七瀬ふたたび (新潮文庫)

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著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (1978年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171074

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七瀬ふたたび (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 七瀬3部作といわれるが、それぞれ趣きは違う。結構、超能力を前面に押し出して戦う。映像より、小説の方が好き。

  • 三部作の真ん中だけを読むという、なかなかしない事をしました。

  • 僕らの世代とって、眉村卓、光瀬龍、筒井康隆の3巨匠は、SFの面白さを教えてくれた恩人だ。その中でも僕が最も好きだったのは筒井康隆だった。
    「七瀬ふたたび」を読んだ時の衝撃は今でも忘れられない。当時、中学生の僕は本の中の七瀬に憧れて、夢中になって読み進めていった。なのに、あのラスト・・・呆然とした。本を片手に悔し泣きした。納得がいかなかった。世の中の不条理に初めて出会った気がして、何故こんな形で物語が終わるのか理解できなかったのだ。
    今、思えば、中学生の僕は七瀬のおかげで少し大人になったのだった。

  • 前作『家族八景』での七瀬の行動原理は、「自分の身を守る」ということでした。七瀬は決して善人ではなく、他人を犠牲にすることをいとわない残酷さや冷徹さを持った人物として描かれていました。ただ、「自分のため」という極めてシンプルな理由がその裏にあったからこそ、七瀬の行動は決して非難するような類いのものではなく、地獄のような家庭のしがらみの中を生き抜くための当然の姿勢として受け止めることができました。

    しかし、今作の七瀬の行動原理は「ノリオを守る」ということです。七瀬はノリオのために行動しています。前作なら考えられなかったような向こう見ずな行動(自分たちの身を危険にさらして見ず知らずの他人を助けるなど)や通奏低音のように流れる使命感も、ノリオがいなければ七瀬の心に生まれなかったでしょう。

    前作の七瀬のシニカルで理知的な生き方が好きな僕としては、今回の七瀬にはどうしても違和感を感じてしまいます。七瀬の理性がそのまま彼女の行動につながっているのならばよいのですが、そうではなく、ノリオという存在が七瀬の行動に大きく影響しているからです。

    七瀬を変えるきっかけとなった重要な人物であるノリオの、キャラクターとしての肉付けがそもそも弱い気がします。ただ単に七瀬に無茶な行動をさせるための装置のような印象です。ノリオの存在に説得力がないため、七瀬の行動からも説得力が感じられません。

    前作とは完全に異なるジャンルの物語であり、人物描写の機微よりもストーリー展開自体が重要な作品であるということは分かっているのですが、それでも「もう少しノリオが魅力的だったら、もう少し七瀬が理性的だったら…」と思わずにはいられません。

  • 前作の「家族八景」を読んだのが三年前でしたので、その影響もあるかと思いますが、読んでいる途中ぐらいから「あれ、こんな作風だったっけ」と戸惑いを覚えることに。確かに七瀬が読み取る人の心が生々しく、時にグロテスクなところは前作と同じ印象だったのですが…
    ひとつは他の超能力者が出現するなどして、小説自体が「俗物化したなぁ」と感じたこと、もうひとつは七瀬が人情味に溢れたキャラになっていたこと。これは同胞に出会ったため、七瀬の達観した冷たい心が溶解したとみるのが正しいとは思いますが、個人的には前作の七瀬の方がなんだか生き生きしていた印象が強く、だからこそ、本書の七瀬は与えられた役割をこなすお人形さんみたいに感じました。そしてこの印象は、続編の「エディプスの恋人」で確固たるものになってしまうことに…

    とはいえ、超能力を駆使して難題に立ち向かう展開は、緊迫感があり、興奮しながら読み進めることができました。最後が切ない形で終わるのもグッド。

  • あっという間に読んだ。
    七瀬と超能力を持たないものとの戦いに続いて行くのには驚いた。
    なんというか、展開がすごい。へってなる。

    機会ができたら他も読もう。

  • 初めて読んだのは30年以上前、でも色褪せない。
    超能力者たちの孤独感がリアルで切ない。筒井康隆自身が
    超能力者なのではないか、とすら思える。

  • 最後七瀬がどうなるのかとにかく分からなくて、駆けるように読んだ

  • 超能力者の苦悩の日々を綴った前作から一転、急にバトルものに変わった2作目。
    超能力者仲間が現れ七瀬が『独り』から救われるのかと思ったら…!
    後半に行くにつれてなんのテコ入れがあったのかと思うほどの路線の変更具合だが、そのスピード感は一番映像化されているだけのことはある。
    ただ、決着が曖昧に終わってしまっていることは残念でならない。

  • 七瀬シリーズではこの本が一番好き。

  • 読み終わってから気づきましたが、これってシリーズの2作目だったんですね!
    今度、映画がやるらしいと聞いたので気になり手に取ってみました。
    やっぱり1作目を読まないと、全体の雰囲気が読みとりづらいですね…。
    ということで、前作を読んでみます。

  • 「家族八景」を読んだこともあり、再読。
    七瀬シリーズは本作を一番最初に読み、数年の期間を空けて「家族八景」を読み、そしてまた再び本作を読んだ。
    最初に読んだとき以上に、七瀬に感情移入することが出来たわけで、前作と比べてもかなり毛色が異なり、作者筒井氏の才能をより感じることが出来た。

  • 「家族八景」の続編。
    打って変わって、展開が早くて面白かった。
    ただ、敵の素性がイマイチわからないのがもやもやする。

  • 突然始まる殿堂入りシリーズ。
    記念すべき第一回は、筒井康隆の『七瀬ふたたび』。

    テレパスを操る美女、七瀬を取り巻く
    SFファンタジー物語。

    単なるファンタジーを超えて、
    人間社会の病理を炙り出した社会派小説。
    異能への拒絶、差別、排他。そのとき彼らは、何を見るのか。

    未来予知青年の最期は、
    俺が生涯読んできた決して少なくない
    小説の中でも、1、2を争う屈指の名シーン。

    1年に1回は読む超名作。
    殿堂入りに認定させていただきます。

  • 超人類と人類の対決。
    前半は七瀬チーム有利に事が運ぶ雰囲気だったけれど、徐々に追いつめられ、行き場を失っていく。
    普通で無い人は普通の人たちと共存できないのか。少数は多数に踏みにじられる運命なのか。
    生き残りをかけて、様々な能力者が集まり、力を合わせていく。

    七瀬に寄り添い、七瀬の視点で語られるので、その時々の彼女の気持ちや感情が場を支配する。
    予想していた内容とは少し違って、全体を包む気配が暗くて切迫感がある。暗殺者が登場することで、緊張はさらに高まり、悲鳴に近い叫びに変わっていく。

    筒井さんはここでも前半脚をためて、後半一気に加速、最後はあれよあれよと言う間に追い込んでくる差し馬タイプでした。風呂敷がどんどん広がって、ナナちゃんが完全に復讐鬼のようになっていく。最後は一気読みですわ。
    なんとなく締め方に唐突感もあるけれど、ある程度予測された悲劇。
    ただし、なぜ彼女たちが狙われるのか、その理由が分からないままなのはなぜなんだ?

    テーマは重いけれど、ストーリーはSF活劇のパターンだったのが少し意外でした。なんだか筒井さんらしく無い感じ。

  • やっぱり筒井さんはいい。

    今まで小説をあまり読んだことが
    なかったけど、
    筒井さんのおかげでいろんな
    作家さんの作品も読みたいと
    思ううようになった。

    最近はブックオフを見つけたら
    セールコーナーで
    筒井作品を捜すのを
    きまりごとにしていて、楽しい。

    七瀬ふたたびは
    「 家族八景」の世界観がとても
    気に入っていた私的には
    ちょっと物足りなさも感じたけど、
    エンターテイメント作品として
    とても素直に楽しめた。

    今までは
    「 癒してもらう」か
    「 感心させてもらう」か
    「 勉強させてもらうか」ために
    本を読んでいたんだけど、
    もっと読書って気軽に読んで楽しめばいいんだな〜と思った。

    何にしろ、優れた作品は
    なにかどこかで感じるものを
    与えてくれるのだし、それで十分。

    もっと読書を楽しもう。

  • 人間観察に終始していた「家族百景」から一転、第二部にあたる本作はどちらかというとアクション系。(特殊能力を持つ)仲間との出会い、逃避行、敵対する組織との全面対決、とテンポよく話は進んでいく。主人公・七瀬は同じなのに、ある意味全く違うテイストの作品(しかも、さらにエンタメ度アップ)に仕上げてくるところが凄い。

  • 七瀬三部作の中では一番面白かった。

  • 古き良き時代を感じさせる夜汽車の風景から書き起こされた本巻。前巻では出会えなかった超能力者に出会えた壮大な「旅」だった。仲間になった超能力者と北海道へ逃避行する七瀬に、これまでの好色な男たちの危険に加え、別の超能力者や闇の組織の危機が迫ってくる。「七瀬 時をのぼる」で出会った時間旅行者・藤子と共に時間遡行した場面に感じた違和感が、結末の悲劇につながった時の得心とやるせなさ。解説は、三部作を家庭ー国家ー神に位置付けていたが、話の広がり方のすごさを感じた。

  • 人は本能的に自分たちと違う異質なものを怖れる。
    理解して受け入れるよりも、多くの場合は存在を拒否して排除する方向へと流れがちだ。
    作品に登場する他の超能力者たちもまた、七瀬と同じように能力をひた隠しにして生きている。
    ありのままの自分を見せることは、七瀬たちにとっては恐怖でしかない。
    孤独に、ただひたすら目立たないように気を配りながら生きていく以外に方法がなかったから。
    七瀬たちは何故生まれてきたのか?
    能力にはいったい何の意味があるのか?
    きっと意味があるに違いない・・・と七瀬たちは思いたい。
    だが、超能力者たちを抹殺しようとする人間が現れ、七瀬たちは窮地に陥る。
    超能力者を主人公にした作品は多い。
    ドラマですぐに思い浮かぶのは「NIGTH HEAD」だ。
    兄・直人はサイコキネシスの能力を持ち、弟・直也はリーディング能力を持つ。
    超能力者であることを隠し、社会に背を向けるように生きている。
    過酷な運命に弄ばれるように、彼らは徐々にその能力を進化させていった。
    「魔法少女まどか☆マギカ」も記憶に新しい。
    超能力とはまた違った能力ではあるけれど、登場人物のひとりである暁美ほむらは「時間操作」の能力を持っている。
    友人・まどかを救うためにほむらは何度も何度も「時間操作」を操り、同じ時間を繰り返す。
    「七瀬ふたたび」の藤子はほむらと同じような能力を持っていた。
    ただ、ほむらには「時間操作」をすることにためらいはないが、藤子は時間旅行することの弊害を考えている・・・。
    芦名星主演の「七瀬ふたたび」は小説とは別のラストが用意されていた。
    作品が書かれた時代と現在では、たぶん超能力者に対する認識にも大きな差があるためではないかと思う。

  • 【未読者へ】
    三部中二作目の本作だが一作目、家族八景から入らずとも読める作品
    SFを下敷きに現代(1970年代)におけるブラックな家族事情を筒井康隆節で読ませた前作と大幅に路線変更
    シリアス中編SFを期待の方はこちらから読むことをオススメする

  • 今度はエスパー同士の戦い。それぞれのエスパーの能力を説明する理屈が楽しかった。

  • 面白かったが、家族八景が面白すぎたためか少し色あせて見える。

    本作は様々な超能力者が出てきて、問題を解決しつつ悪い組織と戦う話である。家族八景のような物語ではなく、ファンタジーに近い話だ。

    七瀬は一層可愛く描かれているし、ストーリー自体もハラハラしながら読むことができるが、前作から期待していた面白みとは違うものだった。

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