- Amazon.co.jp ・本 (627ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101171029
感想・レビュー・書評
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BSフジ「原宿ブックカフェ」のコーナー「ブックサロン」で登場。
http://harajukubookcafe.com/archives/888
ゲスト松尾スズキさんの人生を変えた一冊。
「人生を変えたな〜なんていう本はなかなかないんですけど(笑)無理やりひねり出しました。すごくブラックユーモアに溢れてて、中学生の時に読んだんですけど、すごく頭に残っていて、僕はもともと漫画少年で赤塚不二夫先生のマンガが好きだったのでブラックなギャグとかシュールなギャグとかナンセンスなギャグに態勢がついてたんですね、筒井さんはそれをもっと文学的に昇華させているというか、それで夢中になっちゃったんですよね。この本でキャラへのこだわりがすごく頭に残っていますね。」(松尾スズキさん)
原宿ブックカフェ公式サイト
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接待担当課長の収賄、企業の養子社長の苦悩と蒸発(懐かしい。今なら失踪か)などに端を発した俗物的評論家を集めた梁山泊プロダクションを核として、当時のマスコミや急進的女性団体、世相に対する風刺を効かせたドタバタ劇を堪能した。亭主の失踪を追って妻が、俗悪評論家の犯罪行為の疑いを抱いて刑事が、吸い込まれるように梁山泊ビル内に囚われてからの籠城戦が本書の見せ場だ。456から463ページの街頭インタビューは、著者の痛烈なマスコミ・世論批判でもあり壮絶。享介の最期の回想シーンは演劇出身の著者らしい。
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風巻機工で営業課長を務める雷門享介は、平松礼子を相手に、取引先の会社にお歳暮を贈るときの心得を説いていました。やがて二人の距離が接近し、オフィス内で不倫行為にいたってしまいますが、社内のさまざまなところに仕掛けられた盗聴装置によって二人の行為が社長にバレてしまい、礼子は馘首になってしまいます。
その後、仕事にかまけて家庭のことを顧みない享介は、息子の豪介に殴られたのを機に、家を出て礼子とともに暮らすことになります。ところが、礼子の兄で出版社を経営している平松景吉が、享介の話をもとに『おくりもの入門』という本を礼子に書かせて、この本がベストセラーとなります。さらに景吉は、享介にも接待の評論家として本を執筆することをすすめます。
その後、享介と礼子の暮らすマンション「梁山泊」には、吐瀉物鑑定家や横領の評論家、のぞきの専門家など、さまざまな評論家たちが集まることになり、享介をはじめこれらの評論家たちがマスコミで活躍し、多くの反響を呼び起こします。同時に彼らに対する反発も高まり、警察、さらには自衛隊が出動する騒動にまで発展していきます。
シュールな設定のなかに、現代文明に対する批評的なまなざしが見られる作品なのですが、あまりにもきたなすぎて食欲が減退してしまう場面もありました。しかし、これが筒井康隆という作家なのでしょう。 -
内容(「BOOK」データベースより)
評論家だけの風変りな“梁山泊”プロダクション出現―盗聴、横領、出歯亀、放火などタブーとされる芸ばかりに秀でている彼ら俗物センセイは、一躍、マスコミの寵児にのし上がる。しかし、彼らの奔放な活躍ぶりは、次第に世間の良識という怪物の反撃に合い、両者の壮烈な戦いが開始された…。人間の隠された悪への欲望と破壊衝動を、豊かなパロディ精神と言葉の遊びで描き出す長編小説。 -
ドタバタでグロテスクで、読んでいる最中何度か吐き気がした…けど面白かった!エリート意識や選民意識が強くいっぱしの批判を口にする評論家、体面ばかり気にする警察、センセーショナルであればそれでいいメディアと、それを何の考えもなしに面白がるだけの大衆など、あらゆる方面に向けて皮肉がききまくっていて痛快。ブラックユーモアに顔をしかめたり笑ったりしながらも、自分が作中に描かれている大衆とどこが違うのか、もしかすると一緒じゃないだろうかと考えてしまう。
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いやぁスゴイ。始めはそれなりにまともな人から、嫌悪感を伴う人になり、しまいには犯罪者が集まって梁山泊か。度量が広すぎる。ラストは連合赤軍事件のパロディか。多分事件直後だったと思うのでよく書けたと思う。寛容な時代だったのかな。本作品より5年後くらいに刊行された、井上ひさしの某小説に質感が似ていると思った。(こちらもスゴイ)
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嫌いじゃない。
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前半面白いんだけどだんだんお腹いっぱいになる。
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色んな評論家が居すぎて凄いなと。
痰壺評論家と皮膚病評論家はキツかった…あと、反吐評論家も…。
2013.07/13 読了。