- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101171357
作品紹介・あらすじ
肝硬変末期、全身が衰弱しつつある窓際会社員の体内で情報細胞の最後の旅が始まった。行く先々で様々な情報を蓄えつつ、めざすは延髄末端の十二番街。臓器という都市の混乱を緊迫した筆致で描く表題作ほか、現実と虚構の融合を語る「瀕死の舞台」。桜の木が切々と陳述する「樹木法廷に立つ」等、SF回帰と熱狂的に迎えられ、"死"をめぐる文学的野心作とも激賞された傑作14編。
感想・レビュー・書評
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随分昔読んだものを再読。やはり良かった。特に巧いなあと感じたのは『九死虫』『あのふたり様子が変』、感覚的に好きなのが『禽獣』『瀕死の舞台』。
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彼の短編集としては「俺に関する噂」の方が
大分好きだ。
とりあえず大槻ケンヂ君の例の話が心に残って
ここでも作品にしてることはわかった。 -
様々な内容の短編集。どの話も面白かった。
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2012.3.4(日)¥73。
2012.3.16(金)。 -
死を直接的若しくは間接的にテーマとした短篇集。
気に入ったのは、「九死虫」、「禽獣」、「最後の伝令」、「ムロジェクに感謝」、「瀕死の舞台」。
「九死虫」と「最後の伝令」はSF臭溢れる設定に引き込まれる。
「禽獣」はこの短篇集の中ではかなり穏やかな内容であるが、動物への愛情を深めてくれ、中でも鶯にいたっては飼いたくなってしまうほど、鶯が可愛くて仕方がなくなる。
「瀕死の舞台」はSFと言えばSFだけれども、現実にもありそうで、しかもグロテスクでない良い死を見せてくれる話で、最後にこの話でしめられるのがなんとも良い心地で終えさせてくれる。 -
「九死虫」「最後の伝令」「十五歳までの名詞による自叙伝」
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やはり短編集は記憶が希薄。また読もう。
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内容は
筒井さんの短編14編。
どれもこれも設定が大好きなのだけど
読んでると暇になってくる話もいつものごとくしばしば。
中でも、
両親を亡くした子が書いた手紙の『北極王』や
樹木が法定の証言台に立つ『樹木 法廷に立つ』や
いじめで飛び降り自殺した少年がウロウロする『二度死んだ少年の記録』
などもおもしろいけれど
特に、
肝硬変で死んでしまう体内の細胞たちの会話『最後の伝令』と
8回生きて9回死ぬ虫による『九死虫』がとても良い。