愛のごとく〈上〉 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101176154

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  • 家庭と愛人の間で、上手くどちらも手に入れておこうとする主人公。
    なんと勝手な人間だと思うが、なんとも人間らしいようにも思う。

  • 42歳で駆け出しのノンフィクション・ライターをしている風野克彦は、28歳の矢嶋衿子という女性と五年前から愛人関係にありました。風野の妻は、彼の浮気を知っており、夫婦の関係は冷えきっていますが、決定的な破綻は迎えておらず、風野はそんな状況をずるずるとつづけています。一方の衿子も、自分がすでに若くはないことを自覚しているためか、風野の煮えきらない態度にたびたび怒りをぶつけますが、風野はそんな彼女に弱りながらも、いつまでも彼女を自分の手の届くところに置いておきたいという思いから、彼女との関係をつづけていきます。

    そんななか、これまで一度も妊娠しなかった衿子が、お腹に風間の子どもを宿したことが発覚します。それでも風間は、これまで通り家庭と愛人のどちらにも決定的な破綻を来たさないように穏便に事を進めようとする態度に終始し、そんな彼に対して衿子はこれまで以上に気持ちが離れていくことを自覚することになります。その後、衿子の職場の若い男性が彼女に好意をもっていることを知った風間は、嫉妬に駆り立てられて今さらながら彼女への想いを強くしていきます。

    とりあえずのところ、渡辺淳一らしい不倫愛をえがいた小説という印象です。ただ、いろいろ物語が動き出しそうな伏線があるので、下巻でどのような展開になるのか期待しています。

  • 84年の作品。

    風野という既婚男性が、家庭と愛人との間で揺れ動く小説。愛人はアラサー独女の衿子。2号であるのに、本妻に一歩も引けを取らない自己主張と気の強さが、当時の不倫する女性の代表なのだろうか?現代とは全く違う不倫像で理解しにくい。
    風野は、家庭をさほど大事にしないのに妻と別れない、若い愛人とは恋愛をしているのに結婚する気はない、どっちつかずなところが狡い。風野の心情がメインで話が進んでいくが、テンポはゆっくりで今一つ盛り上がりに欠ける。

  • !!

著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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