吉原御免状 (新潮文庫)

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著者 : 隆慶一郎
  • 新潮社 (1989年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101174112

吉原御免状 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 鬼平犯科帳などを手掛けたベテラン脚本家が、死の5年前に時代伝奇小説家に転向、以来、隆慶一郎というペンネームで次々と作品を発表し、ある作品は少年ジャンプで漫画化されたことから短期間に全世代にセンセーションを巻き起こした作家となった。
    彼がその作品の中で多くテーマとしたのが網野善彦の『無縁・公界・楽』で紹介されたアジールと道々の輩。この小説の肝は吉原を徳川体制下に残された数少ないアジールという説を打ち出したこと。しかもそれは単に象徴的な意味ではなく、政権側と吉原側との双方が秘密裏に武装した実働部隊を持ち、吉原を囲むお歯黒溝や塀なども実は遊女を逃がさないためのものではなく、外部からの攻撃に備えた要塞として仕立て上げるための装置だったと大風呂敷を広げる。住まいの図書館出版局から出版が予定されていた『花街考』が著者の急逝により立ち消えとなってしまったため、結局、吉原に関する考察は、この本(と続編)のみとなってしまった。また、他では滅多に取り上げられない傀儡子が物語の中心に据えられているのも嬉しい。中世のオカルトめいた怪しい民俗学が好きな人間には非常に楽しめる小説。

  • 再読。

    クセもケレン味もない主人公。
    その分、敵役や女性キャラが個性的で魅力的。
    「一夢庵風流記」に登場した爽やかな若者がいい味わいを出したキャラになって登場。
    「影武者徳川家康」のエピソード0またはパラレルワールドのお話しとして登場して隆慶一朗ユニバースの広がりが垣間見れる。ファンにはたまらない。

  • これからどんどん書いて欲しかったのに急逝されてとっても残念。
    この『吉原御免状』が処女作で、かつ直木賞候補作となった作品。時代小説の傑作中の傑作ですね。

    時代劇やドラマでよく出てくる吉原ですが、こういう遊郭が出来た歴史や幕府との関係など関心しきり。
    これ以降、時代劇を見る目が変わった。

  • 壮大な設定で、面白くなるかなと思っていたら
    これからって時に終ってもーた。残念。

  • 面白かったどころではない。驚いた。
    吉原について、何を知っているわけではないが、それでもこれまで知っていた吉原を根底から覆すような作品だった。吉原と出てくるが、物語は吉原を中心にはしているが、もっと壮大。
    隆さんはこの後も、この作品に出てくる人物を小説にされているらしいので、読み勧めたくなる。
    こういう時代小説はもっと世間の人たちに読まれてもいいように思う。
    読んでよかったと思える作品だった。

  • 時代伝奇小説で一時代を築いた隆慶一郎のデビュー作。前から読みたいと思いながら、積読になっていたものをやっと読了。
    評判に違わない面白さ。吉原を舞台にしながら、その裏に様々な要素を詰め込んだ、これぞ伝奇小説か。宮本武蔵、柳生一族、家康替玉説、傀儡士、もう沢山の要素を詰め込みながら吉原という特異な一世界で全てをまとめ上げている。通読した後に後記や解説を読むとまた、その深さがわかってくる。
    本世界観は連作的に幾つか書かれているとのこと。読んでみなければ。

  • 隆慶一郎さんはわずか5年の作家生活でなくなられた方。その短すぎた活躍期間が、多くの時代小説ファンのHPで惜しまれている。それを読んで、この本を買ってみることにした。
    私も時代小説は好きですが、ちょっと系列が違うみたいです。私の好きなのは藤沢周平や山本周五郎、つまり人情物主体。この本は柴田練三郎や五味さんの譜系ですかね。伝奇・剣豪小説系。
    最初はちょっと入り込めなかったのですが、最後には引き込まれるような感じもありました。
    私にとっては傑作とも思えませんが、それなりに良く出来た作品だとは思います

  • 隆慶一郎のデビュー作にて最高傑作

  • 花街吉原がくぐつ氏族の「無縁の徒」の「公界」として歴史的に形成されてきたという設定は非情に新鮮である。道々の輩、くぐつ・山伏・陰陽師・猿楽子・遊女・巫女・・・等の公界往来人の存在から構想した一種の歴史劇画である。徳川家康の影武者と秀忠・表柳生と裏柳生・天皇家と幕府そして、階級社会とそこに組み込まれまいとする自由人、様々な立場の登場人物の対立と思惑が錯綜して、面白くはあるが現実を超えたストーリーである。単なる時代劇アクション活劇とは違う歴史観の匂いを漂わす。

  • 2017.1.15 日経新聞「文化」中畑貴志
    「正月用、書籍選び」

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