ロートレック荘事件 (新潮文庫)

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著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (1995年1月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171333

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ロートレック荘事件 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 裏表紙にあるようにメタミステリー。
    うーん、これは書かない方が断然良い!
    だってトリックを書いている様な物だから。

    昔所有していた別荘が人手に渡り、縁合って招待を受けるところから話は始まる。
    ところどころ挿入されているカラーのロートレックの作品は読む上で重要なのかと思いきや、特になし。
    これが勿体なかったな。
    登場人物を表しているんだろうけど、それが直接事件には関係なくて。
    先入観を上手く使って、最後はびっくり!
    なんだろうけど、メタミステリーと書いているのでそうさぐって読んでしまう。。。
    だけど、充分楽しめた。
    犯人の告白部分で作者筒井さんがトリックの種明かしをするところ、お茶目だと思った。
    くどいと言う人もいるようだけれど、筒井さんらしいかなと。

  • 「だ、騙されたーーー!!!」と読み終わって心の中で絶叫してしまいました。いえ、いい意味で、です。そして、誰かに「いいからとにかく読んでみて!」て、言いたくなりました。

    もうちょっと説明するなら、うまく言えませんが、何というか、綿密に選び抜いた言葉でしか成り立たない、一歩選び間違ったら破綻して三流に陥ってしまうある意味難しい物を、うまくきっちり作りきったなあ、と脱帽する、これぞ、小説でしかできない醍醐味、という作品でした。

    ラストの細かすぎる作者註てんこ盛りによるタネあかしと、ロートレックの作品群もすごく好きです。
    …この散りばめられた作品群は、暗喩的な意味は勿論あるだろうけど、読み手の注意を無意識に核心からそらすための作用も担ってるよなあ…多分。
    読み終わってから気がつくことが多すぎて、また一から読み直して確かめなきゃ、という気になります。

  • 破天荒なSFからスタートして後年には文学を目指した筒井康隆。そのこと自体には毀誉褒貶があるけれど、この本については彼の文章技巧が冴え渡り、最後に爽やかな読後感を残す。伏線は様々に張られている。しかし気づかない。人の思い込みを上手に活用して、我々を手玉に取っているのだ。

    避暑地の別荘に新進気鋭の画家を巡って三人の令嬢の思惑が交錯し・・・という舞台設定はアガサ・クリスティ以来のミステリーの伝統を踏まえており、時代設定が1990年前後でありながら古色蒼然としたやりとりが展開されるあたりも何かのオマージュか、と楽しめる。そこに虚飾や劣情といった毒が回ってきてこその筒井文学なのだが、その辺も次第に明らかになってくる。

    加えて、背景小道具の一つに過ぎないにもかかわらず、ロートレックの絵をふんだんにあしらう贅沢さには当時の筒井康隆の人気が偲ばれる。断筆宣言なんてする必要あったのか、と思い起こしても詮方ないのだけど。

  • 綺麗に騙された!爽快だ。情報をシャットアウトして素直に読んだ甲斐があった。
    読み終わってから他レビューを見ると案外評価が低くて驚くが、全編通してこれだけ伏線を散りばめ、全く矛盾なく作られているのは凄いと思う。しかも書かれたのはずいぶん前だ。

    所々で感じた違和感は、自分なりに補完して飲み込みながら読み進めた。作者の意図そのままの読み方だっただろう。おかげで、最後読み返した時に見えてくる第2のストーリーも心から楽しめた。
    名前の呼び方や見取図など、あからさまなヒントも提示されており、手法は充分にフェア。
    途中で挟まれるロートレックの作品が内容に無関係で残念とのレビューも多いようだが、少なくとも「接吻」はこの本に仕掛けられた罠を暗示している。
    短い小説で、一気に読めるのも良い。本当に面白かった。

  • 叙述ミステリーってやつですが、
    本当に良く出来てるなぁ・・・と、感心してしまいました。

    けっこう疑いながら読んでたつもりだったのですが、
    またもや最後に「えっ!???」となっちゃいましたよ(笑)

    途中でひっかかるところ、
    なんとなく違和感を感じる箇所があったのですが、
    後から読み返すとそこが全部伏線なんですよね。
    初読では最後まで気付きませんでした。
    再読すると解るのですが、
    台詞ひとつひとつも細心の注意を払って書かれており、
    その組み立て方は本当に見事!!
    後から読むとなるほど~~~~~・・・です(笑)

    今ではとても有名な作品なのである程度身構えて読みますが、
    そうと知らずに読んだらかなりの衝撃だったでしょうね~。

    これは200ページほどの薄い作品なのですが、
    書き上げるのにものすごく時間がかかったそうです。
    これだけ練り上げればそれはそうだろうと納得します。

    「旅のラゴス」も意外でしたが、
    筒井さんはこういう本もお書きになるんですねぇ。
    今更ですが他の作品も読んでみたいと思います(笑)

  • 完全にミスリードされ続けたままラストを迎えてしまって驚くよりも先に「は???」となってしまった。よくよく落ち着いてどういうことだったか考えるとすさまじい作品……

  • トリックは巧妙というよりは狡猾。だが、全ての謎を明らかにする仕掛けは、大胆かつシンプルで感心させられる。共感できたというとおかしいが、犯行動機も久々に良い。違和感と読みにくさを感じながら読み進めなければいけないのが少し難点か。

  • 確実に再読を決めたのですヽ(〃Д〃)ノお勧めしてくれたお友達人´∀`).☆.。.:*ありがとうですよ!11
    確実に注意深く読んでいたつもりだったのですけど、全然甘かったああああああああヽ(〃Д〃)ノ

  • 何を書いてもネタばれになってしまいそうな作品です。フェアかアンフェアかはともかく、本当に驚きました。予備知識なしで読んで欲しい一冊です。

  • この作品はいわゆる叙述トリックを扱っている。
    叙述トリックは種明かしをするまで読者をだまし切れるかが命だと思っているので、仕掛けだした時点で違和感を抱かれてしまうこの作品はお世辞にもうまいとは言えない。
    数多くのミステリーを読んできた人にとっては想定内の結末であり、感心するのは初心者だけだろう。
    また叙述トリックを仕掛けた箇所をいちいち指摘するのは自慢のようでもあったし、だらだら書くよりも余韻を残して終わるべきだったろう。

  • 画家ロートレックを知っていればいるほど騙されやすい作品。
    一人称で語られる主人公の内面が身体的ハンディキャップに起因する女性への恐れと、社会的に成功した画家という強烈なプライドによる女性への積極的な態度を併せ持つという矛盾。普通なら違和感を感じる部分だが、実際のロートレックが身体的ハンデを画家としての成功で乗り越え、多くの女性と浮名を流した事実を知っていると結構すんなり受け入れてしまう。
    しかし実際はただただコンプレックスの塊だったという事実と、自分の未来に灯っていた明かりさえも消していたという結末は、トリックの巧妙さとあわせて結構衝撃的。

  • あちゃー。
    単純な推理小説だと思い、途中もう完璧に推理できた!と思ったが、そうきたか!!
    と驚かされた。
    思わず最初から読み返したくなるような心境(^_^;)

    この手の「小説ならではのトリック」は読後ちょっと狡いじゃん!と思ってしまう(^_^;)

  • どうやって?犯人は誰?動機は?
    それをどう隠して、どう騙している?
    どんなトリック?読み終わってみれば
    物語の中というより、それを構成する枠組み
    登場人物のドラマではなく、筆者と読者の
    知恵比べ、遊びとも思える。
    違和感を覚えながらも読み進み
    一瞬、一言で、それが急速に収束しはじめ
    謎を氷解させて種明かしに移行する。
    確かに事細かな検証は、その直前の快感からすれば
    興覚めの一面もあるけど、犯人が至った境地や
    初めて知り、失ったものなど
    騙しの遊び・技術とは異なる、物語として
    感情に訴えかけ、じっくり味わいたいる部分も
    種明かしのパートにはある、と思う。
    ミステリー謎解きの娯楽・エンターテインメント
    それも正統派ではなく読者への挑戦が
    ほとんどを占めているのだけど、その背景にある
    犯人のこころの動きをページ参照を無視して
    読んでみれば。

  • 『残像に口紅を』に代表されるように、筒井氏は極めて高度な言葉遊びを得意とする。本作品のトリックには賛否両論があるだろうが、非常に筒井氏らしく、筒井氏ならではと言えよう。主点が度々入れ替わる構成や、会話の一つひとつが最後になるほどと思わせる仕掛けである。犯人が判明したあとは純文学のような説明的で、トリック含め本作品をミステリー好きが許容するかの問題はあろうが、筒井氏によるミステリーとしてとても楽しめた作品であった。

  • 読後の感想としては、「ちょっと物足りない」というのが正直なところ。最後の解決編ではひとつひとつの伏線を丁寧に解説してくれているが、少しだらだら感が否めない感じがした。私的には、この伏線回収でこそ、どかーん!と来てほしかったのだが…。

  • 専門でない分野で
    これ程のものを書き上げる
    筒井さんは天才なんだろう。

    ただ、トリックを披露するための
    推理小説より、
    物語としても楽しめる作品の方が好み。
    その点ではあまり楽しめなかった。
    トリックにも早い段階で気付いてしまい
    残念だった。
    加えて、最後の延々と続く
    ネタの解説にはイライラしまくりだった。

  • 違和感を違和感で済まさせる。
    はなから疑ってかかっている読者にそう思わせることができるのは、確かな筆力のなせる技なのでしょう。
    見事にだまされました。あっぱれ。
    やや、トリックありきな所があるので少し読みづらいですが、目の前がぐるんとひっくり返るような困惑と快感は叙述トリックならではで、短めながらもグッと印象に残る作品でした。

  • 叙述トリックなので仕方ないが、トリックが今まで登場していなかった人物が実はいた、というのが納得いかなかった。スカッとしなかった。
    最後のシーンは少し切ない気分に。

  • 最初からなんとなく違和感がありながら、なんとなくスラスラ読めるのでそのまま最後までたどり着いた感じ。最後ちょっとさみしい気持ちになった。

  • 二発の銃声、死んだのは画家との結婚を目論む令嬢。夏の終わり、美しい洋館で起きた悲劇の物語。

    頭から違和感はあって、解決編の前には一応真相に気付けたけどそれにしても丁寧な作り。ちょっと時代を感じる文章だし淡々としているのだけど、チャーミングなところもあって、そして大変悲しかった。文章一つ一つ検証していくのがとっても楽しそうだ。面白かった。単行本で読んだのだけど、ロートレックの絵がカラーで挿入されているのも相まって一つの作品感があって良かった。

  • 最終的には騙されましたが、最初から違和感を感じてました。

  • ロー卜レック荘と呼ばれた別荘に集まった男女。避暑を楽しむつもりだったが、一人の女性が殺害され、次々に美女が殺されていく。内部の犯行なのか、それとも外部?動機は?



    なんというか、完全に騙された。だけど、騙されたー!ってかんじではなく、え?は?となって、犯人が分かったところで、興醒めにも似た騙された感でいっぱいになった。
    確かに、ちゃんと読めばそう書いてある。だけど、納得出来ないというか…
    期待してただけ、ちょっと残念だった。


    2016.1.9 読了

  • メタ!このトリックは!
    やられた!笑

  • 「オレ」が誰なのか、よく分からないまま読み進んでいく。
    そういう手法が面白いんだと思います。が、頭が整理されず、ページを進んだり戻ったりして読むのは、ちとしんどかったです。

  •  ものの見事に騙された。物語のトリックよりも筒井先生の筆のトリックを楽しむ作品。前者に重きを置くタイプの方には反則に思われるかもしれないけれど、私は筒井先生のしてやったり顔の前に喜んでひれ伏したいタイプなので、本当に面白かった。ただ、犯人の動機にまつわる部分はとても切なくてもやもやしてしまった。

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