使うときは要注意です。pp143

    ものを書いていて文章が活き活きして自分でも面白いな、というのは、周到に計算して書いているうちに、自分にも予想もつかないような展開になる時です。pp146

    わかりきったことを考え、わかりきったことを書く、これくらいつらいことはないんですが、意外なもの、邪魔なものも、ちゃんと準備しておかないと出てきてくれないんです。文章を書くには、言葉に対する異様な注意力が必要です。そのぐらい難しいことであり、しんどいことでもあります。pp148

  • 出張のお供。
    彼の本は(恥ずかしながら)初めて読んだのだけども、読みやすくて、すらすら読めてしまった。
    小説の技法を学ぶというよりかは、日本語全体の作り方を学ぶような感じ?

    「僕」「私」を乱発しない。書くときはテンポを考えて、等。学ぶことは多かった。

  • 自分にしか分からないことを、分かりやすい文章にするにはどうしたらいいか。
    「文章」教室ではなく、「作文」教室と銘打ったのはその基本を学ぶためだとのことだった。
    たしかに、それができることがどれだけ大変なことか。

    そのために、原稿用紙の使い方、助詞・助動詞の使い方、辞書との付き合い方など、具体的な方法も示されていた。
    段落の分け方は…これはいいと思う作家の段落分けを研究しなさい、とのことだった。
    段落についてはちょっとはもう少し聞きたかったけれど。

    「むずかしいことをやさしく」の文章は、こういった基礎の上に成り立っているんだろう。

  •  井上ひさしの「作文講座」。一関での講演を本にしたもの。文章の書き方は参考になる。
     2時間目の日本語の言語についての講演は、眉唾が多くて残念。

  • ・自分がいま一番悩んでいることを書く。
    ・自分を研究して自分がいちばん大事に思っていること、辛いと思っていること、嬉しいと思っていることを書く。
    ・一番大事なことは、自分にしか書けないことを誰にでもわかる文章で書くこと。
    ・自分にしか書けないことを書くとは、自分に集中すること。
    ・自分を徹底的に研究する、「自己本位」が小説の基本。
    ・読み手のことを考えて書くことが、実は誰にもわかるように書くこと。
    ・書いたら終わりではない。読み手の胸に届いた時、自分の書いた文章は目的を達成し、そこで文章は終わる。
    ・短期記憶のキャパシティーに合うように文章を書く。
    ・優れた文章書きは、なるべく小さく千切ったものを、相手に次々提供していく。
    ・みなさんだいたい下書きを書く。そうすると、だいたい前の方はいらない。
    ・いきなり核心から入ることが大事。
    ・自分をさす人称代名詞は、ほとんどの場合削った方がよい。
    ・文章が複雑になって長くなるときは、必ず先触れの副詞を使うこと。「かならずしも」「けっして」「ちっとも」「たいして」は否定で結ばれる副詞。
    ・接続詞を使いすぎてはならない。「ので」「ために」「から」「ことにより」理屈を連れてくる言葉は接続詞。理屈をこねるといいことを言った気になる。
    ・「~が、~」は使わなくていい。全然つながっていないのにつながっているように見える。「今日は雨だが、部屋で弁当を食べた」でもなんとなくつながる。けれど、読み手の短期記憶のキャパシティーが混乱する。
    ・「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」が文章で大切なこと。
    ・まず、ものをよく見る。その見たものを、そのまま書く。
    ・「は」と「が」の違い。知らないものが初めて出てきたときには「が」を使う。読者が既知のものには「は」を使う。「象は鼻が長い」。「みなさんよくご存じの象という動物について言えば、鼻が長い」。

  •  原稿用紙をどう使うか、題の付け方など、文学の大家井上ひさしによる作文教室。
     作文の秘訣は自分しか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くこと。読み手のことを考えることが大事。字引を自分のそばに置いておく。
     下書きをしてみる。そうすると、だいたい前の方はいらない。いきなり核心から入ることが大事。「国境を越えると雪国だった」は、トンネルに入って、しばらく走ってみるとトンネルを抜けた。すると雪国だったでは、恐らく時代を超えて残らなかっただろうと。
     また、日本語の特徴にも言及している。彼が言った、彼女が言った、という英語にあるような文章は必要ない。日本語には、性別があるのだ。観察する、要約する、報告するといった文章をたくさん書くことが大事だ。人に分かり易く伝える文章は、単純なものを確り積上げていった結果でもある。
     文章を大切にしようと思える一冊。国語、文章に愛を感じる良書。

  • おもしろかった。
    最後の作文の添削のところをもっと読みたい。

  • 今まで読んだ「文章の書き方」でこんなに具体的なのは初めて。技術的な面もそうだが「表現の意味」が伝わるからだ。「国語の時間」と双璧をなす国語教師必読本。

  • 大阪で事務所の引っ越しをしていたときに、話に上がって読んでみた一冊。文章というか、話が飛ぶと言われることの多い自分には参考になることばかりな一冊でした。書き物をするときの初歩にあたる基本的なルールや原則と、使い方に気をつけたい言葉とか注意点が添削のような形で書かれているのでとても読んでいてわかりやすいと思いました。

  • とおってもためになる作文教室です。

    ものすごい親切な目次が立てられていて、それを読むだけでこの教室のエッセンスは入っているので、時間のない方はそこを「立ち読み」されることをオススメします。

    作文教室である以上、宿題がでます。「自分が今いちばん悩んでいること」を400字詰め原稿用紙で書いてください、とのことでした。

    この教室のエッセンスを自分のものにするためには、やっぱり自分も書いてみないとダメだ、と思い書いてみました。以下の文章がそれです。


    叔父の入院
    くま
    叔父が入院した。但し、3階から2階に部屋を移しただけではあるが。老健施設の入所者から肺炎患者へと立場を変えたのである。
    叔父夫婦に子どもはいない。親戚付き合いもほとんどない。結果、近所に住んでいた呆けてしまった叔母の甥である私が、夫婦揃っての入所の説得から、入院の手続きまで総てをすることになってしまったのである。ーそこまでは良かった。
    入院の連絡に続いて、担当医師という人から電話が掛かってきた。
    「実はいつ急変してもおかしくはない状態なのです。ところで、終末医療はどこまでされますか?」
    認知症の叔母に判断能力がないことは分かっていた。私が決めなくてはならない。
    脳死状態のまま、身体だけは生かすのか?
    意識が戻りそうにないのに、死ぬのを遅らせるのか?
    それとも、早々に安楽死させるのか?
    ‥‥人は突然にこういう哲学上の大問題を突きつけられる。
    叔父は幸いにも持ち直した。しばらく猶予期間が与えられた。


    文字数は488字。原稿用紙一枚に収めるためには、相当削らないといけないのだが、力不足を告白せざるを得ない。

    題名は果たしてこれで良かったのか、「読んでみようかな」という題名になっているのか。段落や句読点の打ち方も自信がない。「短期記憶のキャパシティに合うように文章を書」いただろうか。文章に接着剤は出来るだけ使わないようにしました。「但し、」「それとも、」は仕方ありませんでした。「1番最初は核心から入る」ために少し構成を工夫したのですが、なんかダメ出しされそうな気もしています。あゝこの段落長すぎ。すみません。

    「いちばん大事なことは、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くこと」ホントにそうです。まだまだです。

    2013年9月22日読了

    これを書いたあとで、また叔父が入院した。実はまた最終医療のアンケートを書いた。私は「一度だけ延命治療を試したあとは、何もしない」ことを選んだ。10日の早朝「息が止まりそうです」という電話がかかってきた。一週間前に十分話もできたので、まったく油断していた。行くと、既に息も止まって心臓も動いてなかった。叔母を今際の際に間に合わすこともできなかった。

    悔いが残るのは仕方ない。と、思う。

  • 「自分にしか書けないことを誰にでもわかる文章で書く」

  • 「自分にしか書けない話を、誰にでも分かる文章で書く。」

  • 「自分にしか書けないことを誰にでもわかる文章で書く」のは難しいです。
    日本語の使い方もわかります。

  • 文章を書いてみようかな、って思える本。

  • 「言葉で自分の考えや気持ちを相手に伝える」
    誰もが日常的に行っている行為です。

    だけど、そのことについて立ち止まって考えてみたことは、
    そういわれるとないかもしれない。

    書いたものが相手に理解されるとはどういうことなのか?
    改行は?主語は?「は」と「が」の違いは?
    井上ひさしさんの語りが柔らかくて、すいすい読めます。

    言葉って、人間の基本だと思う。
    言語学をかじった者としても興味深かったです。

  • 作文が嫌いになる前にこういう授業を受けたかった。

  • わたしの作文のバイブル。
    脚本よりまずはたんなる作文の書き方を学べるみたいです。

  • 文章を書く上での基本的かつ具体的な話が書いてある。文はスッキリ、シンプルに書くのが大切。

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井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)の作品紹介

まず原稿用紙の使い方、題のつけ方、段落の区切り方、そして中身は自分の一番言いたいことをあくまで具体的に-。活字離れと言われて久しい昨今ですが、実は創作教室、自費出版は大盛況、e‐メールの交換はもう年代を問いません。日本人は物を書くのが好きなんですね。自分にしか書けないことを、誰が読んでも分かるように書くための極意を、文章の達人が伝授します。

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