- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101181073
感想・レビュー・書評
-
クルーズ旅行の前に「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」を読み、クルーズ旅行後に調布図書館から借りて読んだ。
【Amazon紹介文】
声なき声を大切にしない国に、未来なんてない。
多数派の「正義」を疑う、珠玉のエッセイ集。
みずからの置かれた状況を冷静に把握し、果たすべき役割を完璧に遂行する。しかも皮相で浅薄な価値観に捉われることなく、すべてを醒めた眼で、相対的に見ることができる人間――それが行動的ペシミスト。
「声なき少数派」である彼らの代表として、大声でまかりとおっている「多数派」の「正義」を排し、その真髄と美学を、イタリア・フィレンツェで綴ったメッセージが本書である。
(2024.3.9)
※2010.11.24貸出from調布図書館、12.22返却
過去の手帳を整理していて読書記録を発見(2024.3.9)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ローマ3分作など古代イタリアの歴史読物でベストセラーを記録する著者の、雑誌に連載されたエッセイ集。穏やかで賢い保守を愛する彼女の人間観が表れている。
-
新潮文庫 し−12−7
-
「戦後、それでなければ夜も日も明けない感じだった民主主義も、全体主義の波にさらされた経験のない私には、これもまた、絶対的なものでは少しもなく、人類が今までに考えだした思想の一つにすぎなかった」と述べる著者が、イタリアを中心とする歴史上のさまざまなエピソードに言及しながら、人間の心理を鋭くえぐり出すエッセイ集です。
ただ、どういうスタンスで本書を読めばよいのか、よくわからないまま読み終えてしまったというのが、正直なところです。「真の保守とは……」と題された文章では、自分がどのくらい「革新」であるのかわらかないという江田五月との対談を経て、著者自身も「保守」の定義に疑問を呈しており、さらに、花田清輝やモラヴィアといった、著者とは政治的立場を異にしながらも、全体主義の予兆に対してきわめて鋭敏に反対した作家たちへの共感を語っているところもあり、単に歴史上のエピソードを借りて、あらかじめ用意されていた著者の「思想」を表明した本でないことは明らかであるように思います。
とはいうものの、歴史もののエッセイとして読めばよいのか、それとも著者自身の現代社会に対する批評ふうのエッセイとして読めばいいのか、なかなか視座が定まらないまま、けっきょく最後のページまで行きついてしまったように感じています。 -
20171028
-
『マイノリティ』であることをテーマにした読み物。出会い、見聞きした出来事から著者が感じたり考えたりした事等が書かれています。
頷くものもあれば「そう言うものなのだろうか』と思うもの、理解が難しいもの、微笑ましく感じるものと様々でしたが色々な出来事を著者の角度から見られて面白く読めました。
しかしこの方の歴史上の好みの男性への愛は揺ぎ無いです。作品の裏側も見せてもらえたような話も幾つかありました。 -
ちょっと昔のエッセイをまとめたもので、数十年たってしまった今となってはちょっとピンとこなかったり、難しい話もあったが、塩野さんの鋭い意見に接するのは刺激的で面白かった。
-
まだ私には難しいと感じた。45歳になったらまた読みたい。