家族八景 (新潮文庫)

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著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (1975年3月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171012

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家族八景 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ひとの心が読めてしまう少女・七瀬は自らの力を知り、試すためにもお手伝いを職として様々な家で住み込みながら働いていた。
    その中の8軒の人々のエピソードをまとめた1冊。

    元々ドラマを昔に観て、とても好きだったので手に取った本。
    ドラマはかなり原作に忠実だったんだな〜。
    人の心が読めてしまう七瀬にとって、住み込みで働くというのは興味深い反面とてもリスキーで、読みながら自分だったら?を常に頭の片隅に置いていた。恐らくもっと人をけしかけたり、コントロールしようとしてしまうだろうなあ。
    最後の亡母渇仰のラストが壮絶すぎて、もし自分なら狂ってしまいそう。

    生活の中で、相手の気持ちが分かればなあと思うことはままあれど、人の心が読めるのは幸せなのかね、不幸せなのかね。

  • 七瀬ふたたびを先に読んでしまい、七瀬シリーズの存在を知って興味を持ったので読んでみました。

    時系列的には、七瀬ふたたびの前の話みたいです。
    内容は、七瀬が家政婦として様々な事情を抱えた家々を転々とする…という様な話なのですが、ふたたびの時みたいなハラハラする展開は少なく、只々人間の心の闇の部分をクローズアップしたような話ばかりでした。

    それでも人の心の闇ばかり見てるわけじゃなくて、オチが微妙にスッキリしたり、驚くような展開も多く、人の心の闇についての話が好きな私には、読んでいて飽きなかったです。笑

  • 人の心が読めたなら、便利だろうなぁと思うのは普通の人だからか。始めてこの話を読んだとき、「幸せにはなれないんだなぁ」と思って七瀬がいじらしかった。まぁきっとここがヒロインとしての『落とし所』であり当時の私はまんまと『落ちた』事に大人になってから判った。

  • 中学生のとき初めて読んだ文庫の小説だったことを思い出した。
    小説を気持ち悪いと思い、それ以来小説を読まないきっかけを与えてくれた。
    今思えば刺激が強すぎる面白さだったため、
    本能的に何かの危険を察知して敬遠したのかもしれない。

  • 10代後半から30を迎える手前までの10年余の間に読んだ文庫本を、少しずつ読み返すことに。スタートは筒井康隆。当時読んだきり、はなれてしまっていたので新鮮です。

    ちょうど一年ほどまえ、NHKで「七瀬ふたたび」がドラマ化されたのを観ました。その時に、この「家族八景」から始まる‘七瀬三部作’のことを思い出し、もう一度読みたいなと思っていたのですが、古い本は全て、実家の納屋の中。最近の帰省で掘り起こして少し整理し、段ボール3箱分、現在の住まいに送り返して、再読リレーを開始…

    と、すっかり前置きが長くなりました。本題の「家族八景」。人の考えを丸ごと読む超能力を持つ少女・七瀬が主人公。一所に長く居続けると、自分の特異な力を露呈する危険が大きくなると恐れる彼女は、職場を転々としても不思議に思われないという理由で、家政婦となっている。雇われた家庭内に渦巻く意識下の愛憎が、七瀬の‘第三の目’によってあぶりだされる。

    これはこんなに恐ろしい話だったか?目に見えない人の心を覗くということだけでもかなりスリリング。さらに怖いのは、七瀬が自分を守るために力を駆使したときの結末。ほんの‘いたずら’的な仕掛けで、巻き込まれる人々の人生を大きく変貌させてしまう…怖い怖いと思いながら、もっと覗き見したいという好奇心で読み進め、8つの家庭を巡る禁断の旅を終えました。

    自分の特殊な力を確実に強めながら、力を隠して生き延びるためのしたたかさ、余りにも醜い現実にのみこまれまいとする抗い、常人じゃないことで感じる孤独…いろんな‘意識’との闘いあるいは共存の道を求めていく七瀬。この先彼女はどんな人生を歩むんだろう?気になる。読み終わったときに、心に残る七瀬の存在感は絶大です。

  • 人の心が読める能力があるからといって、どんな場面でもうまく立ち回れるわけではなく、醜い感情をリアルに見せつけられてしまったり、知らないほうが幸せだった事実を知ってしまって苦しんだり、主人公・七瀬の苦労は尽きない。
    七瀬が無事にピンチを切り抜けられるか、どきどきしながら8編を読み終えた。

  • テレパスの能力で他人の心の中が
    見えてしまう七瀬が、
    お手伝いさんとして
    様々な家庭の内部を覗き見る話。

    テレパス能力があったら便利だなぁ
    なんて思っていたが、
    七瀬の身に降りかかる
    人間の汚い内なる心を
    これでもかと見せつけられると、
    超能力なんて持ってなくて
    良かったと安堵した。

    8編全ての家庭で、
    七瀬は幸せな女中生活を
    送ることが出来なかったが、
    それでも筒井さんの紡ぎ出すストーリーは
    時にコミカルで、
    きちんと読者の溜飲を下げてくれ、
    時間を忘れて読み耽った。

  • 大昔に読んだことがあるのか無いのか記憶が定かでないので初読状態と言って差し支えなし。
    住み込みお手伝いとかフロイト的設定とか確かに時代を感じさせるものはありますが、当方の生まれ年より前の作品とは正直思えない。今でも十分に読めます。
    結局七瀬が一番の悪人って気がする、心を覗かれる登場人物はやはり小市民でしょ。主人公を傍観者的立場に設定して良い意味で上手く誤魔化しているが、結構毒ありますよ。
    ちょっと筒井康隆に立ち戻ろうかな?

  • めちゃくちゃ面白かった。他人の心が読める主人公の話であるが、「他人の心が読める」という仕掛けが上手に仕掛けてある短編集であった。「他人の心が読める」というだけで、こんなにも面白いオチが作れるものかと感心したほどだ。

    また、主人公は家政婦なのであるが、この設定も面白かった。家政婦であることで、心の読める主人公が様々な家庭を渡り歩くことができるし、また色んな形の「温かい家庭」を片っ端からぶっ潰していくことができるからだ。そして実際そうで、私の家庭が不安になったほど、真に迫っていて、とても面白かった。

    検索してみると、なるほど何度も映像化されており、筒井康隆の代表作でもあるようだ。そら面白いはずである。

  • かなり久しぶりの筒井康隆さん作品。僕が21、2歳の時に読んだ「ロートレック荘殺人事件」以来になるかな。作品は昭和47年に発表されたみたいで、表現とか時代の古臭さを感じるが、内容的は今の時代でも問題なく読める。 物語は七瀬という人の心が読める18歳の女性が、8人の家族に女中として家族と関わる様々な夫婦関係、親子関係の家族にまつわるブラックな話。 読みづらい表現など幾つかあったが割と楽しめた。 ドラマがあれば面白いだろうと、ググってみたら直近では2012年にTBSで放送されてたみたいですね。是非見てみたい。

  • 筆者自身で「家庭」と「テレパシー」という縛りを附し多彩な表現を試みた筒井氏の作家としての才能と遊び心が伺える。本文もさることながら各章の題名に筒井氏のセンスが光る。

    火野七瀬というキャッチーなモチーフを置きつつも、描かれるプロットと心理描写は巧みで深潭だ。傍目からは順風満帆な家族の、危うくも絶妙なバランスで保たれる情景をテレパシーというフィルターを通して筆致する。とある瞬間に崩壊する脆さの描写の一つひとつが快闊そうで繊細で計算された構成となっている。

    「住み込みの家政婦」という設定を除けば40年近く前の作品とは思えない洗練された輝きを放つ良作である。

  • 人の汚い部分が詰め込まれてる内容でした。
    こういった話大好きです。

    個人的には最後の話が一番好みでした!
    私は絶対欲しくない能力だな~

  • 時をかける少女しか知らないけど
    名前はもちろん知ってる作家さん
    学生時代にキライだった教師が推していたので
    ぜってー読まねーと敬遠していた本を
    安さにつられて買ってみた

    文字がでかいのでさくっと読める
    結構古い作品なのでちょっと今とズレてるところもあるけど
    「青春讃歌」は今もこういう風潮があるので非常にヨカッタ
    あーでも、今はG.G世代をいかに攻略するかの時代でもあるから
    やっぱり違うといえば違うかなー
    いやいややっぱり書いてあることはスゴクよくわかる

    この1篇だけで星3つにする
    あとのはそんなに好みのお話ではなかったです

  • 七瀬の能力が羨ましいと思う反面、恐ろしくも感じ、自分に人の心が読める能力が備わっても、七瀬ほど精神的に強くないから、すぐに発狂してしまうんだろうな。七瀬の何もかも悟ったクールなところが魅力的。

  • 今更ながら時をかける少女を読み、筒井作品を読みふけってみたくなって購入。
    七瀬は男性、少年で学園SFものだと思っていたのでだと思っていたので、お手伝いさんという設定にややショック。
    そして七瀬の思考の鬱々さに4作目あたりで飽きた。

  • わたし筒井康隆大大大大大好きなんです。数少ない未読作ということで、わくわくしながら読んだ。にも関わらず結果は★2つとなり、驚きかつ残念……。

    主人公七瀬も含めて、登場人物全員が心底ゲスで、読んでいてうんざりした。筒井康隆キャラは、黒い中にもユーモアがあるところが好きなのに、ユーモアが感じられず。うーーーむ。

  • 人間って、怖っ。

    40年前の作品と思えない面白さ。

  • 筒井康隆さんは天才!
    読者は従うのみ
    以上…
    2013 1

  • 火田七瀬。テレパスの能力を持つ家事手伝いの少女。
    それぞれの家族にまつわるお話。
    水蜜桃と紅蓮菩薩に圧倒される。二編の最後に鳥肌が立った。
    恐ろしいし、人間の嫌な面ばかり見るはめになるけれどどこか物悲しくもあって、ページを捲る手が止まらなかった。

  • ドロドロしてる。

  • ドラマ視聴後読み始めました。

    全体的に救いがない話ばかりですが、
    それもまた魅力的。
    主人公の性格もすごく良かったです。
    ただ全体的に主軸は同じなので
    少し飽きるかもしれません。

    「亡母渇仰」のラストのシーンは
    期待通り好物でした。
    あれを読ませるための本だと思いました。

  • 幸か不幸か、生まれつき人の心が読めてしまうテレパス、火田七瀬18歳。
    お手伝いさんとしてたくさんの家を転々と渡り歩く彼女が抉り出した「家庭」の虚偽と醜悪さ。。。タイトルの「家族」という言葉から予想したヌクモリティは皆無の仕上がりになっております。

    「家政婦は見た」エスパー美少女編。実写化するなら市原のえっちゃんでなく、堀北のまきちゃんにでも演じてもらいたいところ。「家政婦のミタ」もヒットしたところだし。

    と思ったらすでに何度かドラマ化されているらしい。

    「ザ・筒井康隆」、シニカルでブラックです。。。
    もうね、出てくる家族がことごとく酷い!

    多分同じ題材でも本多孝好さんならきっと繊細で傷つきやすい性格の七瀬を描くだろうなぁ。筒井さんの七瀬はクールな鉄火面タイプ。

    「七瀬ふたたび」や「エディプスの恋人」でもこの七瀬ちゃんが活躍しているそうで。機会があれば読んでみよう。

    またしてもRADWIMPS「最大公約数」の「パパとママが 心だけは隠して生んでくれたのにはそれなりの理由があった」を思い出し・・・。ちょっとくらいは相手の気持ちに敏感でありたい気もしますが。

    大先輩でもある筒井氏には今後とも頑張って執筆していただきたい。

  • 人間の叡智を超えた次元、科学と迷信の中間、知性の山と恐怖の谷のあわいの住人。七瀬の存在というのはそういったものかもしれない。人々の垂れ流すだけの猜疑心と欲望を、一人客観的に観ている彼女の存在にはぞっとすることもある。私の隣にいる彼女もそうかもしれない。その恐怖を読みながら感じるも、自身の中の独り言には歯止めが利かない。ただ、それを客観的に見つめている自分に気が付くことが出来た点においては、この作品は大きな価値がある。

  • 七瀬ふたたびシリーズ。
    何度もドラマ化されている作品だしやっぱ面白い。
    テレパス、サイコキネシス、タイムスリップ、予知とか、いろんな種類の超能力者が出てくるとこがいい。
    確かに心が読めるのは知りたくないことも知ってしまうし、思想と行動がバラバラの人だと偽善的に感じたり、不信になって、人に関わるのが嫌になるかも。

  • 人の心が読める家政婦の七瀬ちゃん18歳が、いく先々の家庭の話。
    どこの家族もドロドロしてる。後味悪いはなしも多い。
    人の心が読める事による苦しみや辛さもあるようだけど、七瀬ちゃんもなかなかの毒をもっている所が面白い。
    ちょっと引っ掻き回してやろうかしら?どうなるか実験してみよう。とか言って、人の恋路を操ってみたり、浮気をばらしたりする。
    かわいい。

    内容的にはそんなに面白くなかった。短編みたいで読みやすいけど、ただ後味が悪いという救いのなさがちょっと合わなかった。

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