- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101171074
感想・レビュー・書評
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特殊な能力を持った者が普通の人達と相容れなく駆逐されていくという、ある意味ステレオタイプなファンタジーなのだけど、筒井康隆の世界線は整ってる。
筒井康隆を読んでいると、この作家の脳みそはデジタルなんだなと感じる事がよくある。知識がとても綺麗に整理されてる。
ひょっとしたら脳に生成AIのチップでも埋め込まれてるんじゃないか?それで時空を遡って来たんじゃないか?なんてね。
ラベンダー香る? それは違うか詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
筒井康隆らしいSF。テレパスと未来予知とサイキック。読み終えた後に三部作の第三作と知りちょっと愕然。
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テレパシーで正体を暴き、人間が怖い事をヒタヒタ伝える前作『家族八景』とは根本的に属性が異なり、こちらは異能者を前面に押し出したいわゆる完全なSF作品。
映像化出来そうなドラスティックな展開だが、テレパシーを舞台装置として文学的に消化した前作が好みの自分としては、今作はどうしてもノリ切れなかった。 -
20年以上ぶりで再読。『家族八景』とはまた違ったアクティブな作品。『家族八景』でも思ったけれど、文学的エロ表現が筒井康隆ならではという感じ。ラストは七瀬も思えば遠くまで来ちゃったなあと思ったかもしれない。このあとどう続ける?
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「七瀬シリーズ」の第2弾。
汽車のなかで七瀬は、自分とおなじテレパシーの能力をもつ3歳の少年・ノリオと出会います。さらにおなじ汽車に、予知能力の持ち主である岩淵恒夫が乗りあわせており、彼の心を通じて七瀬は、この先起きる事故によって、自分たち三人をのぞく乗客たちが死んでしまうことを知ります。
その後も、念動力の持ち主で七瀬を崇拝するヘンリー、タイム・トラベルの能力をもつ漁藤子などの異能使いたちが現われ、七瀬は彼らと協力し、能力を悪用する者たちとの戦いをくりひろげるなどの活躍を見せます。しかしやがて、七瀬のような異能使いを抹殺する組織が彼女たちにせまり、七瀬と仲間たちはしだいに追いつめられていくことになります。
前作では、お手伝いとして家庭に入り、善良な市民の仮面をかぶって生きている人びとの心の奥底を暴露してきた七瀬でしたが、今作ではその美貌が強調されるなど、ヒロイン的な位置づけがあたえられています。またストーリーの面でも、「解説」の平岡正明が「逆ホームドラマ」と形容した前作とは異なり、今回はSF的な異能を駆使した駆け引きとアクションが中心の作風になっています。 -
超能力者は普通人から迫害される。国家的組織からの迫害追求の中で、道南大沼付近の山荘にテレパス・テレシネす・タイムトリップ・未来予知などの能力を持ったものが集まるが、抹殺されていく。
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自分たちと違う、異端者は、排除していく
迷惑かけないように、ただひっそり生きているだけなのに
七瀬には、少ないけど、仲間ができました
自分と同じ、苦しみを抱える、能力者たち
ぼくは、となりに、七瀬が住んでいたら、やっぱり受け入れることができないのだろうか
受け入れることはできなくても、お互い、干渉せす、暮らせたらいいのに、と思いました
自分と違う人の苦しみを想像して、暮らせたらいいのに、と思うことも偽善なのかな
でも、それが偽善なのだとしたら、偽善は本当に駄目なのかな、とそんなことを思いました
七瀬3部作の中で、1番共鳴した、作品です