- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101174044
感想・レビュー・書評
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食べ物の話から、巴里の思い出、男性ファッションについて、文学や政治、当時の世相、本物の贅沢の話まで多彩な話題を鋭い眼差しと感性で書き綴ったエッセイ。森茉莉のエッセイは辛辣な語りでも嫌味がなくて面白く読めます。また幼少期の記憶や巴里の思い出は美しい色彩に彩られているようで読んでいてうっとり。父・鷗外への思慕も淡い初恋のよう。どんなに鷗外を愛していたのか、2人の別離を読むと胸が締め付けられます。
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なんというおばあさん少女…恐ろしいな。
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もう何回読んだか分からない、森茉莉パイセンのエッセイ。
三島由紀夫のファッションを似合ってないと貶し、「この世に起きて坐っている位だるくていやなことはない」と断言し、ピーター・オトゥールで妄想し、オムレツの作り方を披露する本です。他にも色々書いてますが、概ねパイセン困った人だなぁ、でも格好良いっすパイセン!
文章に苦労とか吝嗇くささの嫌なにおいが全く感じられない不思議な人です。 -
著者のエッセイのなかから、「貧乏サヴァラン」「夢を買う話」「あなたのイノサン、あなたの悪魔」「反ヒュウマニズム礼賛」「ほんものの贅沢」の5編を収録しています。
著者の「反ヒュウマニズム」は、ヒューマニズムに対する思想的挑戦ではなく、その独特の美意識にもとづくものであるように思えます。そのため、著者の議論のほころびをさがし求めてこのエッセイを読んだとしても、掘り下げて検討をおこなうことのできるような奥行きを見いだすことはできないでしょう。著者の日々の生活のなかで一つひとつていねいに手をかけてつくられた著者の趣味から流露したことばであり、読者はその表層をたどっていくことで、その美意識に触れることになります。
「あなたのイノサン、あなたの悪魔」は、三島由紀夫にあてた書簡形式の文章で、三島のなかの「イノサン」(innocence)について「要するに奇異な服装をするのも、各国の家をお建てになるのも、伊太利の彫刻家に、希臘のアポロンのコピイを拵えて貰って、お金をかけて運んで来るのも、貴方のサド的なイノサンがさせることなのだろうと思われて来ました」と、皮肉の利いた評言をつづっていますが、三島の「文学」を掘り下げるのではなく、こうしたところにまなざしを向けるのが、著者の美意識の働くしかたを示しているように思います。 -
確かに独特の世界観はあるな。欧州びいき、アメリカ嫌いが露骨すぎで楽しい。
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森茉莉さまのようなおばあちゃんに私はなりたい。
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ハハハ。大変生きにくいことですね
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茉莉ちゃんはいつでも優雅だ…。おいしいものが食べたくなる。
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漢字使いや言葉の流れがとても綺麗。
食べ物の描写と硝子の話が好きだなぁ。
気取らない内容なのにお嬢様らしさが出ている。 -
昭和43年発表、他。