エディプスの恋人 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171135

感想・レビュー・書評

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  • ふう。これはちょっとやばかったね。読んだことによって一つ諦めたものがある程に、おもしろかったよ!

    【第328回てるぞう賞 長編部門受賞】

  • 読み終えた率直な感想は「著者は七瀬になんか恨みでもあんのか!?」…七瀬が不憫すぎて怒りすら覚えるほどに…笑 だって、前作の悲しい物語の記憶を消されて、神が近親相姦するための駒に使われて、挙句の果てには、これからもお人形としてがんばりますエンドですからねぇ…これは酷い扱いですよ。

    しかし、このアクロバットで強引な物語の閉じ方が嫌いかといわれると、「筒井康隆ならば許す」となってしまうのが恐ろしいところ笑

  • 最終巻ですがこれでおしまいなのが残念だ。
     やっぱり筒井さんよかったわぁ。作品全般にわたっての「ある」ということの「あり方」への問いかけが、ワタシの思っているあり方と似ているように思います。3部作の最終巻ですがこれでおしまいなのが残念です。
     「七瀬ふたたび」を読み終えたときに職場の同僚から3部作であることを教えてもらい、すぐさま第一作「家族八景」とこの文庫を古書店で購入しました。「ふたたび」で死んでしまった(のではなかったかな?)七瀬がどんなふうに登場するのかという不安はありましたが、その疑問も本作のラストで明らかになります。人間にとっての「ある」ということの相対さ加減がじんじんと感じられる作品でした。

  • 題名の通り、テーマはとても神話的。ミステリー、ラブストーリー的な展開に乗せられて読み進めていくうち、七瀬が突きつけられたのは自分の存在意義というめちゃくちゃ哲学的な問題。

    フロイト、海辺のカフカ、スターオーシャン3などなど、いろいろなものを連想させるのは、根本にあるのがとても普遍的な問題を扱っているからなのか。もしくは、自分の興味、思想にどストライクではまっただけなのか。

    最初に『家族八景』を読み始めたときには、まさかこんな展開になるとは誰も思わなかっただろう。ひとつひとつは全く違う舞台で描かれている物語を、“七瀬”という一人の女性を通して作品化したことにも深い意味があるのかも。

    三部作通して、ホップ、ステップ、ジャンプ!という感じで、久々にハイスピードな読書体験。

  • 七瀬三部作の最後の作品。
    『エディプスの恋人』って、何だろう。それから、前作を読んだ方なら真っ先に浮かぶ根本的な疑問。読んでいくうちに湧いてくる「じゃああの人は…」「そういえばあの事はどうなった…」という疑問。それらがラストに、壮大なスケールで、それにスピード、重さ、勢いを持ってなだれ込んできました。
    三冊の中で一番すらすら読めたと思います。これまた地に足付かない感じで終わるのが良い。これでこそ!

  • 再読
    何度目かの再読。七瀬シリーズ三部作の完結編。
    前作の最後を知る読者にとって、少し不思議な始まり方ではあるが、その謎の答えは後半に明かされ、七瀬という存在の希少性が明らかになる。
    三部作を通じて物語が大きな拡がりを見せ、作者の伝えたいメッセージが読後感として私たちに贈られる。続編を読みたい気もするが、この物語はこれで完結が正しい。
    何度も読みたくなる名作。

  • 七瀬シリーズの完結偏。主人公、七瀬のキャラクター設定以外、世界観が変わるこのシリーズの最後にエディプス・コンプレックスかぁ~、ユング持って来たかぁ~。ラストは「ですよねぇ~」。 昔に読んだときには頭の悪い私は解釈できなかった。今読んでみると「自分(筆者)が作り出したキャラクターを溺愛しちゃダメじゃんっ!」と感じてはみたが だからユングかと納得。筒井さんはすごいです。

  • 七瀬シリーズ三作目。
    人間臭さ→バトル→神
    という感じでシリーズが進む。
    一番最初が一番好みだった。

    何というか壮大だった。
    一作目は七瀬も人間らしくて
    好きだったが、
    どんどん人間味が無くなって。
    でも一字一句もれなく読みたくなるのは
    この作家さんが好きだからだ。

    シリーズ全部超能力で通してほしかったな。

  • 2作目の結末はどこにいってしまったのか、パラレルワールド?と思った時点で作者の思惑に乗せられてしまったのかもしれない。
    七瀬と一緒に『彼』と『彼女』の秘密)探りながら、最後に明かされた事実にしてやられた。

    あと解説に笑ってしまった。
    開庫厳禁…!

  • 「純と愛」を観ていてなんだか「家族八景」を思い出しそういえば3部作の最後のあれって読んだっけと思って手に取ったが既読でした。というもののあんまり覚えていなかった。そりゃだいぶ前に読んだんだもんねぇ。

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著者プロフィール

小説家

「2017年 『現代作家アーカイヴ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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