最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉 (新潮文庫)

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著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (2002年10月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171432

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最後の喫煙者―自選ドタバタ傑作集〈1〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  ドタバタパニック短編集。狂っているし不条理だし何もかも終わっているのに、読む手を止められないのが筒井さんの作品の中毒性。どのお話も筒井さんの果てしない想像力から生まれたとんでもないフィクションであるのに、妙なリアリティーを感じ、現実とのリンクに気付かされることがあるのも、また病み付きになる原因だと思う。なんせ面白かったけれど、これからもこれを笑っていられる世の中であってほしいなぁ。

  •  表題作をオーディオブックで聴いたり、ドラマで観たことがあったので、おもしろそうという期待の元に購入しました。

     この本は9つの短編からなる本で、そのうち「急流」、「問題外科」、「最後の喫煙者」、「平行世界」が朗読作品となっています(自分の知る限りでは)。
     少し話がそれますが、自分はそのうち「問題外科」以外の3つを先にオーディオブックや動画サイトで聴きました。どの朗読も大変良いもので、不思議と何回聴きかえしても飽きが来ません。自分も朗読のまねごとをやろうとするといかに難しいことなのかを実感し、作品世界を鮮やかに表現する技量の高さに驚かされました。「問題外科」はまだ朗読を聴いたことがないので、これをどのように表現するのだろうという関心が非常にあります。
     本が手に取りづらい方は、自分と同じように、興味があれば朗読作品から入るというのもいいかもしれません。

     この本の中で特に印象に残った作品は、朗読作品を除くと「ヤマザキ」と「万延元年のラグビー」でした。

     「ヤマザキ」について。
     本能寺の変で織田信長が亡くなり、その報せが羽柴秀吉の元へ届き、俗に言う「中国大返し」がどのように始まり、明智光秀との「山崎の戦い」へどう繋がったのかというもの。
     これだけ書くと誰もが真面目な時代小説かと思います。実際、途中までは全くもってその様な感じなので、何か読む作品を間違えたかな、とさえ思いました。
     ところが、途中から様子がおかしくなります。電話が出てきます。駅が出てきます。新幹線が出てきます。突然過ぎて読みながら「ええっ!?」と声を出してしまいました。そこからは前半の雰囲気と違い、笑いながら最後まで読みました。説明も何もなく物語はそのまま終わるのですが、後半からの怒涛の展開の馬鹿馬鹿しさのせいか、別にいいかと思えてしまいます。何か完全に「やられた」と思わされた作品でした。

     「万延元年のラグビー」について。
     桜田門で井伊直弼が浪士に遅われ、その首が奪われる。家臣は首がなければ面目が立たず、井伊直弼が亡くなったということも公表できない。そこでその部下に窃盗団を結成させ、首があると思われる場所から奪取させようとするのだが……。
     これも真面目な時代劇かと思われる前半と窃盗団を結成し、いざ盗み出そうとする後半のギャップにやられた作品です。
     窃盗団は何故かラグビーを用いて首を盗み出そうと決行の日までの間鍛錬を積みますが、上手くいかず、結局イギリス人を雇って窃盗団を結成します。いざ盗み出そうとすると相手もなかなかのラグビーの使い手で、上手くいかず首はあられもないことになっていきます。
     正直、ラグビーのことがわからないので用語が出てきても何のことかわからないのですが、それでも笑えてくる作品です。
     最後の「蛇足」と書かれた一連の文章は、映画「マグノリア」の冒頭部分を思い出させてくれました。

  • 煙草を吸える年齢になってるけど肩身の狭さに慰めてもらおうと図書館で借りる。
    表題以外にも老境のターザンや問題外科など、短編集ではあるが一貫して不条理で残酷で狂気的な作品群だ。
    ブラックユーモアとして見られるものだろうけど私はそこが面白いとは思わなかった。そういったトリップじみた物語の中にちょくちょく顔を覗かす非常に人間的な反応の方がよほど生々しく印象だ。
    ラグビーやヤマザキ?あたりの時代劇"風"な作品においても設定をぶち壊す謎さに困惑はしても、登場人物たちはみな愚直にもがき舞台を騒がせている。
    それにしても表題のような時代が到来している現代人かるすると、その先見性の方がよほど謎だ。

  • 品行下劣! ナンセンス! 非倫理的! だけどそれがおもしろいのだ。ほとんどの作品にオチらしいオチはなく、ただワンアイディアだけで短編を書き切る度胸もなかなかのものだが、圧倒的な文章センス(リズム感、言葉の選び方)によってそんな物語を最後まで楽しく読ませる手腕がやっぱりすごいよツツイさん。いろいろな雑誌に掲載されたものの寄せ集めなので、もうすこし時間をかけて煮詰めればもっと良いものになっただろうなぁと思う作品も多い。個人的にはやはり「問題外科」がスバラチイ。

  • 9話の短編集。問題外科はグロ満載で老境のターザンは残酷。だがこれこそ筒井ワールドと言うべきか。タイトルの最後の喫煙者もこういうオチは面白いと思ったし全体的にまあまあかな。

  • とにかく人が死ぬ短編小説です。
    死ぬんだけどユーモアセンスが半端ないから、不謹慎にも笑ってしまう。
    そんな一冊です。

    世にも奇妙な物語のような不思議な世界観。
    最初の二話くらいまで慣れなくて、ただ怖かったのですが、一番笑えたのは童貞君の話「喪失の日」です。
    童貞あるあるな感じが面白い。

    生首でラグビーとか、もうなんでもありな作品です。
    どんな時に読めば良いか?
    笑いたい時だと思います。

  • 喫煙者としては、切ない作品。

  • 筒井さんの短編集。
    帯で又吉さんが宣伝していたので、つい買ってしまいました。
    好きな話はやっぱり「最後の喫煙者」
    僕自身も喫煙者の一人なので、肩身の狭さを感じている毎日ですが、ここまで嫌煙社会になったら流石にやめます笑

  • こんなにも気色の悪いユーモアに富んでいるだなんて思ってもみなかった。
    問題外科については非常に過激で、スプラッターを受け付けない自分には苦悶であったが、印象に残る短編という意味では大変優れているのだろう。

  • 星新一の短編に比べ、よりブラックではちゃめちゃすぎたw
    急流、平行世界、最後の喫煙者が好み!時間の流れが徐々に速くなるとか、喫煙者を撲滅しようとかそんな発想も面白いが、オチもしっかりしているものが多く読み応えがある。この人は先見の明というか、他人に見えていないものが見えているんだろうなって思う。(喫煙者で溢れかえっている時代にこんな話普通は思いつかないのでは?)
    まー想像力があるってことなんかなぁ…

  • ありそうでない、シュールとはこのことかというような小説だった。ただ現代には似たようなものが溢れているから、発刊された当時に読みたかったというのが正直なところ。

  • 今読むとちょっと笑えなくなりつつある「最後の喫煙者」。そんな私は愛煙家。

  • この毒が、けっこう癖になる。
    人間の滑稽さというのかな。
    リアルとユーモア、これだよ。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。健康ファシズムが暴走し、喫煙者が国家的弾圧を受けるようになっても、おれは喫い続ける。地上最後のスモーカーとなった小説家の闘い「最後の喫煙者」。究極のエロ・グロ・ナンセンスが炸裂するスプラッター・コメディ「問題外科」。ツツイ中毒必至の自選爆笑傑作集第一弾。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ブラックブラックユーモアですね。

    私実はあまり筒井作品読んだことないのです。
    日本以外全部沈没は読みました。
    これは最高に面白くて、何か読みたいなぁと思っていた
    のです^^

    で、この本を見つけた時に、「自選傑作集」とあるからには!と期待大で。

    結論から言うと、やっぱりおもしろかった!!
    こう言うのが読みたいと思っていた通りのブラックユーモア。

    短編集ですが星新一さんのショートショートより、ずっとブラックでちょっと気持ち悪いです(笑

    ぐろいのが苦手な人は読まない方が...
    いや私も得意じゃないですけど(。・x・)ゝ

    問題外科とかすごいよ。
    看護婦さんがかわいそう過ぎますがw

    タイトルにもなっている「最後の喫煙者」がやっぱりいちばんおもしろかったかも。
    これは比較的前の作品なんですよね?
    でもまるで現在を予見しているような...
    差別される喫煙者は、いずれ絶滅危惧種になってしまうのでしょうか。

    そうなると私個人は過去に吸っていた現禁煙者なんですけど、むしろ自分堕落したか!?とか思ったり(笑

    いやいや、本当にありそうな未来で、怖い怖い...

  • まさにエロ・グロ・ナンセンスという筒井氏の得意分野。
    どぎついので苦手な人は苦手かと思われます。
    お話作りに自分で規制ラインを引くことは無いのだなあと思うような、型の無さ。表現はフリーダムですが文体は計算されてます。たぶん。

  • 世にも奇妙な物語のかたまり。目の前にいるひとのコミカルなエピソードがあまりにおもしろくてぎゃはははと笑うのはいいけど、ふと我に返るとまったくもって人のことは言えぬ、これはわたしも笑われて然るべき、と背筋がすっと冷たくなるような本。

  • 投げっぱなしジャーマンで最後まで突っ走る筒井SF。
    途中どれだけ読者を楽しませるかをひたすら追求し、最後は話を回収せずに終わる、そんな短編集です。
    一個一個のネタが現代でも通用するため、読んでいて変な気持ちになります。結構グロテスクな描写が多いので苦手な人は注意。

  • うわあ、すごい。奇妙なリアルさというかいやまずありえないことばかりなんだけど、ゾクゾクっと快感にも思える感情が興った。グロテスクでみてられないと本から顔をそらしつつも、結局読んでしまったわたしがいるのって、まあ、そういうことなんだよね。混乱と滑稽と悲惨に満ちた、この地球(『センス以前への飛翔』より抜粋)。ブラックユーモアってこういうこと?

  • こういうのは,どうこう言うものでなく,好きだ.

  • 下ネタ多いけど、笑ってしまう。通勤電車で読むと危険。思わず吹き出して、恥ずかしい思いをする(-_-;)

  • 『問題外科』がグロすぎて気持ち悪くなった。『平行世界』と『万延元年のラグビー』が好き。

  • 好きな話と生理的に受け入れ困難な話と様々だがどの物語もその展開と広がり方には脱帽。最後の喫煙者のどんでん返しは秀逸。

  • 表現が上手い人のグロい小説は本当にきつい。

  • 短編集。不条理なハチャメチャ具合が痛快、そして愉快になる。ただ、問題外科というお話は、人に勧めることはできないなあというぐらいのグロさだった。

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ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。健康ファシズムが暴走し、喫煙者が国家的弾圧を受けるようになっても、おれは喫い続ける。地上最後のスモーカーとなった小説家の闘い「最後の喫煙者」。究極のエロ・グロ・ナンセンスが炸裂するスプラッター・コメディ「問題外科」。ツツイ中毒必至の自選爆笑傑作集第一弾。

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