海の都の物語〈5〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)

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著者 : 塩野七生
  • 新潮社 (2009年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181363

海の都の物語〈5〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 20170924

  • 15世紀末からベネチアに時代の変化が訪れる。1.東からイスラム国トルコの台頭 2.西欧諸国が喜望峰経由でのインド航路発見 3.強力なリーダーの君主制国家が優勢に ベネチア流の海洋都市国家から領土型封建国家へ主流が変わっていく。変化に対抗しようとするが苦戦を強いられるベネチア。ここに書かれてあることを読むと優劣を決したのが二つあるように思う。a.ベネチアの人口や財政の限界を超えた広範囲の統治 b.単純な数の論理。他国の人口・支配領域が勝っていた。こういっては何だが小粒だがピリリと辛い・・・だけでは結局は食いつぶされるのであろうか。

  • 経済が発展しても善政を布いても、人口が少ないと国は滅びるのか。
    今の時代だとこうはならなかったかもしれない?
    スペインとトルコがとても憎々しい感じに書かれている(笑)

  • 大航海時代の中のヴェネチア共和国。

  • ヴェネツィアシリーズ第5巻。今までは都市国家間の独自の方法ですり抜けてきたヴェネツィアだったが、大航海時代になり、都市国家から領土国家の争いに変わっていく中で、それでも独自路線を変えず、ために衰退の一途をたどっていく、その陰りはじめを書いた巻。
    衰退することが分かっていたわけでもなく、情報や技術が劣っていたわけでもないのに、時代の波に翻弄され衰退していく様は、哀愁を感じざるを得ない。。。
    でも、最後の最後までその生き様は変わらないような気がするので、最後の巻が気になります。

  • 【本の内容】
    <1>
    ローマ帝国滅亡後、他国の侵略も絶えないイタリア半島にあって、一千年もの長きにわたり、自由と独立を守り続けたヴェネツィア共和国。

    外交と貿易、そして軍事力を巧みに駆使し、徹底して共同体の利益を追求した稀有なるリアリスト集団はいかにして誕生したのか。

    ヴェネツィア共和国の壮大な興亡史が今、幕を開ける。

    「ルネサンス著作集」中の大作、待望の文庫化、全六冊。

    <2>
    ヴェネツィア共和国は十字軍の熱狂に乗じて東地中海に定期航路を確立し、貿易国としての地歩固めに成功。

    異教徒との通商を禁じるローマ法王を出し抜き、独自の経済技術や情報網を駆使して、東方との交易市場に強烈な存在感を示した。

    宗教の排除と政治のプロの育成に重点をおき、強力な統治能力を発揮した内政にも裏打ちされた「ヴェネツィア株式会社」の真髄を描き出す。

    <3>
    東方との通商に乗り出し、地中海の制海権を握ろうとしたのは、ヴェネツィアだけではなかった。

    アマルフィやピサといった海洋都市国家が次々と現れ、なかでも最強のライヴァル、ジェノヴァとの争いは苛烈を極めた。

    ヴェネツィア共和国は、個人主義的で天才型のジェノヴァの船乗りたちといかにして戦ったのか。

    群雄割拠の時代を生き抜くヴェネツィア人の苦闘の物語。

    <4>
    1453年、トルコ帝国がコンスタンティノープルを攻め落とし、ビザンチン帝国が滅亡。

    東地中海の勢力図は一変した。

    東方での貿易を最大の糧とするヴェネツィアはこの状況にどう対応したのか。

    強大な軍事力を誇り、さらに西へと勢力を広げようとするトルコ帝国との息を呑む攻防、そしてある官吏の記録をもとに、ヴェネツィアの新興ビジネスである観光事業、聖地巡礼旅行を活写する。

    <5>
    十五世紀末、ポルトガルがインドへの新航路を発見という、中世の一大ニュースがヨーロッパ中を駆け巡る。

    トルコ帝国との攻防も続く中、スペインに代表される君主制国家も台頭。

    ヴェネツィアは統治能力の向上による対抗を図るも、「持たぬ者の悲哀」を味わうことになる。
    地中海から大西洋へ。

    海洋都市国家から領土型封建国家へ。

    新時代の幕開けはすぐそこまで迫っていた。

    <6>
    ヴェネツィア共和国はトルコ帝国との争いで、交易拠点を次々に失い始める。

    海外交易市場の主導権もイギリス、オランダに譲り、衰退の兆しは誰の目にも明らかだった。

    そしてフランス革命に端を発したヨーロッパ世界の動乱。

    ナポレオン率いるフランス軍の圧力を前にして、かつて「地中海の女王」とさえ呼ばれたヴェネツィア共和国の命運は尽きつつあった…。

    歴史大作の完結編。

    [ 目次 ]
    <1>
    第1話 ヴェネツィア誕生(蛮族から逃れて;迎え撃つ;聖マルコ;海の上の都;運河;地盤づくり;広場;井戸;国づくり)
    第2話 海へ!(海賊退治;海の高速道路;海との結婚式;交易商品;ヴェネツィアの船;帆船;ガレー船;東方への進出)
    第3話 第四次十字軍(エンリコ・ダンドロ;契約;ヴェネツィアへ;コンスタンティノープル;コンスタンティノープル攻城戦;落城;ラテン帝国;ヴェネツィアが得た“リターン”)

    <2>
    第4話 ヴェニスの商人(交易商人(その一)
    資金の集め方
    交易市場
    マルコ・ポーロだけではない
    定期航路の確立
    海上法
    羅針盤と航海図
    船の変化
    中世の“シティ”
    交易商人(そのニ))
    第5話 政治の技術(共和政維持の苦労;政教分離;政治改革;クィリーニ・ティエポロの乱;「十人委員会」;元首ファリエルの乱;政治と行政)

    <3>
    第6話 ライヴァル、ジェノヴァ(海の共和国;アマルフィ;ピサ;ジェノヴァ;ジェノヴァの商人;ジェノヴァ対ヴェネツィア;ヴェネツィアの二人の男;キオッジアの戦い)
    第7話 ヴェネツィアの女

    <4>
    第8話 宿敵トルコ(トルコ帝国;「本土」;マホメッド二世;コンスタンティノープルへ;ビザンチン滅亡 ほか)
    第9話 聖地巡礼パック旅行(まず、ヴェネツィアへ;ヴェネツィア滞在;旅立ち;イェルサレム;聖地巡礼 ほか)

    <5>
    第10話 大航海時代の挑戦(胡椒ショック;航海者たち;危機;巻き返し;通商と産業と ほか)
    第11話 二大帝国の谷間で(都市国家から領土国家へ;統治能力の向上を期して;ヴェネツィアの光と影;元首グリッティ;その息子 ほか)

    <6>
    第12話 地中海最後の砦(法王庁に抗して;クレタ攻防戦)
    第13話 ヴィヴァルディの世紀
    第14話 ヴェネツィアの死

    [ POP ]
    帯に〈『ローマ人の物語』に並ぶ代表作〉とある。

    著者が30年近く前に発表した、「地中海の女王」ヴェネツィア共和国の興亡史が、新潮文庫から全6巻で刊行された。

    1981年度のサントリー学芸賞受賞作だ。

    ローマ帝国滅亡後、他国の侵略も絶えないイタリア半島にあって、ヴェネツィア共和国は1000年もの長きにわたり、自由と独立を守り続けた。

    それはいかに可能だったのか。

    彼らの信条は、「はじめに、商売ありき」。

    経済的に成り立つことを第一目的に、外交と軍事力を巧みに駆使して、強力な共同体を作り上げた。

    「ヴェネツィア株式会社」ともいわれる経済大国の栄枯盛衰を、著者は膨大な資料を読み込み、時にはモーターボートを借り切って沼沢地帯の潟を体感した上で、生き生きと描き出した。

    3巻には、渡辺靖氏、6巻には、池内恵氏が解説を寄せた。

    気鋭の研究者による塩野史観評も、読み応えがある。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 大航海時代のポルトガルの挑戦をうけたヴェネチアが工業や農業にも産業を多角化し、敵であるトルコの拡大も手伝って、香辛料貿易でも再生をしていく話が書いてある。また、スペイン帝国とオスマン・トルコの間に挟まれて、いろいろと苦汁を飲むが、なんとか外交と海戦で存在を維持していく話がはいっている。レバントに至る戦いも紆余曲折で大変興味深い。

  • 第5巻。大航海時代の始まりによる香辛料交易の変化とヴェネツィアの対応。トルコとスペインという領土型2大国に挟まれての攻防・レパントの海戦まで。

  • 塩野七生によるヴェネツィア史(全6巻)の第5巻。この巻は、都市通商国家として繁栄してきたヴェネツィアが、大航海時代と帝国主義の到来により優位性を失っていく中、外交と戦争によって何とか踏みとどまる様を描いた守勢の巻。2大強国であるトルコとスペインに加えて、キリスト教世界の権威である法王庁も加えた駆け引きの結果、レパントの海戦で勝利し、東地中海からトルコの脅威を退けたところで本巻は終了。次の最終巻では、近世から近代に移り変わる歴史の大きな変換点に抗いきれず、滅亡するまでが記述されるのだと思うと、ちょっと切ない。

  • 隆盛を誇ったヴェネツィアも冬の時代にさしかかる。16世紀のヴェネツィアに生きた外交官、ソランツォは言う「強国とは、戦争も平和も、思いのままになる国家のことであります。わがヴェネツィア共和国は、もはや、そのような立場にないことを認めるしかありません」。コロンブスの新大陸発見以来、世は大航海時代の幕を開け(とすれば、地中海は辺境になりかねない)、またその海域でさえも、東には強大なトルコ、西にはスペインという二大帝国の狭間にあって、孤軍奮闘するヴェネツィア。頼みとする人的資源も、何といっても数が少なすぎるのだ。

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海の都の物語〈5〉―ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫)の作品紹介

十五世紀末、ポルトガルがインドへの新航路を発見という、中世の一大ニュースがヨーロッパ中を駆け巡る。トルコ帝国との攻防も続く中、スペインに代表される君主制国家も台頭。ヴェネツィアは統治能力の向上による対抗を図るも、「持たぬ者の悲哀」を味わうことになる。地中海から大西洋へ。海洋都市国家から領土型封建国家へ。新時代の幕開けはすぐそこまで迫っていた。

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