聖痕 (新潮文庫)

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著者 : 筒井康隆
  • 新潮社 (2015年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101171531

聖痕 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • どうゆう結末になるのか、どんどん読み進めたいのに枕詞やら見た事ない漢字(読み仮名ふって、ページの左に用語の説明までご丁寧にありましたが)がぎっちりで、少しイライラしました。
    巨匠が古今の日本語の贅を尽くして・・・との事ですが読み難い。
    主人公の性器を切り取った変質者も、祖父を殺した弟も、会社の上司と職場の上の部屋で不倫するレストランのスタッフも、物語の終わりではなんだかみんな赦されていて、ファンタジーなのかな、コメディなのかな、私のココロが狭いのかな?と少し不穏になりました。

  • 前半の痛々しさは読むのを止めてしまおうかと思ったくらいだったが,後半は筒井の世界として楽しめた (か?).実際の出来事も含まれていて,不思議な読後感.
    枕詞や古語を使用した言葉遊びに目が行くが,一方で,例えば「怖者なう」の「なう」は「同意を求める気持」と注釈があるのだが,やっぱり「なう」は twitter 用語だろうと思うと,現代の言葉を織り交ぜた言葉遊びも結構隠れているんじゃないかと感じた.「松千代」はわざわざカタカナで「マツチヨ」 (=マッチョ) と振られていたが,それ以外にも探せば見つかりそうな気がする.

  • 筒井氏の作品はできる限り読むようにしているが、近年の作品でも好きなのが本書。

    主人公はじめ家族に起こった出来事や、その当時実際に起こった出来事を述べる部分が多く、個別の場面の描写が密にされることはあまりない。
    筒井氏は、「省略」や「時間経過」についての技法にかねてから取り組んでいたが、本書はその一つの到達点ではないか。

    くどくどと心理描写を重ねるのとは正反対の文体だが、読んでいてわずか数語の文字列に心を揺さぶられるところがあった。
    これは表面的に真似をしようとしてもできない、巨匠の名人芸である。
    ただただ、感服。

  • 美しすぎるぼくは5歳の頃、性の根源を根こそぎ奪われたんだ。

    悲痛な幕開けから淀みなく語られる葉月貴夫と彼の美貌に振り回される人々の半生。
    食と共に生き、性欲から切り離された位置で世を眺め人を眺め、そしてやってくるあの日を超えて。
    我々は欲に塗れ生きている。
    ああ、この世はかくも素晴らしい。

  • 今日、3月12日、この本を読み終わったのは何か見えない強い力が働いたのではないかと、ちょっと思った。僕の再燃筒井康隆ブームは続く。

  • 2016/02/07 読了

  • 160203

  • 文体が神。筒井ワールド。

  • グルメ旅団が遠征グルメ旅行に行く件、まず和歌山は有田川ではじまり、新潟ではいごねり、のっぺ、おけさ柿など名物がずらずらーっとでてきて妙にウケました。センセーショナルな出だしで結構旅情もあり、読みやすい。

  • 連載時毎日が楽しみで、初めて新聞連載で全話読んだ筒井康隆大明神作品。あまりの美貌ゆえに5歳で性器を切断された貴夫が様々な苦難に出会い、性欲や芸術への関心を失った代わりに食欲を自らの存在意義とするという展開が面白い。そして彼の元に集い、美食に魅了されて性に溺れていく人々は滑稽に見える。終盤で彼らの人生を襲うあの震災の果て、登場人物が一席打つある演説は、連載当初はどこか唐突でそこまでは思えない感があったけど、この数年の短期間で急激に変わった現代社会が、ますます勢いを強めて終末に向かっていることを思えば、どこかで首肯してしまう自分がいる。でも大明神お得意のどす黒いユーモアや過去作品のオマージュも盛り込まれているので、久々に面白かったわ〜。

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聖痕 (新潮文庫)の作品紹介

五歳の葉月貴夫はその美貌ゆえ暴漢に襲われ、性器を切断された。性欲に支配される芸術に興味を持てなくなった彼は、若いころから美食を追い求めることになる。やがて自分が理想とするレストランを作るが、美女のスタッフが集まった店は「背徳の館」と化していく……。巨匠・筒井康隆が古今の日本語の贅を尽して現代を描き未来を予言する、文明批評小説にして数奇極まる「聖人伝」。

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