七瀬ふたたび (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.68
  • (306)
  • (493)
  • (657)
  • (55)
  • (11)
本棚登録 : 4089
感想 : 388
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171074

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 七瀬は列車の中で二人の精神感応者(テレパス)と出逢います。
    ひとりは3歳の男の子で読唇術を持ったノリオ。ノリオは継母に連れられて虐待されています。
    もう一人は予知能力者の青年岩淵恒夫。恒夫とはあまりよい出逢いではなかったけれど、最後に再登場したところでは泣けました。

    列車事故から救ったノリオ(継母は事故死)と七瀬はアパートで一緒に暮らしはじめます。

    そしてまた、七瀬が働く高級バーのバーテンで黒人のヘンリーは念動力があります。

    ヘンリー、ノリオと隠れ家を探しに船旅をしている時に漁(すなどり)藤子という時間旅行者(タイムトラベラー)とも出逢います。

    そして超能力者抹殺集団である、刑事を装った集団と一揆打ちをすることになりますが…。

    実らなかった初恋。
    失った仲間。
    七瀬はこれから一人でどこへ行くのか。

    テレパス同士の対決シーンは読みごたえがありました。

    超能力者は同胞のいるところでない限り、たとえそこが故郷であったとしてもやはり異邦人なのだーというテレパスの定めが哀しかったです。

    • アールグレイさん
      まことさん、こんにちは(^_^)/

      コメントをありがとうございました。
      是非とも本の紹介を!
      実は、ブックリストにもあるのですが、お正月に...
      まことさん、こんにちは(^_^)/

      コメントをありがとうございました。
      是非とも本の紹介を!
      実は、ブックリストにもあるのですが、お正月に弟に買わせた3冊、ということで原田マハさんの本が2冊手元にあります。以前フォロワーさんに影響を受けてからずっと、いつか読もうと思っていた、総理の夫。映画でありましたが、キャストが気に入らないのです。極力、TVの宣伝から目を背けていました。
      この本と家族八景、まことさんのレビューを読んで興味を持ちました。これも読みたい。
      でも、お薦め本をよろしくお願い致します。
      (‐_‐)>>
      2022/03/01
    • まことさん
      ゆうママさん。

      ゆうママさんのレビューの方に返信させていただきました。
      マハさんの世界どうぞ楽しまれてくださいね!
      ゆうママさん。

      ゆうママさんのレビューの方に返信させていただきました。
      マハさんの世界どうぞ楽しまれてくださいね!
      2022/03/01
    • タロさん
      七瀬は、今まで読んだ小説の中でも、大好きで印象深い、孤高の女性の登場人物です
      いちばん好きな能力者は、佐倉魔美です笑
      どうでもいいコメントで...
      七瀬は、今まで読んだ小説の中でも、大好きで印象深い、孤高の女性の登場人物です
      いちばん好きな能力者は、佐倉魔美です笑
      どうでもいいコメントですみません汗
      2023/07/27
  • 火田七瀬は宮部みゆきのクロスファイア青木淳子を彷彿とさせる。超能力者の寂寥感漂う内容で、ラストは大逆転勝ちを願いましたが、残念ながら淳子と同じ結果になってしまう。七瀬に対するえげつない警察官の攻撃は恐怖でありホラーでした。読友さんの感想で、「エディプスの恋人」は七瀬シリーズ三部作のラストのようで、七瀬は生きていたのかが気になる。後で確認しよう。全体を通して、40年経っても色褪せず、性描写のドキドキ感を堪能できた。私にとって七瀬のパーソナリティは女性主人公の中で確実にベスト3に入る大好きキャラです。

  • テレパス七瀬シリーズ第二弾。
    超能力者は七瀬だけではなかった。短編を追うごとに次々と増えていく、超能力者たち。彼らは敵?それとも味方なのか?

    家政婦として働き、孤独な超能力者として描かれた七瀬だったが、今作ではすでに別の仕事を転々としながら、身をやつしながら生活する。相変わらず、人の心が読めてしまうがために、のらりくらりと危機をかわしながら過ごす。

    しかし残念なことに、世の中には、超能力をよく思っていない人達もいて、中盤から、能力者と、非能力者の戦いが始まる。

    前作の日常風景から少し離れて、物語の規模が大きくなった気がします。パプリカとはまた違うテイストの世界観に、筒井康隆さんの才能、特に心理描写が色鮮やかで、書く上で非常に参考になりました。

    三部作と言われておりますが、いったいこの話、どう続くのでしょうか。そんな不思議な読後感でした。

  • 僕らの世代とって、眉村卓、光瀬龍、筒井康隆の3巨匠は、SFの面白さを教えてくれた恩人だ。その中でも僕が最も好きだったのは筒井康隆だった。
    「七瀬ふたたび」を読んだ時の衝撃は今でも忘れられない。当時、中学生の僕は本の中の七瀬に憧れて、夢中になって読み進めていった。なのに、あのラスト・・・呆然とした。本を片手に悔し泣きした。納得がいかなかった。世の中の不条理に初めて出会った気がして、何故こんな形で物語が終わるのか理解できなかったのだ。
    今、思えば、中学生の僕は七瀬のおかげで少し大人になったのだった。

  • 人の心を読むことができる七瀬さんを主人公にした小説。『家族八景』に続く二作目にあたる。前作では孤独な超能力者だった七瀬さんは、同じような能力を持った人たちに出会う。
    仲間はできたが、敵がいることもわかる。超能力者の根絶を目指す組織があるようだ。仲間との安住の地は、戦場へと変わっていく。
    ひやぁー こんな終わり方をしてしまうのか。
    さっそく、三作目である『エディプスの恋人』を読み始めることとする。

  • 七瀬3部作。
    高校生の時に読んで、忘れられない作品。
    大人になって読んでもやっぱり面白かった。
    こういうのは本当にすごい。

  • 面白かった。







    最後悲しかった。
    異質なるものはいつの世も排除される運命にあるのかなぁ

  • 2018年1月1日読了。読心能力者(テレパス)の七瀬が出会った能力者たち、だが超量力者の存在を認めない「組織」により彼らは追い詰められ…。「七瀬三部作」の2作目。何度もドラマ・映画化された作品というが、40年前の作品とは思えないスリリングさと切なさにグッとくる。超能力者たちの「誰かの役に立ちたい」という一途な思いの強さ、そういう思いは能力のない凡人でも同じだよなあ…人間は孤独では生きられないもんだよなあ…とも思う。終盤は「超能力バトル」というには一方的すぎる展開だが、いかに多元宇宙が存在しようと、こうなるしかない結末だろう。とはいえ3作目がないと著者も読者も納得できなかったのはよくわかるし、この結末では第3話はああいう話になるしかなかった、ということもよくわかる。映像版も見てみたいもの。

  • あっという間に読んだ。
    七瀬と超能力を持たないものとの戦いに続いて行くのには驚いた。
    なんというか、展開がすごい。へってなる。

    機会ができたら他も読もう。

  • 初めて読んだのは30年以上前、でも色褪せない。
    超能力者たちの孤独感がリアルで切ない。筒井康隆自身が
    超能力者なのではないか、とすら思える。

著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

筒井康隆の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×