死ぬことと見つけたり(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101174181

感想・レビュー・書評

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  • 作者が葉隠をいかにし、戦争中に読みだしたかという紹介から始まる。
    どうして、なかなか、面白かった。
    短いエピソード集なんだけど、毎回が思い切りよく生き抜くことを信条に生き抜く侍であるため、波乱万丈が烈しいのなんの。作者が言うとおり、葉隠は元々読んでみたい本の一冊であったけれど、葉隠は面白いものなのではないかと思ってきた。

    引用した言葉は不満。
    私は、自分が痛い目に合わないためだけに、嘘をつくひどい人間を見たことがある。そいつは、自分が傷つけた人のことなどあっという間に忘れていく。こんなひどい人間は幸せになってはいけないとまで感じた人間だ。

    残念ながら、18話で完結の予定だったらしいが、作者が急逝のために、15話が最後。16話を17話については草稿が残っており、あらすじを記載してくれている。勝茂がなくなり、杢之介が殉死、求馬が殉死とますます読み応えのある内容なだけにとても残念。

    そして、18話については、あらすじもなく、作者が編集者に話した内容を記載するとなっていた。こういうのを見ると、編集者というのはいい存在だなぁと思ったりする。頑張れ、のりすけさん(笑)

    最後まで、触れられないのが、萬衛門の死。
    私は彼は死ななかったんじゃないかと思った。杢之介と証言の約束をしていたから。誰にも迷惑を掛けないように、独りで去っていくのが杢之介。やるべきことを果たしてから20年後に切腹するのが求馬、生き残るのが萬衛門。それぞれの信条に応じた殉死だと思う。

    毎日が刺激に溢れ、羨ましい気がするけれど、それは何かあったらすぐ命を引き換えにする覚悟をもって生きているからこそ初めて得られる報酬。
    私たちが何もリスクにかけることなく、我が儘に生きるのとは違う。

  • まあまあかな。どこまでが事実に基づいたものなのかちょっとよくわからなかったな。

  • 初めてのちゃんとした?歴史小説でした。歴史小説ってちょっとズルいかもしれないな。題材が面白すぎますよね。そもそも佐賀県って私の中では全く印象になかったので、新しい知識も得られて二重に楽しかったです。
    徳川家光〜家綱くらいの時代の鍋島藩を舞台に、葉隠武士と呼ばれる戦士の中の戦士達を描いています。この小説は未完のまま作者がなくなってしまって、結末がどうなるのかわかりません。それが本当に残念です。
    歴史小説がめっちゃ面白いらしいことがわかったので、読み終わってすぐに吉川英治の「三国志」読み始めました。

  • 主人公の覚悟と行動力に惚れる。

  • 理想の男性。生きざま(死にざま)が潔い

  • 12/07/31 心地良い時代小説。

  • 武士道とは死ぬ事を見つけたり、という最も極端、且つ有名とも言えるフレーズを体現している鍋島武士のモノガタリ。死にたがる?というわけでもないが、死に対して無頓着な連中が繰り広げる時代劇。エンターテインメントとして面白い。下巻の最後まで読めないのが残念。

  • 読みごたえあったぁ~ まだ上巻なので下巻が楽しみです。
    もくのすけ と かんえもんの「死人の気持ち」なんて到底わからないけど、ところどころコミカルだったり恋愛だったり挟まれてて飽きません。

  • ◆武士の生き様がなぜか心地良い。

  • 未完の大作。完成すれば小説家、隆慶一郎先生の一つの到達点になった作品だと思います。

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