霧ふかき宇治の恋―新源氏物語〈下〉 (新潮文庫)

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著者 : 田辺聖子
  • 新潮社 (1993年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101175232

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霧ふかき宇治の恋―新源氏物語〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 登場人物全員にイライラ…。
    でも浮舟は、最終的に自分で自分の生き方を決断して、さっぱりすることが出来たので、良かった。

    仏道への思いが深い割に、浮舟を男が囲っているのではないかと、邪推する薫…

  • 「宇治十帖」の後半の物語。薫と匂宮の間で思い乱れる浮舟の姿が描かれています。

    「あとがき」に当たる「理想を追い求める恋人たち」というエッセイの中で、著者が源氏が嫉妬を知らないことにもの足りなさを感じると書いているのが、とくに印象的です。円地文子も、須磨に行った源氏の留守に、紫の上にちょっかいを出す男を作らなかったことに飽き足りない思いを抱いていたということも紹介されていますが、確かに紫の上の主体性が見えて、源氏の彼女にかける想いがより生き生きとしたものになったのではないかという気がします。

  • おもしろかったです。何気なく読んでいた田辺源氏でしたが、個人的にはこの巻が一番心に響きました。浮舟、最初は優柔不断でちょっとイラっとくるところがあったのですがだんだん共感出来るような気がしてきました。特に出家後の晴れやかな浮舟さんが好きです。宇治十帖やっぱり好きです。源氏物語の一部、二部と比べると登場人物が皆リアルな造形なんですよね。しかし田辺さんは薫びいきなんですね(私は匂宮派)。私からすると薫はけっこう陰険な男にも思えるのですが…。「窯変」のほうが浮舟に同情的で薫に辛辣な描写だったような。訳者の思い入れが解るのもおもしろいですね。

  • 大和和紀の「あさきゆめみし」も良いけれど、この本も中高時代に読んでおけばよかった。古典は嫌いではなかったけれど、学校の勉強では平面的な印象しか持てなかったお話が、立体的になり、イキイキと動き出すよう。

  • 「宇治十帖」の後半、浮舟が川に身を投げようと邸を抜け出すシーン。
    その後の浮舟の身の振り方。
    薫と匂宮、大君と中の君と浮舟、この5人の性格がよく描かれており面白い。
    光源氏の次の世代の恋愛物語であり、光源氏とはまた違った恋愛物語でもある。
    最後の章に浮舟が、
    「やっと心がきまったわ。・・いいえ、これから先もまだまだ、
     悩みや迷いが多いかもしれないけれど、でもやがてはみんな、
     なつかしくいとしいものに思えるような日がくるかもしれないわ・・」
    この言葉に薫はどう答えるのだろう。

  • 下でも絶好調な薫のご都合主義にいいかげんうんざり。


    中ほどにある、浮舟=大君の形見、人形~が、


    どう贔屓目に見たって
    ◎ッチ◎イフ宣言にしか思えない。最低。


    一の宮を垣間見て、同じことを妻にさせる辺りに、
    日本文学史史上初のイメクラを感じさせる。

  • 高校時代に、同作家の「新源氏物語」を読んで源氏にハマり、
    古文が得意になった。
    その頃はまだ発表されていなかった、源氏死後の続編。
    薫と匂宮は、2人足して2で割ったらイイ男だね。
    源氏にはかなわない。
    原文を読んだことがないのでわからないが、
    田辺さんの訳は、現代にも通ずる男女の愛として
    読みごたえがあるので、好きだ。

  • 内容紹介:大君亡きあと中の君への情念にもだえる薫の前に現れたのが、中の君の異腹の妹・浮舟であった。彼女は薫に惹かれる一方で、色好みの匂宮とも通じ、恋の板挟みに思い悩んだ末に霧ふかい宇治川に身を投げるが…。極限の愛を余すところなく描いて、圧倒的な感動をよぶ田辺版・新源氏物語、堂々の完結編「宇治十帖」下巻。(「BOOK」データベースより)

    資料番号:010656262
    請求記号:F/ タナベ/ 2
    資料区分:文庫・新書

  • やっと読み通しました。田辺版・宇治十帖。新源氏物語があまりにも面白かったので、宇治十帖が文庫化されて比較的早い時期に買い求めていたのだけれど、どうも話に入り込めなくて中途で諦めること数回。今回は何がなんでも読み通そうと、辛抱して読み、薫が大君にはぐらかされ、中の君と一晩過ごすことになったあたりからやっと話が動き始めた感じで本を読める時間が楽しみになりました。 ただ、その後、中だるみが来て、浮舟があ〜どもない、こうでもないと一人思い悩んでいる当たりからいらいら。薫の何事につけても周囲に気を配りすぎる心配りにも、イライラ。周りの人の駆け引きにもイライラ。これが一般的な日本人の人間関係に関する人びとの心の動き、そして思惑なのだとしたら、私、とてもついて行けません。
    こういうのを人間関係の機微というのかしら?

  • (2007.05.31読了)(2003.06.27購入)
    田辺さんの源氏物語の最終巻です。宇治十帖の最後の5章が収められています。
    「東屋」「浮舟」「蜻蛉」「手習」「夢の浮橋」です。
    この巻の主人公は、浮舟です。脇役は、薫と匂宮です。
    宇治の八の宮の残した姉妹、大君(長女のこと)と中の君(次女のこと)の面倒を見ることを頼まれた薫は、大君を自分の女にしたいがために、中の君を匂宮に託します。
    ところが大君はあくまでも薫を拒み通し、死んでしまいます。薫は、大君をあきらめきれず、匂宮の不在の時に中の君のところを訪ねて、中の君に迫ったりします。
    困った中の君は、父の八の宮が認知しなかった異腹の妹の存在を知らせます。この女性が浮舟です。
    八の宮の異腹の妹を生んだ女性は、常陸の介の妻になっており、常陸の介の子供も何人か生んでいます。常陸の介には、先妻の子供も何人かいたようです。
    常陸の介は、比較的裕福ですので、貧乏貴族達は、冨を目当てに常陸の介の娘達に結婚を申し込んできます。その中から左近の少将という青年に的を絞り、浮舟を嫁がせようとします。ところが、左近の少将は、浮舟が常陸の介の実子ではないことを聞きつけると実子のほうに鞍替えしてしまいます。
    常陸の介の北の方(浮舟の母)は、中の君を頼って、浮舟を中の君のところに預けます。
    中の君のところには当然ながら、たびたび匂宮が訪ねてきます。
    中の君が髪を洗っている時に匂宮が訪ねてきてしまって、手持ち無沙汰な匂宮が今まで見かけたことのない女に気付きます。それが浮舟でした。一目で気に入ってしまいました。
    北の方は、浮舟を三條の仮住まいの宿に隠します。
    薫は、中の君を通して浮舟への気持ちを伝えてもらい、三條の仮住まいの宿を訪れた後、宇治へと浮舟を移してしまいます。
    これで、薫は浮舟を確保することができたのですが、これで終わらないところが源氏物語のすごさです。
    匂宮が一度見て忘れられない浮舟を探し出し、夜陰にまぎれて薫を装って、浮舟と情熱的な一夜を過ごしてしまいます。
    浮舟は、当世の二人の美男子に気に入られたわけで、薫を選ぶことも、匂宮を選ぶこともできない状態です。誠実な薫と奔放な匂宮とどちらもいいので、板ばさみになってしまいます。
    思い余った浮舟は、宇治川に身を投げて死んでしまおうとするのですが、心が弱っているところを物の怪に取り付かれて、さまよい倒れているところを尼たちに助けられます。
    浮舟がいた屋敷では、浮舟は、身投げして死んだものと思い、葬儀を営みます。
    薫も匂宮もあきらめるしかありません。
    浮舟は、尼達の介護と坊さんの加持祈祷により回復します。
    今度は、尼さんの知合いの中将が、浮舟を垣間見て、迫ります。
    思い余った浮舟は、髪を下ろして、出家してしまいます。
    薫の下に、浮舟の生存が伝えられて、薫は、浮舟を訪てゆきますが、会ってもらえず都へと戻ります。

    最初から最後まで、ドキドキハラハラしながら一気に読ませてしまいます。原作のすごさもあるでしょうが、田辺さんの筆もたいしたものです。
    田辺さんは、勢い余って、「私本・源氏物語」という源氏物語外伝とでも呼ばれるものも書いたようです。

    ☆田辺聖子さんの本(既読)
    「甘い関係」田辺聖子著、文芸春秋、1975..
    「絵草紙源氏物語」田辺聖子著・岡田嘉夫絵、角川文庫、1984.01.10
    「新源氏物語(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語(中)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
    「むかし・あけぼの」(上)、田辺聖子著、角川文庫... 続きを読む

  • 上巻に続くお話。浮船の出した結論はそれだけ激しい恋愛をした結果からでたものだと思います。ほんと、誰も傷つかない恋愛は無いのかも?

  • 結構男もえげつない争いをするんだなあと実感。薫の君派だったので浮舟の出した結論にがつくし。

  • 読み手である自分の状況で、好きな女性・嫌いな女性が変わります。
    自分の心を映してくれる、そんなところも源氏物語の魅力のひとつかもしれません。

  • 浮舟は、現代風にいえばうつ病でひきこもりになっちゃってる。男たちも悪いけど、心の弱い浮舟も悪い。修羅場、でもおもしろい。

  • 源氏物語の中でもとても読みやすい本だと思いますです。難しいのが苦手な人はこの本からとっかかってみたりしたらどうかな???って思うのです。時代は、光源氏と言うよりは息子の時代なのですが、、、小説で初めて泣いた本がこれだったのです。。。
    高校生の時によみました。。
    今読んだら また違った感情がでるかな???

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