旅のラゴス (新潮文庫)

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著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (1994年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171319

旅のラゴス (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 評価は4。(図書館)

    内容(BOOKデーターベース)
    北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。

    ファンタジーかな?
    いつも真剣でいつも真っ直ぐなラゴスの生涯を描いた作品。
    常に頑張り、そして何ごとにも執着しないラゴス人生は見習わないと・・・と思えた。淡々と進む人生の時間の最後は結ばれなかった淡い初恋・・・

  • こんな素晴らしい物語が、自分が生まれるよりも前の作品とは…。
    小さい頃から転勤族である親の都合で引っ越しが多く、就職してからも他の人より異動が多いと感じる自分とラゴスが重なりました。
    前向きに生きることの大切さ、パワーを感じました。

  • 文明が滅び原始へ戻った世界を北へ南へ旅するラゴス。二度も奴隷に売られたり、王国の王になったり、消え去った人類の叡智を知るため15年読書し続けたり、と、紆余曲折と波乱の旅の過程は彼の生の軌跡そのもの。人生は旅というけれど、死が定まった有限の存在である人間は、どこへ行こうとその過程は目的もなく完結することのない旅路。自分にラゴスのような冒険は無理だと思う一方で、彼のようにどこか遠くへ、と思わずにはいられない。ロマンを刺激された小説だった。

  • 産業も何もない町がコーヒーの栽培の成功ひとつで国に発展し、そこから貧富の差が生じ、外敵が訪れ戦う必要が生じてくるところが印象深い。何もなければ平和であったのに。人はどこに進んでいくのだろう。

  • 独特の世界観に引き込まれてあっという間に読み切った。
    非科学的な能力や文明の過ぎ去った遠い未来などを扱う物語は他にも多くあり、本作もそうした設定ならではの奇譚が随所に出てくるが、その中の一人称の主人公ラゴスの考え方や行動は決して英雄的にも超人的にもならず、ストーリーのほぼ全体を通じて都会人的な落ち着きを失わない。だからこそ自分もラゴスに深く感情移入をし、ラゴスの旅の体験に没入させられてしまった。異世界はこの物語の目的ではなく、人生は旅に似るという普遍的なテーマを際立たせるための仕掛けに過ぎないように思う。それが本作を他の類似の設定の物語から際立たせている。

  • とても良かったです。読み手の想像力の豊かさによって物語の世界が広がる。言葉の使い方がうまく、描写の素っ気なさが読み手を一気に想像の世界に引っ張り込む。10代の時、筒井氏のショートショートを読んでから違和感を感じ避けていただけに嬉しい発見ができました。嬉しい敗北感なので今度は追っかけて読んでみたくなりました。

  • 旅の目的は何なのか。旅自体が目的なのか。
    面白かった、とてつもなく面白かったが面白かったとしか言語化できない自分に呆れながらも面白かった。

  • 面白かった。まず文章に無駄な描写がなくて読みやすく情景がイメージしやすかった。飽きずに最後まで一気に読めた。波乱万丈な旅をする主人公の冷静で忍耐強く知的な所に好感が持てた。あとがきの未来から過去に来たのと事実上同じ設定というのは納得。大人の少年マンガ。

    「人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれでいい筈だ。」

  • 見聞。自らの五感で世界を知ること。自らの足で動き続けること。書物から知識、糧を得ること。多くの人と出会い自分を知っていくこと。旅は人間の醍醐味だ。

  • 突如として高度な文明を失った代わりに、人類が不思議な能力を獲得し始めた時代に、旅を続けるラゴスという男の物語。ラゴスが訪れる場所での壮絶な出来事や恋愛模様が面白い。

  • まあ、気楽に楽しく読めた。
    そこまで評価が高いのがよく分からんけど。

  • 読書を通し知識をつけていく上で、ラゴスの本の読み方を参考にしたいと思った。

  • パプリカに続いて筒井さんの作品2作目。
     池袋の天狼院書店で購入し、少し読み進められた。

    絵本的な世界観かと思ったけどSFに分類されるらしい。SFにありがちな凝った設定はあるものの、読みやすい。短編ごとの繋がりで一話一話区切られていて、その話ごとのテーマも汲み取りやすくなっていながら、根幹にラゴスの旅という太い筋が通っている。旅というのは奇妙な価値観や異世界へ飛び込むことが必須なので、ラゴスと同じ目線で楽しむことができる。

    冷静な彼の知見は、まるで現代人がトリップしたように錯覚させるから、同調しやすくしてくれる。旅の中、失敗や恐怖を味わいながら、それでも強かに目的の地である南を目指す。
     それにしてもモテすぎじゃないですかラゴスさん。頭も良くて機転が利いて現地妻ごろごろいるってどんなラノベだよってつっこみながら、それなりに堅い文章なのでさくさくと読める。星新一さんみたいなほんの少しの奇妙さをアクセントに、読者は彼の旅と人生を見守ることが出来るだろう。

     ちょっとした現実逃避にお勧めできる。これに絵でもつけたら絵本にもできそうなファンタジックな設定は、少しの毒々しさをもちながら(転移に失敗すると爆発するとかいうリスク)、堅苦しくなりすぎずかといって軽くなりすぎない、心地好い読書体験を与えてくれた。
     

  • お勧めの本ということで読んだが、これは非常に面白い。
    SFになるのだろうが、物語は主人公ラゴスの旅する世界観を、読者が知っている程で次から次へと展開していく。
    しかし、だからと言って読者が置いてけぼりになることはなく、むしろテンポの良い進み具合に気持ち良さを覚えたほどだ。
    最後の展開が名残り惜しさを感じさせる。

  • 初めての筒井康隆。旅小説の中にSF要素が散りばめてある。読みやすい。

  • 一言で言うと、大人向けのファンタジー小説。世界観が夢の中みたい。
    しかしこのドライさすごい。一行で「そのまま7年が過ぎた」と片付けちゃう。

  • ロマンを感じる作品。
    「ラゴスの旅」ではなく、「旅のラゴス」。
    旅=ラゴスであり、ラゴスは旅でできている。

    旅ではいろいろな文化、価値観に出会い、人の人生と交流をする。ラゴスは様々な場所、時代に、様々な人生を生きる。

    人生の途中になんどか結婚、子供をもち、その場所での確固たる位を得るが、そのようなものに安住することを嫌い、新たな本質的な価値を求めて、リスクをおそれず、安住の地を後に旅に出る。

    この物語は神話に似ている。
    ラゴスはロゴスに語感がにている。ロゴスはキリスト教ではキリストを表し、ヨハネ福音書の有名な始まり文句「初めに言葉ありき」の言葉だという。

  • 筒井康隆の小説を初めて読みました。30年ほど前に書かれたSFとは思えないような斬新な作品だと感じました。読みながら自分もラゴスと一緒に旅をしている感覚になり面白いなと思いました。また。ラゴスの旅が自分にとっての心の旅、人生の旅という実際の旅とは別の次元で、自分の足で一歩ずつ前に進む旅なのかもしれないと思ってしまいました。

  • 過去の知識、書物を求めて旅を続けるラゴス。途中、奴隷になったり結婚したり、王様になったり、紆余曲折ありながらも、生まれ故郷に帰り、学んだことをそのじだいに合うよう教え、町の発展を支える。最終的には、初恋の人の面影を求めて、旅に出て、北の森へと迷い込む。不思議な話。

  • 失われた文明、また発展していく文明。SF要素も交えながら、それでも現実味を帯びて感じられるのは、主人公ラゴスをはじめとした登場人物の誠実さ・素朴さに因るものだと思う。旅人は一カ所に留まることをしない渡り鳥のようなもので、彼を留めようとする者や、また再会した者の気持ちに自然とリンクしてしまう。もう一度読みたい一冊。

  • 北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。<裏表紙>

  • 文明が失われ、
    荒廃した世界を延々と旅するラゴス。
    彼が様々な土地で、過酷な目に遭ったり、
    色々な文化と人生に出会う様を、
    少し不思議なSFを交えて描いている。

    連作短編でどの話もそれぞれの
    味があって素晴らしかった。
    ラゴスに降りかかる苦難に
    心を締め付けられ、
    また彼が平穏な生活を送る時には
    こちらも安心して読み進める。
    正にラゴスと一体になって
    世界を冒険出来る物語だった。

    どのようなラストを迎えるのか
    楽しみで読み進めると、
    これ以上ない素敵な結び方をしていた。
    傑作ですなぁ。

  • ラゴスが目的のために旅をして人々と出会い、
    男性女性を問わず慕われ、愛され、別れ、
    目的を達して帰り着いた故郷で、
    これまでも求め続け、最後に求めるものに気づき。

    ラゴス自身が、周りの人物も、分かりやすく嫌味がなく
    悪党でさえ人柄が好ましく純朴だったり
    薄汚い悪や欲はあっても、原始世界に戻った世界の
    のどかさや、それが失われていく寂しさが
    旅と時の流れに感じられる。
    そして、なにより
    物語のヒロイン、少女が女性にそして老婆になろうとも
    心の中では変わらぬ/変わり続ける夢想のまま
    (思い出したり、思いささなかったりはあるものの)
    それが根底に流れ続けるので、冒険ものにも思えるが
    たまらなくロマンチックな恋愛ものとも読める。

  • ラゴスモテモテ
    旅をしたくなる
    学問のために生きる

    人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思う事に可能な限りの時間を充てさえすれば良い筈だ。

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